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TOKYO FM

Message in the Music/Pretenders

ON AIR REPORT / 2022.06.27 update
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ブロードキャスターのピーター・バラカンさんが毎日1曲選曲。
時代を超えて、届く、音楽のメッセージを紐解く 「Message in the Music」

今日の選曲は・・・
Pretenders「Thin Line Between Love And Hate 」 (1983)

このところ、コロナ禍のために家で過ごす時間が長い分、家庭内暴力の事件が増えているようです。
その家庭内暴力のことで思い出した曲があります。
「Thin Line Between Love and Hate」、「愛と憎しみは紙一重」という表現ですね。
1970年代初頭にパースウェイダーズというグループがヒットさせた曲ですが、
僕はPretendersのカバーバージョンで初めて知りました。

元々の方では一人称で歌っているもので、
男が朝5時に家に帰ってくる。そしたら、待ってくれていた彼女は、
彼を何も問い詰めることなく、「大丈夫?お腹すいてる?コート掛けてあげるね」と言ったりして、
穏やかに迎えてくれます。でも、年がら年中彼女のことをないがしろにしていると、
いつも穏やかにしている彼女が、ある時豹変してしまうんじゃないかという心配事を、
独り言のように言うんです。

曲の最後の方になると、その彼が病室に入っています。
死ぬ一歩手前の状態で、あの彼女がこんなことをするとは思わなかったけど、
キレてしまったんだ。というようなことを言います。
淡々と進んでいく曲なのでちょっと驚くんですけど、
初めてこの曲を聴いたときに「こういうことを歌にする人がいるんだ」とびっくりしたものです。

Pretendersのカバーでも、女性が歌うわけだから一人称を二人称に変えて歌ってるんですけど、
女性が歌う方がパワーがあるかもしれません。

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