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TOKYO FM

MUSIC WORLD MAP 〜Marvin Gaye〜

ON AIR REPORT / 2021.09.06 update
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音楽で世界を知る/歴史を知る企画 『MUSIC WORLD MAP』
Vol.12 Marvin Gaye「What's Going On」 (1971)

Marvin GayeのWhat's Going Onがリリースされた1971年は、泥沼化したベトナム戦争が終盤に差し掛かっていた時期。ちなみにベトナム戦争は、南北ベトナムの統治をめぐって、1955年に始まりました。1960年代になると、南ベトナムはアメリカ、北ベトナムはソ連の支援を受け、資本主義と社会主義の代理戦争に様相が変わっていきました。戦争は20年もの間続いて、世界各国から、数百万人もの死者が出ました。60,000人近くのアメリカ軍兵士も戦死したんですね。
アメリカ国内ではそんな泥沼化したベトナム戦争に対する反戦の声が高まり、結果アメリカはベトナムからの撤退を余儀なくされます。

当時、ベトナムに従軍していた弟、フランキーからの一通の手紙が届きます。手紙に書かれていたのは、想像を絶する戦場の悲惨な状況。そのことに触発されて作ったのがこの「What’s Going On」なんです。

戦場に駆り出されるのはいつも若い兵士たち。若い命が次から次に失われ、兵士の母親たちは悲しみのどん底にいる。

どうして僕たち若者が、戦争の犠牲になる必要があるんだろう?What’s going on?。一体この世はどうなってしまったのか?

そんな問いかけをしている曲なんです。

この曲を聴いて、LOVEちゃんは、
「60年代から70年代にかけて、ベトナム戦争への反戦歌というと、ボブ・ディラン、ジョンレノンと言ったアーティストの曲は、 もう少し怒っているイメージ。一方、マーヴィン・ゲイのWhat’s Going Onは綺麗。本当の絶望の果てにたどり着いた時、美しいものしか生まれない。本心で美しい世界になって欲しいと思ってる。だからこの曲に知性を感じる。」

さらに、
「8月のアフガニスタンからの米軍の撤退を見ていると、正義すら疲弊するのが戦争だと思った。本当に混沌としていると思ったが、しっかりと絶望して、しっかりと希望につながる道筋を描いた方がいいなと感じた。」
とのことです。


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(*1週間聴取可能です)

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