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2007年01月11日

ゆっくり地震?

あなたは『ゆっくり地震』という言葉を聞いたことがありますか?
近い将来、必ず発生すると言われている
東海・東南海・南海地震でいま、
この『ゆっくり地震』の存在がとても注目されています。
少し難しいかもしれませんが、とても大切なことなので
分かりやすく説明しますね。
 
まず、四国沖から静岡県の駿河湾にかけての太平洋沿岸の地域には
陸側のプレートの下に海側のプレートがもぐりこむ部分
=駿河トラフと南海トラフがあります。
 

駿河トラフ.jpg
 ※気象庁より画像をお借りしました

この地域は、昔理科の授業などで習ったと思いますが、
海側のプレートが陸側のプレートにもぐりこむときに、
陸側プレートを引きずり込んでしまいます。
そして、それが限界に達したときに、陸側のプレートが一気にずれて
跳ね上がることで、津波を伴った大きな地震が起きてしまいます。
ここでの地震は100年〜150年間隔で繰り返し発生している中、
いままさにまた繰り返される時期に来ているので
国を挙げて大きな警戒をしているんですが、
そんなエリアで、これまで知られていなかったタイプの
体に感じない、ゆっくりした地震がおきていることが分かりました。
ずばり・・・『ゆっくり地震』。
(これは正式名称なんです)
 
およそ20秒の周期で、最大マグニチュード3.5を観測したこの地震。
ゆっくり、弱くゆれるので、実際に私達が体に感じることはありません。
そして、実はすでにこれまでもゆっくり地震は2種類観測されていて、
今回新たに分かったゆっくり地震は3つめ。
場所は愛媛県の宇和島市の沖から、愛知県の豊田市周辺、
つまり東南海地震の震源域に当たっています。
3つのゆっくり地震は半年ごとに数日間続いているということです。
 
でも、体に揺れを感じないし、その揺れで大きな被害が出ないんだったら
何の問題もないじゃないか、と思う方は多いと思います。
でも、実はこれ、揺れの大きさ自体が問題ではないんです!
何故か・・・ 
ゆっくり地震の活動は、このエリアでの大地震の震源になると考えられている場所に
ひずみが逆にどんどん溜まっていることを表すという、とても怖い証拠なんです!
その3つめが観測された・・・
=いかに、四国から東海地方で大地震が迫っている可能性があるか、
分かっていただけるでしょうか?
 
21世紀前半には東海・東南海・南海のエリアで
必ずと言っていいほどの確率で
大地震が発生するといわれている事実が
さらに明確な裏づけをもってしまった現状・・・
すぐそこに迫る危機から、どうか目をそらさないで下さい。
 
あなたの災害への備えは万全ですか?
投稿者: 古賀涼子
国土交通省が昨年、2007年度の予算編成に向けた
「重点施策」というものを発表しました。
簡単に言うと、2007年度に国交省が
何に重点をおいて取り組んでいくかというものなんですが、
この中には「安全・安心」というテーマで
災害にまつわるものも挙げられています。
中でも一番の注目は・・・
『エレベーターの安全対策』が盛り込まれている点です!
例えば、2005年7月の千葉県北西部地震・・・
足立区の一部では震度6弱も記録したりと
あの地震を体で覚えている方は多いと思います。
私も、あの日はお休みで家にいて、
引っ越したばかりの家で片づけをしていたらぐらぐらぐら!!!
あの揺れは、いまも少し揺れただけで
胸のどきりと一緒によみがえってきます。
あのとき、1都3県ではエレベーターへの閉じ込めが
78件も起こりました。
エレベーターは復旧までにしばらく時間がかかるので、
あのときに中にいらした方は本当に大変な思いをなさったと思います。
そして、災害だけでなく、整備不良などでも
エレベーターの閉じ込めや死亡事故が起きていることも事実です。
そこで国交省は具体的な対策として、2007年度は
閉じ込め・運転休止台数を減らすことや
閉じ込められた場合の早期救出・復旧の対策などに
取り組んでいこうとしているんですね。
 
でも、2007年度になったらすぐに何とかなる、というものではありません。
となると、やっぱりまだまだ、私たちがエレベーターに乗るときには
地震にあったら閉じ込められることをある程度、覚悟しなくてはいけません。
 
では、あなたは・・・エレベーターに閉じ込められたとき
具体的にどう対処すれば言いか、ご存知ですか?
 
 
まず、なにはともあれ第一に。
エレベータに閉じ込められたら、
長期戦になると覚悟して、ハラをくくってください!
そんなことか、と思われるかもしれませんが、これが一番重要なんです。
エレベーターの扉は中からは開かないので、
救助をひたすら待つしかありません。
第2に、体力を温存するために座り込む!
第3に、携帯電話で119番や管理会社に連絡を繰り返す。
ただし、大地震の後は電話が通じないことも多いので
しばらく繋がらないときは第4に、一旦身近な階にいる人に
気付いてもらうのための行動を取ります。
このとき、大声で助けを呼びがちですが、
これは体力を消耗するのでNG!
ドアを叩いてシグナルを外に発信することが一番有効です。
もし、一緒に乗っている人がいるのであれば、順番を決めて助けを求めたり、
停電となって真っ暗な密室で唯一の灯りになる携帯電話のディスプレイを
交代でともしたりと協力し合うといいんですよ。
 
ちなみに、日本のエレベーターは構造上、震動で落下する可能性は
とても低いと言うことです。
無駄な恐怖に怯えず、落ち着いて、長期戦を戦い抜きましょう!
 
さあ、いかがですか?
エレベーターには全く乗らずに生活をしていると言い切れる人以外、
閉じ込めはあなたの身に起こりうる問題です。
次にエレベーターに乗るとき、
『いま、この瞬間にエレベーターが止まったら・・・』と
ちょっと想像してみてくださいね。
そこから、必ず実感が生まれるはずです!
投稿者: 古賀涼子
2007年がいよいよ始まりました。
私が『防災5MINUTES CHECK』で
防災や災害の情報をお伝えするようになって
4年以上が経ちます。
今年も、『分かりやすくすぐに使える情報』を目指して
番組をお届けしていくので、どうぞよろしくお願いします!
 
さて、話は少し巻き戻って、2006年。
毎年、その年が終わるときには
防災5MINUTES CHECKの最後の放送で
『今年は大きな災害もなく過ぎました』と言えたら
どれだけいいだろう、と強く思います。
でも、残念なことに、2006年もまた世界各地で
大きな自然災害がたくさん起きましたね・・・。
 
まず、2月17日にフィリピンのレイテ島で発生した
大規模な地滑り。
2週間続いた大雨によって、一瞬にして土砂が
およそ1000人の命をのみ込みました。
 
そして、5月27日にはインドネシア・ジャワ島中部で
マグニチュード6.3の地震が発生しました。
震源が浅く、直下型の地震だったことと、
石やレンガを積み上げただけの建物が多かったことなどで、
3500人以上の方が亡くなりました。
 
国内でも、おきましたね。
11月7日に北海道佐呂間町で発生したのが竜巻。
9人の方が命を落としました。
続く15日には千島列島でマグニチュード7.9の地震が発生して、
北海道や東北に津波警報が出されたことも
記憶に新しいと思います。
 
そして、これはつい先日、と言ってもいいと思います。
偶然にも、2年前にスマトラ島沖地震と大津波が発生したのと同じ日、
12月26日に台湾南部でマグニチュード6を超える地震が起きて、
2人が命を失いました。
 
でも、そんなニュースも自分には遠いことだし、
災害が起きてもその場で命が助かったらそれでいいよね、と
思っている方も中にはいるかもしれません。
ただ、2年前に起きたスマトラ島沖地震と津波の復興活動を
いまも現地で行なっている、日本赤十字のスタッフ大岩豊さんは
先日、こんなお話をしてくださいました。
 
 インドネシアは非常に地震が多い国で、
 日本と実は置かれている状況は非常に似ている。
 だから、インドネシアでの地震、そして世界での災害を
 国が違う、人種が違う、というのではなく、
 同じ立場にいるものとして捕らえて、
 同じ立場にいるものとして手を貸してほしい。
 
確かに私達は、自国のことになると
義援金や物資や・・・と、支援に力を入れます。
もちろん、これはとても素晴らしいことです。
でも、海を越えたこととなると・・・
どこか、遠くて『他の次元のこと』に思いがちですよね。
大岩さんのこの言葉に、私自身もはっとしました。
ここから何十時間も何千キロも離れてはいるけれど、
同じように地震の恐怖と背中合わせで、
同じように支援を必要としている人がいる。
災害は人事ではないし、明日は自分が被災者になるかもしれない。
そんな現実、胸にしっかりと刻みつけておかなきゃと
改めて思いました。
国や人を超えた災害支援。
あなたも是非、心の片隅に『災害に境界はない』ということ
留めておいてくださいね。
投稿者: 古賀涼子