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TOKYO FM

Message in the Music/Neil Young

ON AIR REPORT / 2022.09.12 update
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ブロードキャスターのピーター・バラカンさんが毎日1曲選曲。
時代を超えて、届く、音楽のメッセージを紐解く 「Message in the Music」

今日お届けした曲は、
Neil Young「Imagine from America A Tribute to Heroes」 (2001)

今日は日本では9月12日、アメリカは時差の関係で11日。
9.11というと、今から21年前になります。あの、同時多発テロが起きました。

今、電車に乗るときに、駅のホームにゴミ箱がなかったり、
飛行機に乗ろうとすると、ペットボトルを持っているとそれをチェックしたり、
国際線になると持ち込むことすら許されないんですよね。
そういうことはなぜかというと、全てあの日の事件があったためなんですね。

その9.11の事件の後に、アメリカで当時何百もラジオ局を持っていた
クリアチャンネルという会社の幹部の誰かが、トップの人たちにEメールを送りました。
そのメールの中に、160曲の楽曲のリストがあって、
今のアメリカのこの空気の中で、この辺の曲をかけるべきではないんじゃないかということが書かれていたそうです。
そのリストがすぐにリークされて、世界中に回ったわけです。
あんまりハッピーすぎるのもダメで、悲しすぎるのもダメで、飛行機に関するものがダメで、旅に関するものもかなり挙がっています。
例えば、ビートルズの中で、「A Day in the Life」と「Lucy in the Sky with Diamonds」、
それから「Ob-La-Di, Ob-La-Da」、「Ticket to Ride」、この4曲だけがリストの中に入っています。
John Lennonの「Imagine」もこのリストに入っていたんですね。
これは平和を訴える曲。「Imagine」が事実上の放送禁止になってしまうというのは、かなり驚く話。
9.11の直後からアメリカのメディアが戦争モードに切り替わっていたという実感があって、
本当にぞっとするときがありました。
そういった空気の中で、「Imagine」がリストに入ったわけですね。

その9.11のあと、すぐに緊急事態に対応したのが、消防士とか警察官なんですね。
その消防士たちも本当に大変な日々が続いたんですけど、
彼らに対するシンパシーを表現するコンサートに色々な有名なミュージシャンが出た中にNeil Youngが含まれていました。
その時に、Neil Youngが歌ったのがほかでもない、John Lennonの「Imagine」だったんですね。

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