ファッションのプロがクローゼット問題を解決!

大草直子(スタイリスト)×青木良文(エディター)

2020

04.17

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新しい縁にもつながる収納方法



大草
服はどうやって収納しているの?けっこう持ってるよね?

青木
持ってる。買っちゃうじゃないですか。

大草
そうだよね、私たちの仕事だからね、しょうがないよね。

青木
布は縁とつながると言われていて、だから古い服を溜めてる人は古い縁にしばられると言われているんですよ。でも収納はなかなか難しい。

大草
どうしてんの?

青木
詰め込んでいるけど。

大草
ダメじゃん(笑)。

青木
ダメなの。見ないふりしているところがある。

大草
断捨離はしないの?

青木
半年に一回はする。でも好きな服は捨てられないじゃないですか。大草さんどうしています?

大草
私はドラスティックに断捨離してるよ。

青木
ちゃんと捨ててる?

大草
基本的にはその子のセカンドライフ:第二の人生をできるだけ世話はしてる。破けてるとか黄ばんでどうにもならないものは捨ててるけど、周りの人にもらってもらったりとか、チャリティーに出したりとか、娘がやってるフリマとかにはもう提供して、これで部活の運営費にしなさいとか。

青木
なかなか捨てることができなくて。

大草
わかる。譲るといいかも。あとハンガーの総数を決めているの。

青木
すばらしいね。

大草
収納場所を増やしてはダメだよ。

青木
そうだよね。そこにどんどんいろんなものが入っていくもんね。

大草
だからトップスは何本まで、パンツは何本まで、クリアケースにデニムやTシャツを入れるのなら、それは3つまでとか決めないとダメ。


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買い散らかしてはダメ!



青木
おしゃれなクローゼットの作り方はあります?

大草
おしゃれかどうかは分からないんだけど、結局着ない服がいっぱいあるクローゼットは、一番効率が悪いと思うんだよね。例えば、お店に10枚服があるとするじゃないですか、それは背が高くてスタイルのいい人であっても、10枚服があって、その人にとびきり、似合う物は、2枚しかないと思った方がいいわけ。

青木
2割。

大草
あと8枚残るじゃない、8枚のうちの3枚は絶対着ちゃいけないもの。

青木
え!

大草
絶対に似合わないもの。残る5枚がクセで、そこそこに似合うわけよ。そのそこそこを捨てられた人がおしゃれになれるんだと思う。絶対に似合わないものは手に取らない、例えば、わたしだったら、足は絶対に出さないから、膝上のスカートは、その中の絶対着ないものに入ってくるわけ。そこそこに似合うものの中には、例えば丸襟のバックボタンのブラウスとか、似合わないわけじゃないんだけど、とても素敵ではないわけ。それを捨てないとダメだね。

青木
そこね。ポイントはその5枚か。

大草
だから買い散らかしてはダメなわけ。

青木
やっちゃう。

大草
やっちゃうよね(笑)。どびきり似合うものの奥行きを増やしていく感じ。幅ではなくて。例えば、今期は黄色が流行っているから、黄色のトップス、それがそこそこの中に入っているとするじゃない、ピンクも流行ってるからピンクのロングスカート、黒はちょっとシャープに見えるから黒も持ってなきゃいけない、これは点でしかないわけよ。例えば端っこと端っこのものを目をつぶって合わせた時に合わないようなクローゼットはダメなんだよ。点と点は喧嘩する。だけど、自分がとびきり似合う2割の中で奥行きさえ増やしておけば目をつぶっても合うわけよ。

青木
確かにね。2割はそうとう自分のおしゃれマインドが、凝縮されているじゃないですか、

大草
そうそう。

青木
その奥行きを増やすと同じものばかり買ってしまう可能性もある?

大草
同じものばっかりを買っていいんだと思う。例えば、私がミモレ丈のタイトスカートはとびきり似合うわけじゃない、だけどマキシスカートはとびきり似合う。だったら、そのミモレ丈のタイトスカートを捨ててもいいと思うんだけど。

青木
それは5枚の中に入るからね。

大草
マキシスカートが似合うのであれば、プリント、チュール、ソリッドカラーと集めていけばいいわけよ。

青木
奥行きってそういうことか。

大草
だからグレーが似合うのであれば、グレーの素材をいっぱい変えるとか、そういう風にしてあわせていけばいいと思う。

青木
表情変わるしね。

大草
そうそう。買い散らかすと毎朝のコーディネートがものすごいストレスだよ。


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