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TOKYO FM

Message in the Music/Norah Jones

ON AIR REPORT / 2022.09.26 update
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ブロードキャスターのピーター・バラカンさんが毎日1曲選曲。
時代を超えて、届く、音楽のメッセージを紐解く 「Message in the Music」

今日お届けした曲は、
Norah Jones「Sinkin’ Soon」 (2007)

彼女の15年前の、3作目のアルバム「Not Too Late」というアルバムからの曲。
今日取り上げる曲は「Sinkin’ Soon」、「まもなく沈んでしまう」というもの。
このアルバムが発売されたのは2007年。アメリカのイラク戦争が2003年から始まって4年経っていました。
ブッシュ政権の第2期の最中に出したアルバム。僕はこの曲が、彼女の、ブッシュ政権に対する絶望感を表した曲だと思っています。

Norah Jonesと、当時の彼女の恋人でもあった、ベーシストのLee Alexanderと二人で作った曲なんですけど、
冒頭に出てくるのは・・・

シチューの上に乗っかっているオイスタークラッカー
あるいは、紅茶に入れるハチミツ、パイの上に乗っかっている生地
パイの上のクラストっていうのは、最初はパリッとしているけれど、
だんだん沈んでくるもの。

そういう比喩をいくつか並べて、まもなく沈んでくるものなんだ 
我々はそのようなものなんだという風に言っている。

歌詞の2番では・・・

枝と干し草で出来た船
これが海岸からだんだん漂流していった船長はオールを落としてしまったことをプライドがあってなかなか言えない。
小さな穴が開いて だんだん船体も弱くなってしまっているけれど、我々はまもなく沈んでいくんだ。

オールを落としてしまった船長は、間違いなくブッシュ大統領なんだろうと思います。

曲調も、Norah Jonesの曲の中ではちょっと独特の雰囲気があって、
Tom Waitsを思わせる感じもあります。そのTom Waitsの曲も、
ときどきNorah Jonesが取り上げる。そのつもりで聴いていただければと思います。

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