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暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

青木源太・足立梨花 Sunday Collection

暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

2021.09.26

動物の命を守ろう! 飼い主のモラルとマナー



私たちの暮らしを豊かにしてくれるペット。
大切な命を預かるからこそ、守っていただきたい飼い主としての責任があります。
今回は、「動物の命を守ろう! 飼い主のモラルとマナー」というテーマで深掘りしました。


青木  さて、足立さん。“3万2,743”。この数字は何だと思いますか?

足立  現在、日本で飼われている犬や猫の数でしょうか。

青木  この数字は、2019年度の1年間に殺処分された犬と猫の数です。

足立  そんなにいるんですね。

青木  衝撃ですよね。
自治体が引き取った数は、およそ8万6,000頭。
そのうち、5万3,000頭ほどは、飼い主が見付かって返還されたり、新しい飼い主に譲渡されているんですが、どうしても譲渡に適さない犬や猫は、やむなく殺処分されているんです。
2019年度の場合は、引き取ったうち、4割ほどが殺処分されていることになります。

足立  4割も、殺処分されているんですね。

青木  この数字は重く受け止めなければならないですよね。

ここからは、スペシャリストと一緒に、動物愛護の現状や、飼い主に守ってほしいモラルとマナーを深掘りします。
環境省 動物愛護管理室長 野村 環さんです。

ペットは、私たちの心を豊かにしてくれますが、その一方で、引取りや殺処分など問題もあるのですね。

野村  自治体が引き取ったり、殺処分される犬や猫の数は、様々な取組によって、この数十年で大きく減少しました。
昔は、飼えなくなったり、増えたりすると安易に捨ててしまうことも多かったようですが、国民の皆さんの意識が変化して、一生涯きちんと飼うべきだ、という考え方が浸透してきました。
また、飼い主がいない犬や猫には、新しい飼い主を見付けてあげようという、譲渡の活動が盛んになってきました。
しかし、野良犬や野良猫を中心に、いまだに多くの犬と猫が引き取られたり、殺処分されたりしています。
飼い主の皆さんには、モラルとマナーをしっかり守っていただきたいと思います。

青木  ここに、飼い主に守ってほしいことを簡潔にまとめた7か条があります。
私からご紹介しますと…

7か条その1“動物の習性などを正しく理解し、最期まで責任を持って飼うこと”
その2“悪臭や鳴き声などの迷惑や、噛み付きなどの危害の発生を防止すること”
その3“災害に備えること”
その4“むやみに数を増やしたり、繁殖させないこと”
その5“動物による感染症の知識を持つこと”
その6“動物が逃げたり、迷子にならないようにすること”
その7“所有者を明らかにすること” 以上が7か条です。

足立さん、この中から気になるものはありますか?

足立  「その3」にあった“災害に備えること”というのは、具体的にどういうことが求められているんですか?

野村  「災害に備えて」というのは、ご自身の災害の時の対応を思い出していただくとよいのですが、「動物用の餌や水を備蓄する」、「動物と一緒に避難訓練に参加する」ことをやっておくと良いと思います。
また、「ケージやキャリーバッグに入ることを嫌がらないようにしつけておく」といった準備を、日頃からしておくことでスムーズに避難ができます。

実際に災害が起きた際は、安全を確保した上でペットと一緒に避難する同行避難をおすすめしています。
飼い主の方の命を守るためにも、必ず一緒に避難してもらいたいと思います。

足立  ペット可な避難先を事前に確認しておくことも大事ですね。

野村  そのとおりで、ペットと一緒に避難できる場所があるかどうか、事前にご自身で確認いただければと思います。

足立  もう一つ、気になったのですが、7か条の「その7」の“所有者を明らかにすること”というのは、具体的にどういうことですか?

野村  飼い主には、迷子や盗難、災害時の行方不明に備えて、動物に迷子札などを装着してもらうようにお願いしています。
これがあると、飼い主の元に戻れる確率が格段に高まります。
実は、令和元年に法律が改正され、ブリーダーやペットショップなどで販売される犬や猫については、マイクロチップを装着することが義務化されました。
所有者である飼い主の情報を、環境省のデータベースに登録することが義務になります。
この仕組みは、来年の6月1日から始まりますので、皆さんに知っておいていただきたいです。

足立  迷子や災害時に離れ離れになってしまった場合、見付けやすくなりますね。

野村  首輪や迷子札は、外れてしまう可能性がありますが、マイクロチップは、動物の皮膚の下に埋め込んでいます。
それをリーダーで読み取ることで、動物の所有者を突き止めることができます。

足立  来年の6月1日以降に購入した犬や猫は、マイクロチップが装着されているということですね。

野村  はい、装着されております。

足立  飼い主の情報は、どうやって登録するんですか?

野村  環境省で登録するためのサイトを作りますので、インターネットでの登録手続きが可能となります。

足立  飼い主がサイトにアクセスして、自分で登録するんですね。

ただ、少し気になったのですが、友だち、保護施設などから犬や猫を譲り受ける場合や、現在、飼っている犬や猫には、マイクロチップの装着は義務ではないのですか?

野村  その場合、マイクロチップの装着は努力義務とされています。
装着していただきたいのですが、装着していないと法律違反になるということではありません。

ただ、不慮の出来事で、飼い主と犬や猫が離れ離れになってしまった時、マイクロチップを装着しておけば、探すことができますので、できれば、来年の6月以降に環境省で設置するマイクロチップの登録システムに登録していただくと、迷子を防げます。
マイクロチップを装着する場合は、獣医師さんのいるところでできます。
装着後、登録作業を行っていただければ、同じようにメリットを受けることができます。

青木  愛する犬や猫の身元を証明する一つの方法として、利用を考えてみてほしいですね。

さて、野村さん、法律が大きく改正されたとのことですが、どのように変わったのかご紹介いただけますか?

野村  令和元年の動物愛護管理法改正では、先ほどご紹介した、販売される犬や猫へのマイクロチップ装着の義務化のほかにも、例えば、危険な動物を飼育・保管することへの規制の強化や、動物虐待に対する罰則の引上げなどが行われました。

青木  “危険な動物を飼育・保管することへの規制の強化”ですが、先日、ヘビが逃げた時にも“昔に比べて厳しくなった”と報道されていましたね。

野村  また、ペットショップやブリーダーなど動物取扱業による適正な飼育を促進するため、幼い犬や猫の販売規制、犬や猫を取扱う場合の従業員一人あたりの飼育頭数に上限を設けたり、ケージの広さを明確に規定するといった基準の具体化を行いました。

青木  この法律改正は、悪質な業者を取り締まる狙いもあるんですよね。

野村  不適切な飼育をする事業者が見受けられることが、改正の背景にあります。
このことは、動物取扱業者はもちろん、そういった事業者を利用する私たち消費者も重く受け止めなければならないと思います。
今後の課題としては、不適切な飼育から保護された犬や猫、あるいは繁殖を引退した犬や猫の次の活躍の場を考えていく必要があります。
さらに、殺処分をさらに減らしていくためにも、保護犬・保護猫の譲渡をより進めていく必要があると考えています。

青木  これから犬や猫を飼ってみたいと思っている方は、是非、保護犬や保護猫を飼うことも選択肢の一つとして考えてほしいです。

野村  新たにペットを迎えるには、ペットショップやブリーダーから購入する以外にも、自治体の動物愛護センターや、民間の動物保護団体から譲り受ける“譲渡”という選択肢があります。

足立  一匹でも殺処分される犬や猫が減ってくれると良いです。
保護された犬や猫たちの命を救うチャンスですよね。

野村  保護犬や保護猫は、多くの場合すでに成長しているので、飼育が難しいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、子犬・子猫のうちから飼わないと懐かないということはありません。

不幸な時期を過ごしてきた犬や猫は、人の愛情を求めていることもあると思います。
大人の犬や猫は、その性格や成長後の体のサイズなどが分かっている場合が多いので、自分のライフスタイルや家族の構成、どういう関係性を築きたいかまでマッチングすることができます。
ただ、保護犬や保護猫の中には、健康に不安がある子や、人やほかの犬や猫とうまく付き合えない子もいます。
慣れるまで少し時間が掛かる子もいます。
そういった子を迎え入れるときには、自分が本当に最期まで飼うことができるか、日々のケアをしてあげられるかをよく考えて判断することも大事ですね。

譲渡を受けたい方に、少しでも安心してもらえるように、自治体や保護団体では様々なケアを行なっています。

青木  動物の収容過程や譲渡までの流れは、動物愛護センターや動物保護団体によって異なるので一概には言えませんが、一つ例を挙げると、犬や猫の引取りや収容が行われると、まず健康チェックを行います。
その後、個体ごとによく観察し、気質や性格などを確認して、社会に適応するように基本的なトレーニングを行います。

トレーニング終了後、譲渡希望者を募り、譲渡を受けたい方の環境や、ほかの家族の同意の有無、ペットが飼える生活であるかなどを確認した上でマッチングを行い、引き渡しに至るんです。

足立  大事ですね。
譲渡を受けたい方もチェックされ、適しているのか見てもらわないと、また、保護されるようなことがあると困りますからね。

青木  保護犬・保護猫には、今度こそ命を終えるまで幸せに暮らしてほしいですから、犬や猫にとって適した環境であるかなど、確認してからでないと譲渡しないんです。

野村  正式に新しい飼い主さんに譲渡された後も、しつけ方の教室が開かれたり、飼育相談を受け付けている団体もありますので、活用していただければと思います。

青木  譲渡までの流れやアフターケアの内容なども含めて、まず、自治体の動物愛護センターや動物愛護団体に問い合わせてみてください。
そして、十分に納得した上で保護犬や保護猫を迎えてください。

野村  ペットは私たちの心や暮らしを豊かにしてくれます。
共に幸せに過ごせるように、命を預かる立場として大切に飼育し、愛を持って接してください。
また、ペットを新しく迎え入れることを検討される時は、是非、保護犬・保護猫の譲受けという選択肢も考えてみてください。

足立  今日の話で、一番印象に残ったのは、「来年6月1日から義務化されるマイクロチップの装着」です。
装着して迷子になることがないようにしてほしいと思いました。

青木  私は、新しくペットを新しく迎え入れることを検討するに当たって「保護犬、保護猫を譲り受けることを選択肢に加えて欲しい」ということが印象に残りました。
選択肢の一つとして、家族と話し合ってみてほしいです。


【 関連リンク 】
・動物の愛護と適切な管理
 https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/