2019年12月28日
先週に引き続き、ゲストにお迎えしたのは
グラビア女優でライター、アクティビストの石川優実さんです。
石川さんは、1987年、愛知県生まれ。
2005年に芸能界デビューし、グラビア、映画、舞台などで広く活動していく中
2017年末に、芸能界で経験した性暴力を「#MeToo」で告白し、話題を集めました。
それ以降、ジェンダー平等を目指し活動しています。
2019年、職場でのパンプス義務付け反対運動「#KuToo」を展開、
世界中のメディアで取り上げられ、イギリスのBBCが選ぶ、『世界の人々に影響を与えた「100人の女性」』に選出され
現在も、活動を続けていらっしゃいます。
──固定観念に囚われず
茂木:なぜ、足が痛いのにパンプスやハイヒールの着用を未だに女性が強制されるのかって“人間としてどうなんだろう?”と思います。
何でそういうことになってしまったんでしょうか?
石川:“マナーを見直す”ということを考えなかった、そのまま来てしまっているという事だと思うんです。
茂木:日本では、“人権よりもマナーの方が優先”になってしまっているのでしょうか?
石川:それはあると思います。怪我をしていようが、「でも、マナーでしょ」という認識があるのではないかと思います。
一方で、“女性は職場で綺麗であるべきだ”という風潮も残っていて、見直されずにここまで来てしまったというのもあると思います。
茂木:最近話題になった職場での女性のメガネは禁止という…。
石川:笑っちゃいますよね、これは女性だけなんですよね。
茂木:ニュースによると、「メガネをかけていると女性は見た目が美しくない」という企業はいらっしゃるみたいですけど。
男性はメガネをかけても良いということですよね。
石川:そもそも、仕事の場で“女性だけが美しくしないといけないの?”という話ですし、メガネをかけていると見た目が美しくないか?という部分もあります。
これに対してはいろんな疑問が出てきますよね。
茂木:海外ですと、そういうことは発想としても浮かばない感じですけどね。男性と女性の比率も、そもそもフィフティーフィフティーに近いですし。
その人がどういう発言をするか、とか、何ができるかという事にしか皆さん興味がなくて。その人が可愛いか、美しいか、かっこいいか、というのはそもそも考えていない感じですけど。
日本だと、職場でまだそういう事を言っているということですよね。
石川:けっこうありますよ。特に接客業などは、“女性だから”という感じで、美しさ、綺麗さを求められている感じはします。
茂木:化粧を強制されたり、「メガネは駄目」と言われたり、どうなんでしょうか?
石川:そうなんですよ。“私たちは化粧するのが当たり前だ”と刷り込まれていて、まず最初に就職活動の時に言われるんですよ「お化粧はマナーだから」って。
学校で教えるんですよ。
茂木:だけど、お肌が合わなくて荒れてしまったりする人もいるでしょ?
石川:そういう人も、「しなきゃいけないから頑張ってする」さらに荒れてしまって苦しんでいる方も沢山いますし。
そもそも、「自分は化粧をしたくない」という人もいるんですけど、「マナーだから、その時期はしなきゃいけない」という話は聞きます。
茂木:そういうことを含めた、女性の生き方を考える動きが「フェミニズム」という言葉なんですけども。
日本だと「フェミニズム」と言うと、ちょっと色々意見が出ちゃうんですね。
石川:そうですね、女らしさを否定している運動・考えに思われがちかもしれないですね。
茂木:今回の著書「#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム」の中にも「女性として幸せになるんだったら、そんなこと言わなくてもいいんじゃないか」みたいなことを言う人がいると…これはどういうことですか?
石川:その人が考える、“女とはこういうものだろ”みたいなものに当てはめて、たぶん私にお話をしてるんですよね。
茂木:「医者とか実業家と結婚したらいいんじゃないか」みたいなことを書いている人がいたんですよね。
石川:びっくりしましたね。私、医者とか実業家と結婚したいなんて一言も言ったことないのに、なぜか“それが私の幸せでしょ”という考えのもと、そういうことを言ってくるわけじゃないですか?
女の幸せというものを、勝手に決めつけているっていうところですよね。
茂木:紐解くと“フェミニズムとかめんどくさいこと言ってないで、男性が良いなと思うステレオタイプな女性になっていれば、医者や実業家と結婚して幸せになれるのに、っていう意味なんですか?
石川:そういうことだと思いますよ。
茂木:今時、そういう男性がまだいらっしゃるんですね。
でも、そういう方は男はこうあるべきだっていう、固定観念に囚われちゃっているところもあるんですかね。
石川:本当そう思うんですよね。たぶん、女性にそれを言ってる分、男性は稼いで、女性を食べさせていかなきゃいけない、っていうプレッシャーにきっと苦しんでいると思うんですよ。
本人が望んでるならいいですけど、そういうもんだからそうしなきゃいけない、っていう中で生きているならば、それは多分辛いことなんじゃないのかなって思うんですよね。
茂木:女性を解放することは、男性自身も解放されることなんでしょうね。
石川:本当にそう思いますね、女性が今後の働き方が変わっていって、男性と同じ労働条件で働けるようになっていった時に、男性が背負ってるプレッシャーもこちらで受けられると思うんですよ。
そうやって皆平等になっていけばいいと思うんですけど、変わるのが怖い人たちがいるのかなって思いますね。
茂木:そういう、日本の社会を変える一つのきっかけ、問題提起として「#KuToo」を、今まさにアクティビストとして、変えようとされてるわけじゃないですか?
どうですか手応えは?
石川:進み具合は遅いけど、確実に変わっていってるなとは思うので。声に出してちゃんと主張するっていうのは大事だなって感じてます。
むしろ、言えば少しは変わっていくんだっていうのを実感してます。
この運動が始まってから、携帯三社がみんなパンプス履かなくてもいいってなったんですよ。
茂木:すごい! おめでとうございます!
石川:ありがとうございます(笑)。この運動があったからなのかどうか、っていうところまでは分かんないんですけど。パンプスを履いて立ちっぱなしだったりするので、大変じゃないですか?
それで変えてくださったみたいですね。
茂木:そういう風に動きが出てきてて、逆に意識を変えるっていうのは時間がかかるでしょうね。
石川:そうですね。あまりにも、今まで当たり前のマナーすぎたので、こういう反発みたいなものが起きるのは当然のことかなと思いながらやってますね。
茂木:外国の方と話してると、よく指摘されるのが、おもちゃ売り場で男の子用、女の子用でおもちゃが分かれてるとか言われて。
言われてみたら確かにおかしいんだけど、そのあたりから、やっぱり日本の中にそういう姓の役割っていう意識が残ってるみたいで。「男の子用のおもちゃ、女の子用のおもちゃ」は何なんですかね?
石川:そうですよね。明らかに、ピンクの場所と、青いおもちゃの場所と、別れてますもんね。ロボットとか戦隊ものが好きな女の子とか…逆もね、昔で言うとセーラームーンとか、ぷりきゅあが好きな男性もいると思うんですけど。ああいう分け方をすると、「好き」って言いづらくなっちゃいますよね。
茂木:そう考えると、まだまだフェミニズムっていうのは、日本がいろんなことを考える大切なきっかけになりそうですけどね。
石川:そういう、ちょっとしたことが意識に入り込んじゃう事ってすごくあると思うので。みんなで、今みたいなおもちゃのコーナーどうなの?とか、制服はどうなの?とか、ということをみんなで考えて、ちょっとずつ直していければいいんじゃないかなって考えてます。
茂木:そういう多様性を認める世の中に、少しずつ変わっていったらいいなと思いますね。
■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介してきました、石川優実さんのご著書、
「#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム」
こちらに、石川さんの直筆サインを入れて、
3名さまにプレゼントします!
ご希望の方は、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、
商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●石川優実@#KuToo署名中 (@ishikawa_yumi) | Twitter
●#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム / 石川優実
(Amazon)
●現代書館
グラビア女優でライター、アクティビストの石川優実さんです。
石川さんは、1987年、愛知県生まれ。
2005年に芸能界デビューし、グラビア、映画、舞台などで広く活動していく中
2017年末に、芸能界で経験した性暴力を「#MeToo」で告白し、話題を集めました。
それ以降、ジェンダー平等を目指し活動しています。
2019年、職場でのパンプス義務付け反対運動「#KuToo」を展開、
世界中のメディアで取り上げられ、イギリスのBBCが選ぶ、『世界の人々に影響を与えた「100人の女性」』に選出され
現在も、活動を続けていらっしゃいます。
──固定観念に囚われず
茂木:なぜ、足が痛いのにパンプスやハイヒールの着用を未だに女性が強制されるのかって“人間としてどうなんだろう?”と思います。
何でそういうことになってしまったんでしょうか?
石川:“マナーを見直す”ということを考えなかった、そのまま来てしまっているという事だと思うんです。
茂木:日本では、“人権よりもマナーの方が優先”になってしまっているのでしょうか?
石川:それはあると思います。怪我をしていようが、「でも、マナーでしょ」という認識があるのではないかと思います。
一方で、“女性は職場で綺麗であるべきだ”という風潮も残っていて、見直されずにここまで来てしまったというのもあると思います。
茂木:最近話題になった職場での女性のメガネは禁止という…。
石川:笑っちゃいますよね、これは女性だけなんですよね。
茂木:ニュースによると、「メガネをかけていると女性は見た目が美しくない」という企業はいらっしゃるみたいですけど。
男性はメガネをかけても良いということですよね。
石川:そもそも、仕事の場で“女性だけが美しくしないといけないの?”という話ですし、メガネをかけていると見た目が美しくないか?という部分もあります。
これに対してはいろんな疑問が出てきますよね。
茂木:海外ですと、そういうことは発想としても浮かばない感じですけどね。男性と女性の比率も、そもそもフィフティーフィフティーに近いですし。
その人がどういう発言をするか、とか、何ができるかという事にしか皆さん興味がなくて。その人が可愛いか、美しいか、かっこいいか、というのはそもそも考えていない感じですけど。
日本だと、職場でまだそういう事を言っているということですよね。
石川:けっこうありますよ。特に接客業などは、“女性だから”という感じで、美しさ、綺麗さを求められている感じはします。
茂木:化粧を強制されたり、「メガネは駄目」と言われたり、どうなんでしょうか?
石川:そうなんですよ。“私たちは化粧するのが当たり前だ”と刷り込まれていて、まず最初に就職活動の時に言われるんですよ「お化粧はマナーだから」って。
学校で教えるんですよ。
茂木:だけど、お肌が合わなくて荒れてしまったりする人もいるでしょ?
石川:そういう人も、「しなきゃいけないから頑張ってする」さらに荒れてしまって苦しんでいる方も沢山いますし。
そもそも、「自分は化粧をしたくない」という人もいるんですけど、「マナーだから、その時期はしなきゃいけない」という話は聞きます。
茂木:そういうことを含めた、女性の生き方を考える動きが「フェミニズム」という言葉なんですけども。
日本だと「フェミニズム」と言うと、ちょっと色々意見が出ちゃうんですね。
石川:そうですね、女らしさを否定している運動・考えに思われがちかもしれないですね。
茂木:今回の著書「#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム」の中にも「女性として幸せになるんだったら、そんなこと言わなくてもいいんじゃないか」みたいなことを言う人がいると…これはどういうことですか?
石川:その人が考える、“女とはこういうものだろ”みたいなものに当てはめて、たぶん私にお話をしてるんですよね。
茂木:「医者とか実業家と結婚したらいいんじゃないか」みたいなことを書いている人がいたんですよね。
石川:びっくりしましたね。私、医者とか実業家と結婚したいなんて一言も言ったことないのに、なぜか“それが私の幸せでしょ”という考えのもと、そういうことを言ってくるわけじゃないですか?
女の幸せというものを、勝手に決めつけているっていうところですよね。
茂木:紐解くと“フェミニズムとかめんどくさいこと言ってないで、男性が良いなと思うステレオタイプな女性になっていれば、医者や実業家と結婚して幸せになれるのに、っていう意味なんですか?
石川:そういうことだと思いますよ。
茂木:今時、そういう男性がまだいらっしゃるんですね。
でも、そういう方は男はこうあるべきだっていう、固定観念に囚われちゃっているところもあるんですかね。
石川:本当そう思うんですよね。たぶん、女性にそれを言ってる分、男性は稼いで、女性を食べさせていかなきゃいけない、っていうプレッシャーにきっと苦しんでいると思うんですよ。
本人が望んでるならいいですけど、そういうもんだからそうしなきゃいけない、っていう中で生きているならば、それは多分辛いことなんじゃないのかなって思うんですよね。
茂木:女性を解放することは、男性自身も解放されることなんでしょうね。
石川:本当にそう思いますね、女性が今後の働き方が変わっていって、男性と同じ労働条件で働けるようになっていった時に、男性が背負ってるプレッシャーもこちらで受けられると思うんですよ。
そうやって皆平等になっていけばいいと思うんですけど、変わるのが怖い人たちがいるのかなって思いますね。
茂木:そういう、日本の社会を変える一つのきっかけ、問題提起として「#KuToo」を、今まさにアクティビストとして、変えようとされてるわけじゃないですか?
どうですか手応えは?
石川:進み具合は遅いけど、確実に変わっていってるなとは思うので。声に出してちゃんと主張するっていうのは大事だなって感じてます。
むしろ、言えば少しは変わっていくんだっていうのを実感してます。
この運動が始まってから、携帯三社がみんなパンプス履かなくてもいいってなったんですよ。
茂木:すごい! おめでとうございます!
石川:ありがとうございます(笑)。この運動があったからなのかどうか、っていうところまでは分かんないんですけど。パンプスを履いて立ちっぱなしだったりするので、大変じゃないですか?
それで変えてくださったみたいですね。
茂木:そういう風に動きが出てきてて、逆に意識を変えるっていうのは時間がかかるでしょうね。
石川:そうですね。あまりにも、今まで当たり前のマナーすぎたので、こういう反発みたいなものが起きるのは当然のことかなと思いながらやってますね。
茂木:外国の方と話してると、よく指摘されるのが、おもちゃ売り場で男の子用、女の子用でおもちゃが分かれてるとか言われて。
言われてみたら確かにおかしいんだけど、そのあたりから、やっぱり日本の中にそういう姓の役割っていう意識が残ってるみたいで。「男の子用のおもちゃ、女の子用のおもちゃ」は何なんですかね?
石川:そうですよね。明らかに、ピンクの場所と、青いおもちゃの場所と、別れてますもんね。ロボットとか戦隊ものが好きな女の子とか…逆もね、昔で言うとセーラームーンとか、ぷりきゅあが好きな男性もいると思うんですけど。ああいう分け方をすると、「好き」って言いづらくなっちゃいますよね。
茂木:そう考えると、まだまだフェミニズムっていうのは、日本がいろんなことを考える大切なきっかけになりそうですけどね。
石川:そういう、ちょっとしたことが意識に入り込んじゃう事ってすごくあると思うので。みんなで、今みたいなおもちゃのコーナーどうなの?とか、制服はどうなの?とか、ということをみんなで考えて、ちょっとずつ直していければいいんじゃないかなって考えてます。
茂木:そういう多様性を認める世の中に、少しずつ変わっていったらいいなと思いますね。
■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介してきました、石川優実さんのご著書、
「#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム」
こちらに、石川さんの直筆サインを入れて、
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茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、
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たくさんのご応募、お待ちしております。
●石川優実@#KuToo署名中 (@ishikawa_yumi) | Twitter
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