差別化を意識

向井太一(シンガーソングライター)×小泉智貴(ファッションブランド「tomo koizumi」デザイナー)

2021

05.14

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音楽活動の原点



小泉
向井くんは、どうして、歌うことや曲を作ることを選んだのかを聞かせて欲しいです。

向井
元々は音楽自体がすごい好きだったんですよ。小さい時から親がヒップホップやレゲエを聴いていて、兄がずっとヒップホップ漬けで家で自然に流れていたんですね。でも中学生ぐらいまでは漫画家になりたかったんですよ。原稿用紙を買って、ヒップホップを聴きながら漫画を描いていました。

小泉
ちなみに少年漫画家系?

向井
今だから言えるんですけど、恋愛系(笑)。

小泉
見たい!

向井
中学生になって、将来の夢をリアルに考え始める時期に僕、人物を同じ角度でしか描けなくて、その時に初めて自分は漫画家ではやっていけないなと感じて、昔からやっぱり、歌や音楽を聴くことが好きで、そこで初めて表に出て自分が歌う側を意識し始めたんですよ。そこから、オーディションを何十回か受けて、でもうまくいかなくて、高校を卒業してすぐ上京したんですけど、自分が創る側にまわり、制作をちゃんとするようになって、そこからオーデションを受けずにライブ活動を自分で一人でやっていたら、今の事務所に見つけてもらって、デビューしました。
小泉
難しいですよね。だって、オーディションに受からなくて、挫けてしまう人も絶対いる。自分も学生の時にコンテストに全く受からなくて、でも、ちょっとむかつくなと思って、自分でやってやろうと思った。一緒ですね。

向井
漠然と絶対に自分はデビューできるなと変な自信とプライドがあったんですよ。当時、中学生、高校生の時に他でブラックミュージックを聴いていた人がいなかったりとか、当時から歌に癖があったので、認められない理由も納得したんですね。

小泉
なるほど万人受けするわけではないと。

向井
でもそこは自分の中で変える気がなくて、理解されないのはまだ時代が追いついてないと(笑)。あと、クリエイティブなことなので、正解がないのもわかっていたんですよね。

小泉
これだけ物を作って人がいっぱいいる中で、人の目を惹く、キャッチな面でどう差別化して目立つのかもありますね。

向井
本当に何の知名度もなかった状態からスタートしたので、デビュー前に毎月、新曲をSoundCloudに放出して、とにかく知ってもらいたい、そこから始まったんですけど、特に僕がデビューした年は、今もずっとそうですけど新人が多くいたんですよ。僕と同じようなジャンルをベースにしたアーティストがめちゃくちゃ出てて、差別化する、人と違うことをするのはすごい意識してやっていましたね。


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感情を歌に託す



豪華プロデューサー陣を迎えたフルアルバム「COLORLESS」をリリースした向井さん。タイトル「COLORLESS」は、読んで字の如く、混じりっ気のない“無色”から、将来を自分の色で自由に描く、そして、無色で純粋でありのままの自分の気持ちを忘れないという原点回帰を表現しています。

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小泉
普段、楽曲の歌詞はどういうきっかけで作っていくの?

向井
僕は基本的に気持ち先行で作ることが多くて、感情が揺れ動いた時、例えば、失恋したら3曲ぐらい歌詞を書く、そこは自分がアーティストであってよかったと思います。転んだままでは終わらないぞみたいな。
小泉
物を作る人は、生活のすべて、全部のことが制作に繋がってないですか?例えば、映画観る、美術館行く、本を読む、服を選ぶのもそうだけど、それがリサーチ、インプットみたいな目線で、仕事と趣味が繋がっている。すぐにメモを取るみたいな。メモ取る?

向井
取ります。でもそのメモを見返すことがあまりなくて、例えば、アルバムを作るとなった時に、最近は、その時の感情でしか書けないんです。その時、思った事とか感じたことを吐き出すように。

小泉
新曲が出るときに向井君、今、恋しているんだとか、辛いことがあったのかなとか、それが直接わかるのが、ファンの楽しみ方?

向井
リアルタイムかどうかはちょっとわかんないですね。恋愛に関しては、過去を振り返ることもあるかもしれないですね。特定の人がいて、その人の癖を思い出したりとか、僕が書くラブソングはほとんど誰かがいる曲が多いですね。そういう意味ではちょっとリアルタイムではない時もありますね。

小泉
わかる。今のフィルターを通した過去のこと。

向井
そうそう、いいことをありがとうございます!

小泉
自分も向井くんの歌詞が好きですね。「Love Is Life」がリリースされた時に好きな人にいい曲あるよと、Apple Musicのリンクを送りました。

向井
ありがとうございます(笑)。

小泉
恋した時のウキウキ感、ちょっと恥ずかしい、でも、それを言葉で言えないので、曲を送って、歌詞を見てもらって、気持ちをなんとなく伝えるみたいな。歌はそういう要素もありますよね。


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