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TOKYO FM

Message in the Music/Maria Muldaur

ON AIR REPORT / 2022.05.17 update
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ブロードキャスターのピーター・バラカンさんが毎日1曲選曲。
時代を超えて、届く、音楽のメッセージを紐解く 「Message in the Music」

今日紹介いただいたのは
Maria Muldaur「I’m a Woman」(1974)

みなさんは「最高裁判事」の名前を聞いたことありますか?日本の最高裁について紹介されることあまりないと思います。
アメリカの最高裁判事は頻繁に耳にする。9人いるけれど、左寄りと右寄りのバランスについても新聞でよく紹介されます。今の9人のうち6人が保守派。

最高裁でまもなく判断することになっているのが「妊娠中絶」 に関するもの。
1973年に「ローVSウェイド」 という有名な裁判があった。当時の最高裁は「アメリカの女性には妊娠中絶をする権利が憲法上ある」と判断している。そのまま49年続いているが、今の最高裁がそれを覆すのではないか、という意見書のドラフト(草案)がリークされました。

もし、権利がないとなれば、各州の法律に従うことになるが、50州のうち約半分くらいで禁止する動きがあ理ます。NYや、カリフォルニアは今まで通りだが、中西部や南部で禁止されると、州を出て中絶を受けられる州に行かなければならない。お金がない貧しい人たちはどうしようもなくなる。人間の基本的な人権から強い主張をしている人がいます。

今日は、女性の立場から物事を見た、60年代の初頭に男2人が作った曲をお届けします。

「靴下を44足洗濯して干しておく。あなたが1から9まで数えているうちに、24枚のシャツに、糊付けしてアイロンをかけちゃう。缶からラードをすくい上げてフライパンに入れて、溶けるまでに、買い物をして戻って来れる。 女だから。W・O・M・A・N。もう一度言うわ。女だから。」

「あなたが体調を崩したら治してあげるわ。呪いをかけられたら解いてあげる。空腹だったらお腹を一杯にしてあげる。お色がほしければキスして震わせてやろうじゃないか。女だから。W・O・M・A・N。私にできないことはないって、この手に持っている20ドルの金貨をかける。」

「狩猟袋からドレスを仕立てることもできるし、あんたを男に仕立てることもできるわよ、女だから」


男たちが女性の運命を決めようとしているアメリカでは、このような訴えをしたい女性が多いのではないか、と思います。


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