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TOKYO FM

MUSIC WORLD MAP 〜P!NK〜

ON AIR REPORT / 2021.08.18 update
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音楽で世界を知る/歴史を知る企画 『MUSIC WORLD MAP』
Vol.5 P!NK「Dear Mr. President」 (2006)

2006年の曲ですが、まさに2021年の今日につながっている1曲です。
・・・というのも今週月曜、「タリバンがアフガニスタンの首都カブールを制圧。」というニュースがありました。

もともとアフガニスタンは多民族他宗教国家で、“アフガン語を話すアフガン人”という、わかやすいまとまった国民がいるわけではなく、いろんな派閥が入り乱れている山岳地帯なんですが、当時タリバンという集団がアフガニスタンで政権を握っていたタイミングで、2001年、911同時多発テロがありました。

実行犯はテロ組織であるアル・カイーダで、それを匿っているのがタリバンなんじゃないかということで、「ならば」ということで、当時アメリカ主導のアフガン侵攻が始まり、同じ年、タリバン政権を軍が制圧して崩壊しています。

その当時、アメリカの大統領を務めていたのが、ジョージ・W・ブッシュ。大統領に就任した年には、アメリカでは同時多発テロが発生するなど、国内が大きく揺れ動く中、ブッシュ大統領は、イラクも大量破壊兵器を開発しているのではないかという演説をし、アメリカに脅威を与えている存在だと2003年、イラクへ軍事介入を始めて行くことに・・・。2003年の春にはバグダットをアメリカが制圧。

それ以降も中東への米軍の介入が止まらないわけですが。国内外、賛否が起こる中、ブッシュ政権に対して声をあげたひとりが、P!nk。

これまでに、人種差別や人々が社会で抱える苦悩などを歌で表現してきましたが、P!nkは、「Dear Mr. President」という曲で、ブッシュ政権に対する思いを歌にしました。それは、ただ歌うのではなくまるで手紙のように。


「こちらへ来て私と一緒に歩きませんか?その間、肩書きなんて関係ないただの人間として、いろんな質問に正直に答えて欲しいんです。」

「あなたは道端にあふれているホームレスを見てどう感じてますか?」
「戦地で死んでいく子供に別れの言葉も言えない母親がいるのにどうやって眠れるんですか?」
どうやって胸を張って歩くことができるんですか?

「大変な仕事っていうのは、爆弾で壊された家をもう一度自分の手で建て直すことだったりしませんか?」
「「大変な仕事っていうのは、最低賃金で出産を迎えることじゃないんですか?」
「ダンボールで今日の寝床を作らなければならないことではないのですか?」

「私たちはバカでも盲目でもないんです。親愛なる大統領様、あなたは私と散歩をしてくれる人間じゃないんですか?」



「アフガン侵攻から20年。イラク戦争からもそのくらいたつ2021年。今、ニュースでアフガニスタンから飛び立つ飛行機にしがみつく人たちの映像を見た人が多いと思います、中東情勢はとても複雑なので、一言でまとめられませんが、この20年間ここまで悪化するまでに何度も分岐点があったんじゃないか?と考えたくなるなと思います。ブッシュさん、オバマさん、トランプさん、バイデンさん。アメリカもたくさん大統領が変わっていきました。どこかのタイミングで誰かが決めたことを、それをフォローしてもう一度冷静になる人ができたことがあったんじゃないかなと思っていたりします。未来に活かせる気持ちに持っていければいいのですが・・・」(LOVE)


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(*1週間聴取可能です)

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