ブレイクスルーのきっかけ

山崎静代(南海キャンディーズ)×木原千春(画家)

2023

07.21

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メルカリで絵を売る



今では、それぞれ第一線で活躍されていますが、そこまでには様々な葛藤や悩みがあったといいます。木原さんは、画家として現在のスタイルを確立するまでにどんなことをしていたのでしょうか。

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山崎
筋トレみたいな感じで、千春ちゃんは、毎日、早く描くんやっけ?

木原
5分間ドローイングのことね。メルカリで5分間ドローイングを売ってもう6〜7年ぐらいになるのかな。今ちょっと忙しいから、週に何回かだけど、それをずっと続けていますね。油絵で、この絵を描きたいなというときに、それを油絵に移る前に自分の中に動物の姿を全部落とし込むための工程で、それが入りきったら、多少の余白は残すけど、油絵に向かって、より自由に描くという工程があるから、気づいたらそのためのドローイングになっていた。メルカリで5分間ドローイングを始めようと思った理由は、お世話になっている「ロイドワークスギャラリー」の社長、井浦さんが、私がバイトが続かないから心配して、メルカリで5分間ドローイングをやってみたらと言われて、始めたんですけど、ただ価格は2,000円。本画の油絵とドローイングでも一応本画になるから、それを2,000円でどう区別化しようということで、5分という制約を決めて、その代わり絶対ずっと2,000円で、いろんな人に手に取ってほしいし、アートに対するハードルがやっぱり高いと思うから、手の出しやすい金額で始めたんだけど、でも私も最初、井浦さんに言われたときにすごい反対した。だって、フリマアプリで絵を売るのみたいな。フリマアプリを別にそういう意味で言っているわけではないけど、そういう考え方の真逆にいたから、何考えているんだろうと思って、とりあえず信頼している井浦さんがそこまで言うんだったら、納得できないけど、始めてみようと思って、やったんだけど、でも他の作家さんやギャラリーの人が「千春ちゃん何やってんの」と言われて、「ですよね」と。でも、それが何年か経って、ポツポツ売れ出して、同じようにやる作家さんも増えたときにも誰も何も言わなくなった。

山崎
今は、千春ちゃんみたいにやっている人も増えてきている?

木原
増えてはきている。最初は、ドローイングはしてなかったから1枚描くのにヒーヒー言っていたし、全然描けなかった。

山崎
そういうコツコツと地道の作業をやっているのはさすがプロ。

木原
そんなことない。

山崎
全然そういうことやらないから。

木原
他にやることがない、というのもあるかもしれないけどね。


導かれて強くなった



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山崎
絵はまだ確立されてなく、この先かなという気はしているから、しずちゃんらしい絵やねっていうのではあるとは思うけど、自分はこれっていうものをわからずに描いているし、苦しんで生み出すところまでは行ってない。芸人として考えると、南海キャンディーズは、山ちゃんとしずちゃんの関係性、キャラクターは割と最初から打ち出した段階ではあったんやけど、そこは今も一応基本は変わらずに来ているけども、お互いにそれでテレビに出てもその対応がこのキャラで全てやれるわけでもないし、若手で出だした頃は特に、うまくできないから、から回って、返しもうまくいかないし、だけど仕事はどんどん来る。悪循環で仲がどんどん悪くなるときが一番つらかった時期。目の前にもらう仕事を頑張ってはいたけど、なんかずっとうまくいかん、仲悪いが何年も続いて、私の場合はボクシングにいきなり方向転換しちゃったんやけど、違う方向に行ったことによって、山ちゃんは、またさらに怒りだし、「何してんの」ってのがあったんやけど、でも本当にこれだけ真面目にやっているのが伝わったら、山ちゃんも応援してくれるようになったし、私も山ちゃんのストイックさをボクシングをやったことによって、気づいたりしたんで。それとボクシングは、より厳しい世界だったからそこでちょっと地獄を見たというぐらい、本当に苦しくて、毎日、戦場にいるような気持ちやったけど、ただそれをやったことで、めちゃくちゃ苦しかったけど、試合で勝てたことがすごい嬉しかったし、そこに立ち向かえた自分が、ちょっと自信がついたというのがあって、そこから、強くなった、自信を少し持った自分で舞台にも徐々に戻っていけるようになっていった感じ。芸人だけどボクシングによって、何かもらってきたみたいな感じ。

木原
ボクシングは何でやろうと思ったの?

山崎
最初は趣味で始めて、ドラマで、ボクサーの役をたまたまもらって、そのときにボクシング指導で入っていた梅津さんというトレーナーさんと出会うんやけど、その人との出会いが運命やったんよね。ドラマが終わってからもボクシング楽しいなと言って梅津さんとたまに練習していたら、2012年のロンドンオリンピックで女子ボクシングが正規正式種目になるというニュースが入ってきて、だんだん私もボクシングの熱がちょっと上がってきていたときにそのニュースやったから、これはもう本当に運命だとなって、もうやれと言われているんやなと思ってやりだした。

木原
すごいね、しずちゃんの乗り越えた力もだけど、導かれているのかもしれないね。

山崎
導かれたんやと思う。

木原
乗り切っていてすごいと思う。


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【しずちゃんの、創造と破壊 展】
8月2日から14日まで伊勢丹 浦和店でも開催されます。
ぜひ訪れてその世界観を目撃してください。

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