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暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

青木源太・足立梨花 Sunday Collection

暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

2021.10.24

今日から実践! 減らそう食品ロス



食品ロスは、日常生活のちょっとした意識と行動で、減らすことができます。
今回は、「今日から実践! 減らそう食品ロス」というテーマで深掘りしました。


足立  食品ロスは、本来、食べられるのに捨てられている食品のことですよね。

青木  日本では、年間およそ600万トンの食品ロスがあり、これは、私たち一人ひとりが毎日、おにぎり1個を無駄にしている計算です。

足立  年間600万トンと言われてもピンときませんが、自分が毎日、おにぎり1個を捨てていると考えるともったいないです。

青木  経済面や環境面にも悪影響があります。
食品ロスをゴミとして廃棄するために、ゴミ処理に多額なコストが掛かります。
また、可燃ゴミとして燃やすことで、地球温暖化への影響となるCO2も排出してしまいます。

足立  食品ロスがなければ、抑えられるものですよね。

青木  世界に目を向けると、深刻な飢えや栄養不良で苦しんでいる人々は、およそ8億人。
国連が世界の食料難民の方々に提供している食料は、年間420万トンです。
つまり日本は、国連が支援している量を、はるかにしのぐ量の食品ロスを出していることにもなります。

足立  その分の食料が、今苦しんでいる方々に回っていればと考えると、複雑な気持ちになりますね。

青木  では、年間600万トンの食品ロスは、事業者から出される量と家庭から出される量、どちらが多いと思いますか?
事業者とは、外食産業者や食品製造業者、小売業者などです。

足立  レストランでは食べ残しが出るだろうし、小売業では売れ残りもあることを考えると事業者の方が多いのかな、と思います。

青木  実は割合にすると、事業者と家庭は、ほぼ半分の5対5。
つまり、食品ロスのおよそ半分は、家庭から出されているんです。

家庭からの食品ロスには、作り過ぎなどによる“食べ残し”、未開封のまま捨てられる“直接廃棄”、野菜の皮を厚くむき過ぎるなど、食べられる部分が捨てられている“過剰除去”があります。

足立  やはり、こうした食品ロスは減らしていかなければいけませんね。

青木  ここからはスペシャリストと一緒に深掘りしていきましょう。
消費者庁 食品ロス削減推進室長 田中 誠さんです。

近年は“食品ロス”や“フードロス”という言葉が頻繁に使われるようになって、食品ロスに対する人々の意識も少しずつ高くなっていますよね。

田中  実際、食品ロスの量は減っています。
2000年度は、年間980万トンでしたが、2013年度には600万トン台にまで減りました。
しかし、2013年度から、最新の数値である2018年度までに注目すると、この6年間は、減り方が鈍くなり、ほぼ横ばい状態です。
“SDGs”の観点からも、もっとスピード感を持って減らしていかなければなりません。

青木  “SDGs”とは、貧困や飢餓、気候変動など、世界が抱える様々な課題を根本的に解決することを目指す、国際社会共通の目標です。
この“SDGs”に伴い、2030年度までに設けられている食品ロス量の目標値は、2000年度の年間980万トンから5割減、489万トンまで減らすことです。
あと100万トン程度の削減が求められています。

足立  もうひと踏ん張りというところですね。
ただ、これまでもいろいろ工夫してきて、さらに、となると、打つ手が思い付かない方もいらっしゃるのではないですか?

青木  そこで今回、まずご紹介したいのが“食品ロスの数値化と記録”です。

足立  何だか、難しそうですね。

青木  難しいことはありません。まず1週間、家庭から出る食品ロスの量を計り、いつ、何を、どのくらい、どんな理由で捨てたのかを記録してみてください。

足立  難しくはないけれど、手間が掛かりそうです。

田中  ただ、実際に消費者庁が行った調査では、2週間記録しただけでも、食品ロスの量が、2割ほど削減されるという結果が出ています。
また、記録をしつつ、食品ロスを減らす行動を行った場合は、4割ほど削減されました。食品ロスの数値化と記録で気付きがあり、行動が変化するのだと思います。

青木  記録をすると、どんな食品をどんな理由で捨ててしまったかを振り返ることができます。すると、自分は「作り過ぎ」なのか、「買い過ぎ」なのか、「ためこみ過ぎ」なのかなど、傾向を知ることができ、自分にとっての効果的な削減方法が見つかるのかもしれません。

足立  食品ロスが削減できるということは、無駄な食費を減らすことにもつながるんですよね?

田中  1円、2円でも、ちりも積もれば山となりますから、一度、1週間だけでも挑戦してもらえればと思います。

青木  ここからは、より多くの方に日頃から意識していただくために、手軽に今日から実践できる食品ロス削減方法を深掘りします。
田中さん、ポイントはどういったことでしょうか?

田中  食品ロスを削減するためのポイントは、「必要な量だけ購入」して「食べきる」ことです。
今はコロナ禍で、一度の買い物で多くの食材を買う方も多いと思います。
そのため“買物”“保存”“調理”それぞれのシーンで、より意識していただきたいことがあります。

青木  順にご紹介します。
まずは“買物”です。同じ物を買わないために、買物に行く前には、家にある食材をチェックしてください。
スマートフォンで冷蔵庫の写真を撮れば、お店でも確認できます。

田中  また、買物する際には是非、「てまえどり」をお願いします。
できるだけ新鮮な商品を購入したいという思いで、棚の後ろから、商品を選んでしまう方がいますが、皆さんが手前にある商品、つまり、販売期限の迫った商品を積極的に選ぶことにより、販売期限が過ぎて廃棄される食品ロスを減らすことができます。
購入してすぐに食べる場合は、是非「てまえどり」を意識してください。

足立  購入してすぐ、食べるのであれば、期限が長いものを選ぶ必要はないですよね。
「てまえどり」を意識してほしいですね。

青木  続いて、“保存”の際、意識するポイントです。
野菜や肉、魚などの生鮮食品は、それぞれ最適な場所で保存してください。

田中  また、「使いきる」まで状態良く保存するために、買ったらすぐに下処理をして冷凍するなど、少しの工夫で食品ロスを減らせます。

青木  そして“調理”の際には、「残っている食材から使う」「食べきれる量を作る」
こうしたことを日頃から意識することが大切です。

田中  食材を「使いきる」ために、定期的に冷蔵庫などを整理する日を決めて、残っている食材でメニューを決めるのもおすすめです。

足立  月に一度は、残っている食材で“鍋”や“お好み焼きデー”など、子供たちも喜びそうですよね。
「食品ロス削減のために」というより、おいしく食べた結果、食品ロスが減らせたら最高ですよね。

田中  あと、家庭から出る食品ロスで最も多いのは「食べ残し」です。
そこで、消費者庁では、料理レシピのコミュニティサイト“クックパッド”上に、【消費者庁のキッチン】という公式ページを設け、食べきれなかった料理をほかの料理に作り替える“リメイク料理”のレシピなどを紹介しています。

足立  サイトを拝見させていただいたのですが、“スイカの皮の炒め物”や“ブロッコリーの芯を使ったレシピ”など、レシピの数も豊富で、面白そうだなと思いました。

青木  こうしたサイトを活用して、無理なく楽しく、そしておいしく、食品ロスを減らす行動ができれば良いですね。

田中  食品ロスを削減するには、一人ひとりが日頃から意識して行動することが大切です。
買物の際には、是非「てまえどり」を実践し、「必要な量だけ購入」して、食材は「食べきる」ことを心掛けてください。
また、10月は「食品ロス削減月間」です。この放送をきっかけに、一度、1週間だけでも、ご家庭でどのくらい食品ロスが出ているのか記録してもらえればと思います。

足立  今日の話で、もう少し、私たちが細かいことに気付けば、食品ロスを減らせるのだなと学ぶことができました。
“クックパッド”上にある「消費者庁のキッチン」のレシピを見て、食品ロスという観点でも、食べてみたい、作ってみたいと思いました。

青木  私は、「日本で出てくる食品ロスのほぼ半分は家庭から」が一番印象に残りました。
何となく、事業者が出す食品ロスが多いのでは、という思い込みがあったんですが、食品ロスのほぼ半分は家庭から出ているということは、日々の暮らしの中で、私たちにもできる事があるんじゃないかと思いました。


【 関連リンク 】
・めざせ!食品ロス・ゼロ
 https://www.no-foodloss.caa.go.jp/