[RADIO DRAGON] TOKYO FM 80.0MHz

【Real Review】

ﾗｲﾌﾞ番長きっしｰからのReal Review@1/29 渋谷公会堂 amazarashi
(2012.01.30)

amazarashi LIVE ｢千年幸福論｣

昨年6月に開催された渋谷WWWでの初ﾗｲﾌﾞに続き､9月に恵比寿LIQUIDROOM､そして3度目のﾗｲﾌﾞ渋谷公会堂と全てSOLD OUT

のamazarashi｡ﾒﾝﾊﾞｰが表に出ない､姿を現さないｱｰﾃｨｽﾄに少しでも近づくことのできるﾗｲﾌﾞ｡
それはそれは､お客さんの期待度も高く感じられ､会場のｿﾜｿﾜした雰囲気がすごく伝わってきた｡

開演時間を少し過ぎて照明が落とされﾗｲﾌﾞが始まった｡

客席とｽﾃｰｼﾞの間に張られた巨大ｽｸﾘｰﾝ｡
ｷﾞﾘｷﾞﾘｽﾃｰｼﾞ直前の客席の人はﾒﾝﾊﾞｰの表情が見えるか見えないか｡｡
私の席からはﾒﾝﾊﾞｰが5人いてﾌﾟﾚｲしている…という姿､ｼﾙｴｯﾄが確認できた｡

秋田ひろむさん(Vo,G)のﾎﾟｴﾄｴﾘｰﾘｰﾃﾞｨﾝｸﾞから始まり､1曲目は｢ﾃﾞｽｹﾞｰﾑ｣｡
曲に合わせて巨大ｽｸﾘｰﾝには映像やMusic Clipが映し出された｡
私はﾗｲﾌﾞが見終わった後でも最初に見た｢ﾃﾞｽｹﾞｰﾑ｣の時の映像が鮮明に頭に残っています｡
それはｽｸﾘｰﾝに浮かび上がった巨大な人体｡
緑色の複数の線で構成された立体の人体｡
膝を抱えて､まるでお腹の中に居る胎児のような姿勢になっていて､360度角度を変えながら映し出している｡
…本当に私の目の前に浮いているかのように見えて､あまりの迫力に少し怖くもなった｡
そんな映像と共に聴く｢ﾃﾞｽｹﾞｰﾑ｣｡
温かくて優しい､そしてどことなく悲しげな秋田さんの歌声｡
会場いっぱいに響き､音と映像に包まれた私はSOLD OUTの客席にいるにも関わらず
広い宇宙に一人浮かんでいるような不思議な感覚になり､一気に目と耳と心を奪われた｡
鳥肌が立った｡

2回目の公演を見ることができなかった私は､
1回目の渋谷WWWでは｢ありがとうございました｣の一言しか喋らなかったという印象もあり､
途中MCをちゃんと自らの言葉で発した事に驚きました｡
｢自分を見てもらうことで､他の人の励みになれば…｣
秋田さん自身が経験したからこそ“頑張れ”という言葉ではなく､“共感”という事で勇気を与えることができる｡
誰に言われるよりも説得力があり､力強い言葉でした｡

最新ｱﾙﾊﾞﾑ『千年幸福論』を中心に構成された今回のﾗｲﾌﾞ｡
以前から人気のある｢爆弾の作り方｣｢夏を待っていました｣｢ﾜﾝﾙｰﾑ叙事詩｣等を途中に挟み､
最後は『千年幸福論｣から｢未来づくり｣｢千年幸福論｣｡

最初のｱﾙﾊﾞﾑ『爆弾の作り方』や『ﾜﾝﾙｰﾑ叙事詩』では､胸に突き刺さるような痛さを感じる楽曲が多かったのに
(もちろん私はそんな楽曲に共感したからこそ､出会ったころからamazarashiﾌｧﾝなのだけど…)
『千年幸福論』ではとても“未来”や“希望”の感じられる楽曲が多く､
amazarashiの心情や､今の時代背景をすごく反映させているようだと思った｡

渋谷WWWでも思ったのだけど､amazarashiと私たちの距離がもっと近づく時､それが｢平和｣になった時なのかもしれない｡
大袈裟かもしれないけど｡｡
でもその位､ｽｸﾘｰﾝを挟んだamazarashiとの距離感｡
まだamazarashiが全てを私たちに見せていないという現実｡

いつか本当にamazarashiの目を見ることができる日を目指して｡｡

とても素晴らしいｽﾃｰｼﾞをありがとうございました｡

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