2023/05/21

「世界32ヵ国」の温泉を巡った“温泉エッセイスト”が語る「名旅館の条件」とは?

DDP編集部

5月21日(日)の放送では、前回に引き続き、温泉エッセイストで跡見学園女子大学兼任講師でもある旅行ジャーナリストの山崎まゆみさんに、全国の温泉ごはん、さらには名旅館の条件やこれから行きたい温泉地などについてお聞きしました。

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(左から)ホラン千秋、山崎まゆみさん

プロが語る“名旅館の条件”とは?

世界32ヵ国、1,000箇所以上の温泉を巡り、現在は跡見学園女子大学で「観光温泉学」を教えている山崎さん。今年4月には、これまでの温泉体験の集大成となる著書「温泉ごはん 旅はおいしい!」(河出文庫)を出版。また前回の放送では、温泉の選び方や全国の絶品温泉ごはんについて伺いました。

今回も、まずは温泉ごはんについて。衝撃を受けた温泉ごはんとして挙げたのは、岐阜県の下呂温泉にある旅館「今宵天空に遊ぶ しょうげつ」です。

ここは高台にある旅館で、ロビーや客室、大浴場からも下呂の温泉街とその中央に流れる川を一望できるほか、ここの飛騨牛のステーキがとにかく絶品だそうで、「飛騨牛のいろいろな部位をステーキでいただけるのですが、“部位それぞれの味がわかるように”と(食事の)合間にお口直しがあり、同じ飛騨牛でも、それぞれの部位の旨みや濃さ、食感などの違いが分かるんです」と絶賛します。

さらに、旅館のサービスも素晴らしく、「(女将のおもてなしや魅力に)本当に骨抜きになり、帰ってきて2、3日は原稿が書けなかった(笑)。それぐらいのホスピタリティでした。スタッフ一人ひとりが楽しそうに働いていて、女将もスタッフを大切にされているのがよく分かりました。そして、スタッフ同士も仲が良く、それがすべていい空気になっていて。女将を中心としたスタッフが醸し出す空気が心地よく、幸せな時間でした」とベタ褒めすると、ホランも「最高!」と称えます。

山崎さんが思う名旅館の条件の1つとして、“スタッフとお客さんの距離感”を見ているそうで、「ふと振り返るとそこにいてくれる。でも近すぎず、引きすぎない、塩梅のいい距離感が名旅館の条件」と言います。

そして、「昨今、旅館のDX(デジタルトランスフォーメーション)化などと言われていますが、日本の旅館は、海外のホテルと違って“おもてなし”が売り。なかでも細やかな配慮が織りなす心地良い世界観の旅館は、世界でも類を見ないと思います」と日本の旅館の素晴らしさを熱弁します。

入っても食べても“パワー”が得られる

続いてホランが“パワーを感じた温泉”について聞いてみると、山崎さんは国内湧出量NO.1の温泉地、大分県の別府温泉をチョイス。なかでも「鉄輪温泉」が素晴らしく「源泉が熱く、パワーがあり、温泉も湧き立てのピュアなフレッシュさで、ガツンとくるようなすごいお湯です。また、蒸気で蒸した料理“地獄蒸料理”というものがあり、(温泉に)入ってパワーを、食べてパワーを得られる鉄輪温泉」と評します。

地獄蒸料理とは、鶏や野菜、卵などを温泉の蒸気で蒸した料理で、とにかく食感が柔らかく、温泉の風味もちょっと感じるとのこと。ちなみに、この地域の方々は自宅に地獄窯があり、そこで食べた牛すじのお肉が衝撃的で「口のなかで溶けました! 噛まなくてもいいほど柔らかい、すごい体験でした」と振り返ります。

“子宝に恵まれる温泉”の絶品温泉ごはんは?

また山崎さんは“これからの時期に行きたい”温泉として、近年、豪雨で大きな被害を受けた熊本県の人吉温泉を挙げます。これからの時期においしくなる人吉の鮎を恋しがりつつ、「2年前に復興に頑張る地元の皆さんの姿を見ましたが、また改めて伺って復興がどれくらい進んだのか、応援の気持ちも込めてもう一度訪ねたい」と話します。

それを聞いたホランは「度々訪れることで、その土地に対する愛着も増していきますよね。そういう特別な温泉地があると心の拠り所にもなりますし、ちょっと疲れたときや、身も心も癒やされたいときに、そういう“第二の故郷”みたいなものがあるといいですよね〜」としみじみと語っていました。


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