JFN
  • twitter
  • Facebook

暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

青木源太・足立梨花 Sunday Collection

暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

2021.11.14

締め切り迫る! 食の安全を守る営業届出制度



食の安全を守る新しい制度「営業届出制度」が創設されました。
食品を仕入れてそのまま販売している食品販売業の方なども「届出」が必要となりました。
今回は、「締め切り迫る! 食の安全を守る営業届出制度」というテーマで深掘りしました。


青木  足立さん、食品衛生法という法律は聞いたことがありますか?

足立  聞いたことはありますが、詳しいことはちょっと分かりません。

青木  飲食に起因する健康被害の発生を防止するための法律で、1947年に定められました。
その後、食に関する問題や状況の変化に応じて見直され、2003年には大きな改正が行われました。
この時は、BSE(牛海綿状脳症)という牛の病気が流行したことや、外国産の冷凍野菜に、基準値を超える農薬が残留していたことなどが背景にありました。

牛丼屋から牛丼が消えたりと、大きな影響がありました。

足立  牛丼が食べたいと、冷凍を大量買いした記憶があります。

青木  そんな食品衛生法が、2018年に15年ぶりに改正されました。
改正の項目は多岐にわたり、順次、施行されてきましたが、食品の営業規制に関連する改正項目が、今年の6月1日に施行されました。
ここからは、厚生労働省 食品監視安全課長の三木朗さんに伺っていきましょう。

食べることは生きることですから、食の安全を守る今回の食品衛生法の改正は、多くの人が関心を寄せるところだと思います。

足立  今回の改正にも理由があるんですよね?

青木  もちろんです。私から簡潔にお伝えすると、改正の背景は、大きく三つに分けられます。
一つ目は“食や食品を取り巻く環境の変化”
二つ目は“食中毒発生数の下げ止まり”
三つ目は“国際的な標準に合わせた食品衛生管理の必要性”です。

足立  三木さん、順番に教えていただけますか?
まず、“食や食品を取り巻く環境の変化”というのは、具体的にはどんなことですか?

三木  近年は少子高齢化が進み、65歳以上の夫婦のみの世帯が増えるなど、世帯構造が変化しています。
こうしたこともあり、外食をされたり、あらかじめ調理された加工食品を購入して家で食べる、いわゆる中食(なかしょく)をされる方が増えました。

足立  高齢者だけでなく、私たちのように一人暮らしの若者や共働きの方も、時短できて、おいしい加工食品を便利に使う時代になりました。

三木  また、いろいろな輸入食品が増えるなど、食のグローバル化も進んでいます。

足立  確かに、輸入食品を扱うお店が増えたような気がします。
世界各国の香辛料やソース、冷凍食品などが手に入るようになりました。

青木  昔は、全く目にしていなかったような食材や香辛料が、今や、当たり前のようにスーパーに並んでいます。
こうした食や食品を取り巻く環境の変化が、食品衛生法を改正した理由の一つです。

そして二つ目が“食中毒発生数の下げ止まり”です。
足立さん、食中毒事件って毎年どれくらい発生していると思いますか?

足立  たまにニュースで見かけるくらいなので、そんなに多いイメージはないです。

青木  2020年は、年間887件、患者数は1万4,613人なんです。

足立  1万人を超えているんですね。イメージより多かったです。
ニュースになっているのは一部で、実際はもっと起こっているんですね。

三木  この10年ほどは、1年間におよそ1,000件の食中毒事件が発生しており、また、患者数にするとおよそ2万人で下げ止まり状態です。

青木  こうした“食品による健康被害”へ対応することも、改正の理由の一つなんです。
そして、三つ目の改正理由は、“国際的な標準に合わせた食品衛生管理の必要性”です。
これは具体的にどういったことでしょうか?

三木  日本の食品衛生管理の手法は、アメリカやヨーロッパなどが取り入れている国際的な標準から遅れている部分もありましたが、東京オリンピック・パラリンピックの開催や食品の輸出を促進していく上で、国際的な標準に合わせていく必要がありました。

青木  国際的な標準の衛生管理手法として、HACCP(ハサップ)があります。
食品を製造している事業者などが、守るべき衛生管理の方法のことです。
今回の改正では、原則として全ての食品等事業者に、このHACCPに沿った衛生管理の実施を義務付けています。

三木  これにより、今まで以上に食の安全が守られるようになるだけでなく、食品を輸出しやすくなることも期待されています。

足立  国際標準の規格に合わせていれば、輸出も輸入も便利になってくるということですよね。

ここまでのお話で、なぜ食品衛生法が改正されたのが分かったのですが、今度は、法律の中身がどんなふうに変わったのか知りたいんですけど、私たちに直接関係することはありますか?

青木  改正された中で、今回お伝えしたいのは、テーマにもなっている『営業届出制度』です。
全ての食品等事業者に、HACCPに沿った衛生管理が義務付けられたことにより、新たに『営業届出制度』が創設されたんです。
特に、町の八百屋さんやお米屋さんなど、食品を販売している方は聴き逃せません。

この新しく創設された『営業届出制度』、どういったものなのか、まず三木さんから、ご説明いただけますか?

三木  今回の食品衛生法の改正で、原則、全ての食品等事業者に国際的な標準であるHACCPに沿った衛生管理が義務付けられました。
これに伴い、保健所が対象となる事業者を把握し、必要な助言や指導などを行えるように、『営業届出制度』が創設されました。
対象となる営業を営んでいる場合には、管轄の保健所に届出をお願いします。

足立  “対象となる営業”というのは、どういう営業なんですか?

三木  これは少しややこしいのですが、食品衛生法の許可を得ないと営業できない業種以外の営業者です。

青木  食品などの製造や加工を行う場合、各都道府県などから許可を得ないと、営業できない業種が法令で定められております。
例えば、「レストランなどの飲食店のように調理を行う営業」、「食肉や魚介類を店頭で包装して販売する営業」、「菓子、清涼飲料水、乳製品、豆腐、酒、味噌、醤油、総菜などを製造する営業」など、32の業種が規定されています。

足立  いろいろな業種があるんですね。

青木  しかし、この32業種に当たらない食品等事業者も存在します。
これまでは、そうした事業者は、届け出をする必要はなかったんですが、それでは国際的な標準であるHACCPに沿った衛生管理が行われているかどうか、把握することができません。
そこで、このような食品等事業者にも営業の届出を出してもらい、必要な指導や監督を行えるようにしたんです。

足立  32業種に当たらない食品等事業者には、どんな事業者があるんですか?

三木  食品の営業は多種多様です。
例えば、八百屋や果物屋、米屋、スーパーなど、食品を仕入れてそのまま販売している、食品販売業の方も、営業の届出を出していただくことになります。

青木  そのほか、弁当を仕入れて販売している弁当屋や、店舗を持たず通信販売や訪問販売などで飲料や食料品を販売されている方、製粉業、製茶業のように営業許可の対象とならない食品の製造をされる方も届出が必要なんですよね。

三木  そのとおりです。原則として、先ほど紹介した営業許可を必要とする32業種に当たらない事業者の方で、食品や飲料を扱っている方は、営業の届出をする必要があると思ってください。

青木  ただし、例外もあるんです。

三木  例えば、常温保存が可能で「賞味期限」が設定されている場合や、包装食品のみを販売する場合などは、公衆衛生への影響が少ないと考えられるので、届出の必要はありません。

青木  届出が必要か必要でないか判断できない場合は、厚生労働省の食品衛生法改正のページを確認いただくか、保健所に確認いただくと良いですね。

足立  届出は、どのようにして行えばいいのでしょうか?

三木  オンラインで届出いただくか、管轄の保健所に届出書を提出していただくかのどちらかになります。
実は、オンラインの届出を推奨していまして、今はスマートフォンでもできるようになりました。
厚生労働省の「食品衛生申請等システム」へアクセスして、手順に沿って手続きをしていただけば、簡単に届出をすることができます。

青木  届出する内容は、「届出する方の氏名」、「施設の所在地」、「営業の形態」、「主に取り扱う食品などに関する情報」、「食品衛生責任者の氏名」です。
営業許可とは異なり、施設の基準などの要件はなく、有効期限もありません。
ただし、届出内容に変更があった場合や廃業した場合は、再度届け出る必要があります。

足立  いつまでに届出をする必要があるでしょうか?

三木  『営業届出制度』は、今年6月1日からスタートしています。
6月1日以降、新たに営業を始める方は、営業を始める前に届出をしていただく必要がありますが、6月1日の時点で、すでに営業をされていた営業者は、今年の11月30日までに届出をしてください。

足立  締め切りが迫っていますね。

三木  これまで必要なかった届出が必要になるということで、負担に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、食の安全を守るために大切な取組です。
皆さんが安心して食を楽しめるように、ご協力をお願いします。

足立  これまで届出を出さなくても営業できていた八百屋さんや果物屋さんも、営業の届出を出さないといけなくなります。
締め切りが11月30日なので、まだ届出を出していない方は、是非、出してほしいと思いました。

青木  私が印象に残ったのは、HACCP(ハサップ)です。
今回学んだ、国際的な標準の衛生管理手法。
やはり、これに沿った衛生管理の実施を義務付けることが、今回の改正の背景にありますね。


【 関連リンク 】
・営業規制(営業許可、営業届出)に関する情報
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/kigu/index_00010.html