女性たちがより生きやすい社会になるために

辺見えみり(タレント、ブランドディレクター)×森田敦子(植物療法士)

2024

03.15

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辺見さんは、タレント業のほか、ファッションブランドのプロデュースを行ったり、化粧品事業を立ち上げるなどし、そのライフスタイルも注目され、同世代から支持を得ています。一方、森田さんは、パリで植物療法を学び、帰国後は、植物バイオ研究に関わり、数々の賞を受賞するなど、日本における植物療法と性科学の第一人者です。また、女性ならではの体の事情と向き合いながら、製品のプロデュースをしたり、講演会も行っています。

出会いは、女性ならではの悩みから



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辺見
久しぶり?でもこの間、打ち合わせがあったので、ちょこちょこ会っているんですよね。

森田
家も近いし。

辺見
そうそう!本当に近いから、たまに森田さんがタクシーを停めているのを見かけます。私たち、出会ってもう7年ぐらい8年目?

森田
この間、数えたの!子どもが同じ小学校に行っていたのもあって、何年目かなと思ったら8年目でした。

辺見
そうか、もう8年ですね。最初に私がお会いしたきっかけが、私自身が産後に鬱っぽいというか、仕事が嫌になったり、もう女であることが嫌だと、そういう感覚は初めてで、これが何なのかわからない時に、「森田さんという方がいらっしゃるので、お会いしてみたら」と、それで、お友だちと3人で、狭いカフェでご飯を一緒に食べながらお会いしました。

森田
私はその話を聞いて、それは私にも覚えがあるなと思って。どうしても女性ホルモンのバランスが崩れるから。

辺見
だから初めてそういうお話をして、女性ホルモンの大事さを知りました。その頃から森田さんはずっと、自分のことを大事にしよう、自愛ということを、まだ世の中がそんな言ってなかったときから、おっしゃっていて、年齢を重ねるごとにお子さんがいらっしゃらない方でも、人のために生きなきゃとか、何かのためにと、だんだんなってくる。それがプレッシャーにもなる。

森田
そうなのよね。私がフランスでフィトテラピー:植物療法を学んだときに、妊娠は無理、呼吸も自分で無理という、自己免疫疾患だったんだけど、フィトテラピーを学んだときに大事なのは植物の薬理学ではなくて、自分の目の前にコップが一つある、そこに水がたっぷりと足りているかどうか。水が入っていないのに家族に子どもに仕事にと女の人は尽くすじゃない。

辺見
そういう女性は、たくさんいらっしゃると思います。

森田
それじゃダメ。自分を尊んで大切にしてあげることをまず一番に考えて、フィトテラピーは2番目と言われたの。それは基本だなと思って。

辺見
確かに。


フェムケアの大切さ



近年、よく耳にするようになったのが、「フェムテック」というワード。FemaleとTechnologyをかけあわせた造語で、「生理・月経」「妊活」「更年期」など女性特有の健康課題をテクノロジーの力で解決するための製品・サービスのことを指します。森田さんは、そんなフェムテックの先駆けとなるフェムケアの啓蒙活動も長年、行ってきました。

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森田
フェムテックという言葉が、日本に入ってきて、ようやくまっすぐ歩けるようになったんだけど、

辺見
講演を行なっても、その話になると、「人がいなくなっちゃうとか、大変だった」って言っていたじゃないですか。

森田
膣まわりのこととかデリケートゾーンのことはタブーだったし、聞いちゃいけない、触っちゃいけない、話してもいけない。でもやっぱり下ネタじゃなくて、神ネタというか、産道だしね。

辺見
めちゃめちゃ素晴らしいことなのに。

森田
クローズドだったでしょ。フランスから帰ってきて26年になるんだけれども、パリ13大学は、医薬学部で、私は薬学で植物学を学んできたんだけど、その植物は何でも体に取り入れたら良くなるわけではなくて、食べることと、眠ること、それから性、その3つの本能の中で言うと、何で性欲が湧くのか、どうしてそういう体になっているのかとか、考えてみたらすごく不思議で、みんな膣周りの出来事だったりするのよね。だからそこに、性科学がきちん学問としてあって、食べること、性のこと、睡眠のこと、この3つのバランスが取れていなかったら、フィトテラピーは効かないぐらい大事と習ったの。

辺見
食欲だけあったら太っちゃう、睡眠欲ばっかりだったら仕事ができなくなるとか、何かが強く出すぎても、それはそれで問題が起きちゃうけど、全てのバランスが整ったときにようやく健康になる。

森田
そして、単にデリケートゾーンは、専用のもので洗おう、潤そうだけではなくて、すごくセンシュアルなことから、これに至っては女性ホルモンの問題があって、バランスが崩れていくと萎縮したり、GSMとかいろんな問題があるから一生かけてのことなので、ここで伝えるのをやめちゃいけないと自分で思い返すんだけど、でも、やっぱりくじけるのよ。

辺見
何回か一緒にイベントを行ったときに、森田さんやこんな私にも、そういう悩みを話してくださる方があんなにいるんだと思って。私、衝撃でしたよ。

森田
多分女性はみんな悩んでいることを周りの人たちに伝えてこなかったし、そんな雰囲気はなかったし、弱音を吐くことはみっともないと思って頑張ってきた人が多い。ましてや、そういった繊細な話は、できない。だから、私たちが、トークショーの中で、いろいろと答えてあげていたじゃない。

辺見
泣いていらっしゃる方もいましたもんね。

森田
だからこういうことが、女性同士で伝え合えたり、相談し合ったりするのは大事だね。

辺見
本当です。


*「性の学び直し」について書かれた森田さんのご本「私のからだの物語」はワニブックスより発売中です。


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