食のルーツを辿る

安田美沙子(タレント)×真藤舞衣子(発酵研究/料理家)

2023

09.15

null

安田さんといえば、京都府のご出身。今のライフスタイルは、やはり、ご自身のルーツにも関係しているようです。

見習うことが多い古き良き暮らし



null

安田
私の祖母が、京都の舞鶴だったんですよ。本当に田舎で、山の斜面に昔話のような木のお家があって、そこがすごい大好きで、誰かが五右衛門風呂に入っていると裏に回って薪をくべて炊いたり、あと七輪もありましたね。おばあちゃんが作ったナスを真っ黒に焼いて、生姜醤油で食べたり、冷蔵庫もあるけど小さいので、裏の池でヤカンを冷やしたり、畑もあったんで、何でも季節のものが穫れて、荷台にいっぱい、野菜を積んで帰ってくるのも楽しかったし、おばあちゃんはお味噌も作っていて、梅干しもすごいしょっぱいんですよ。

真藤
昔の人だから保存させるのが多いので塩分が高かったんですね。

安田
丹後は、お魚が入ったちらしずしが名物なので、いつも生姜を刻んだのを混ぜて、「お土産に持って帰り」と言ってくれたんですけど、そういうのがすごいルーツにある気がしていて、マイマイと出会って、味噌を作り出したけど、おばあちゃん作っていたからこれは当たり前だなと思えたり、古き良き暮らしが、今は絶対できないことだから、すごい貴重な体験だったなと思うんです。

真藤
そういうことをやっぱり小さい頃から経験されているから未だに繋いでいくというか。

安田
今、子供にやらせたいとすごい思うんですけど、昔はやらせたいと思わなくても当たり前にできたじゃないですか。おばあちゃんの暮らしは、丁寧というか、すごい寒かったりもするから苦労も多いと思うけど、その過程が大事だったのかな。そうだから、父も私もですけど、もったいない精神がすごい強いんですよ。大根の葉っぱも絶対使いたいとか、ちょっと痛んでも、臭ってこれいけるんじゃないかなとか。もったいない精神をおばあちゃんから学んだとすごい思って、そういうのは教えていきたいですね。

真藤
美沙子ちゃんの家に行っても、すごく物を大事にされているなと思うのと、食べ物のことは、子供たちに伝わっているのはわかります。

安田
食育インストラクターを取得したのも、取ったときはその良さが、わかんなかったんですけど、今になって、物を大事にすることとか、温かいご飯を食べる、孤独なご飯と寂しいご飯とかいろんな意味の孤食があるけど、そういう孤食をしないように気をつけるとか、美味しいねと食卓を囲むとか、そういうことが人格形成というか、脳の育成にも繋がるなと思ってやっています。


料理に合う器使い



null

真藤
私たち器がすごい好きで、美沙子ちゃんも、食器を作っているぐらい。

安田
マイマイのセンスが素晴らしくて、おうちに行って、コーデしてもらうと「これ、どこの食器ですか?」といつも聞いて、「それ買います」って!

真藤
器を組み合わせる場合に、例えば、和食器なら、染付、赤絵、有田焼、波佐見焼、伊万里、白磁、青磁とかあるんですけども、磁器は、石ものと言われていて、例えば、備前焼、萩、益子、唐津、美濃焼は、土物と言われているんですね。それに、焼締めのものとか、漆やガラスを季節によってバランスよく並べて、同じものを使うでのはなくて、組み合わせて使っていますね。例えば、夏だったら、ガラスものや石ものをちょっと増やしたり、あと逆に寒くなってきた秋冬だったりすると、温かみのある土物をちょっと多めに使ったりして、あと、料理を盛り付けるときには、お料理にカラフルなサラダとか、野菜が入っていたり、いろんな色がある時には、お皿は単色のもの。

安田
そうなんですね。

真藤
その方が、映えますね。逆に、例えば和え物、ほうれん草だけとかグリーンだったら、伊万里焼みたいなものでやると、ごちゃごちゃしなくて、見栄えはいいですね。お皿も料理も映えますね。両方とも引き立つ感じで。

安田
マイマイは、豆皿をいっぱい並べて、いろんな色とか形があるけど、まとまるじゃないですか。豆皿は、どういうふうに使えばいいんですか?

真藤
例えば、丸だけではなく、ちょっと菱形や四角っぽかったり、少しガラスを入れたりとか、土物、石物を組み合わせて、重ならないように使っていますね。

安田
豆皿があったらその下に敷くものは用意するんですか?

真藤
お敷は、使いますね。例えば、漆のお敷きもあるし、木のお敷も使ったりしますね。


null


これまでの記事

その他の記事