「宇宙」という壮大な謎

山崎直子さん(宇宙飛行士)×ふかわりょうさん(タレント)

2018

04.13

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宇宙全体がひとつの命



近年では、MCやコメンテーターとしても、独自の感性を光らせているふかわさん。今回は、そんな、ふかわさんの宇宙への思いがスパーク!実際に宇宙を体験された山崎直子さんは、ふかわさんのあふれる疑問にどのように答えてくれたのでしょうか。

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ふかわりょう
宇宙とは何なんでしょう?その言葉からイメージするものは人それぞれだと思うんですけど。わたしが日常生活で宇宙を感じる瞬間のひとつが、自然に触れた時なんですね。その自然界の中でのフラクタルという仕組み。

山崎
幾何学的な。

ふかわりょう
それを知った時に自然というのは不規則的に形成されているようで、実はもっと俯瞰で見ると規則性があるんだというのを知った時、例えば木々を見たり、音の波形を見た時にそこと宇宙という大きなものが繋がっているというか、そういうものを日常生活で感じたりするんですね。面倒くさい質問ですかね(笑)。

山崎
シンプルな質問ほど難しいですよね。宇宙は一言では語れないんですけど、あえて言うならば、わたしが宇宙に行った時に感じたのは、全てのふるさとだなと、源と言うか。ふかわさんも自然を見ると宇宙を感じるとおっしゃったように全てを包み込むふるさとのような感じがしたんですね。なぜかというと、はじめて宇宙に行った時にすごく懐かしいと思ったんですね。

ふかわりょう
え?!

山崎
この身体が無重量でふわっと浮いている感覚がどことなく懐かしいな。よく水の中に入ると身体が浮く感じが胎内にいた時のことを思うのか懐かしいと表現する人もいるんですが、その感覚とちょっと近いかもしれないですし、もともとわたしたちの身体も全部この机もマイクも地球も宇宙のかけら、星のかけらで原子でできているので、宇宙からわたしたちは生まれたといっても過言ではないかなという気がします。

ふかわりょう
宇宙から生まれた!銀河系というものが、いくつもあるわけですよね。その中に生命が存在するのかどうかというのがしばしば議論されますが生命というのも人間の尺度で捉えると、限られたものになりますが・・・。

山崎
そうなんですよ、宇宙全体がひとつの命のような気がしますよね。

ふかわりょう
わたしはそう感じるんですが・・・。

山崎
わたしもまったく一緒です。星もひとつの命だと思います。生まれて何十億年後には寿命が終わって、また塵に戻っての繰り返しなんですね。宇宙そのものもまだよくわかってはいないところがあるんですけど、ビッグバンで何かしらで生まれていつかはどこかで寿命を迎えて、また新しい宇宙が生まれるかもしれなくて、何かひとつの宇宙のような気がします。

ふかわりょう
そうですよね。フラクタルに戻るんですけど、最小単位のものが、最大単位のものと相似というか、一緒なのかなぁ?

山崎
ふかわさんすごいお詳しいんですね!相似形はすごく感じるんです。宇宙はすごく大きな目で見ると星、銀河がたくさんあって中は隙間だらけんなんですけど、でも遠くから見ると銀河系と星がたくさん見えるんですね。わたしたちの身体も原子と原子の間にすごい隙間があるはずなのに、こうやってひとつの身体になっているんですね。だから宇宙から地球をみると夜の景色はすごく綺麗なんです。街と街がいろんな道路や路線で結びつけられているんですけど、でも顕微鏡をずっと見ているとひとつひとつの細胞が結びつけられているんですよ。

ふかわりょう
そうなんですよ!

山崎
結局、同じような形が大きくを見ても小さくを見ても出てくるという不思議さがすごく感動するんです。

ふかわりょう
まさに最小単位のものを見れば宇宙を見ていると同じ感覚になれるのかなぁと。

山崎
そう思います。わたしたちの身体ひとつひとつもまさにひとつの小宇宙だと思いますし、

ふかわりょう
まさにわたしが今言いたかったことです。乗っかるようで申し訳ないんですけど、山崎さんの口から最小単位と最大単位が似ているというのを聞けてほんとうによかったです。


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時間について


エッセイストとしても世の中の真理や不条理を綴るふかわさん。そんな独自の感性で、あふれる宇宙への思いを投げかけていきます。

ふかわりょう
時間に関しても不思議だなと思って、時間は人間が便宜的に作ったものじゃないですか。高校時代にどうして大人になると夏休みはどんどん早くなるんだろうと思ったんですね。夏休みだけではなくて一年がどんどん早くなるじゃないですか。

山崎
早くなりますよね。

ふかわりょう
年齢を重ねると一年に対する分母が増えていくので、同じ一年と言ってもその人がどれだけ時間を経験していたかによって感じ方はかわるんですけど、絶対的な時間なんて存在しないんじゃないかなと思うんですね。われわれにとっての一年と宇宙にとっての一年は同じ尺度で測れなくて、そんなようなことをずっと高校生の時に考えてひと夏をつぶしてしまった時があったんです(笑)。

山崎
(笑)。3次元では語れないもっと複雑な世界だというんですけど、宇宙の「宙」は時間の流れを指すそうなんですよね。「宇」は四方上下で空間を指すそうなので宇宙という言葉に広がりだけではなくて、時間の流れも含んでいるということで、よくできた言葉だなぁと思います。

ふかわりょう
へーー。今、山崎さんが3次元って言ってしまったじゃないですか。また、わたしのハートを刺激してしまいました。まさしく我々、3次元のルールの中で世界を見ているから宇宙という表現になるわけで、3次元でないものもそれ以外の世界もあるんだろうなと。V
山崎
という気はしますよね。

ふかわりょう
時間について考えて考えて出した結論がひとつあるんです。

山崎
なんでしょう?

ふかわりょう
今を精一杯生きる(笑)。

山崎
なるほど。

ふかわりょう
結局、わたしに今できることは今を大事にすることしかないなという結論に至ったんですがいかがですか?

山崎
わたしは、宇宙から地球を見た時に夜景も綺麗だったという話をしましたが、昼間は昼間でまた綺麗なんですよ。海の青さだったり、地球自身が生きて動いているような気がして、でもその地球が生きていると感じるのは、その上でひとりひとり、あるいはいろんな生き物が一生懸命生きているからなんだろうなぁ、それがきれいな命の輝きになって伝わってくるのかなぁという気がして、こうしたひとつひとつ一生懸命生きるのが、美しさに通じると感じます。

ふかわりょう
ほんとそう思います。


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