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アーティストLOVEがお届けしています。

TOKYO FM

Message in the Music/U2

ON AIR REPORT / 2023.01.02 update
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ブロードキャスターのピーター・バラカンさんが毎日1曲選曲。
時代を超えて、届く、音楽のメッセージを紐解く 「Message in the Music」

今日お届けした曲は、     
U2「New Year's Day」(1983)

今週はLOVEさんから提案があった3曲を取り上げることにしました。僕なりに解説してみます。
今日は1月2日、1日遅れになりますが、U2の「New Year’s Day」。
元々、ボノが奥さんにあてたラブソングが出発点。
実際に録音した時は、ポーランドの連帯ソリダルノシチという、労働組合のニュースがかなり大きく取り上げられていて、ボノの頭の中にそのこともあって、どうやら録音のとき、ほとんど即興で歌ったそう。
ポーランドは1940年代の後半からずっとソビエトの影響圏の一つで、ずっと共産主義国だったんです。そこで1980年に入って、グダンスクというポーランド北部の港町で労働組合が生まれました。
これがそのソリダリティ、ポーランド語でソリダールの父という名前の付いたもの。これができて、1年くらいで1000万人のメンバーまで増えたものです。
当時のポーランドは共産主義政権ですから、戒厳令などがあって、つぶそうとしたけれども、アンダーグラウンドで活動を続けて、結局1989年に政府との会合の結果、選挙を行うことになったんですけど、ソリダリティのリーダーがポーランドの最初の大統領になりました。

全てが静かで真っ白な世の中がそろそろ動きだす君と一緒にずっといたい 昼も夜も
血の色のような真っ赤な空の下で 白と黒の群衆が集まってきた
みんな腕を組みあって 真っ二つに割れているこの状況を
我々全員の力で突破することが出来る そしてまた一つになれる


みんなの力でその状況を突破して一つになれる、というのは、まさに連帯の事ですね。
戦争は40年前も今も続いているんですけど、今年その戦争が終わることを祈るしかない。


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