2025年11月15日
今夜ゲストにお迎えしたのは、日本初のプリザーブドフラワー専門店を立ち上げた「ベル・フルール」の代表取締役社長で、フラワーデザイナーの今野亮平さんです。
今野亮平さんは、東京都のお生まれです。
大学、専門学校を経て、グラフィックデザインを手掛ける会社へ入社。
2年半ほど勤務したのちに、母親が1981年に創業した「ベル・フルール」を、2003年に法人化。
専務として事業に携わる傍ら、フラワーデザイナーとしては、2006年に「日本フラワーデザイン大賞」1位を受賞。
2018年に、「ベル・フルール」の代表取締役社長に就任。
花に関する全ての要望に応えるフラワーデザインカンパニーとして、フラワーアレンジメント制作・販売からスクールの運営など幅広く手掛けていらっしゃいます。

──プリザーブドフラワーのサステナビリティ
茂木:このプリザーブドフラワーの「プリザーブド」、これは英語では「保存された」とかそういう意味だと思うんですけど、実は今野社長のお母様が、日本で初めてプリザーブドフラワーに関する指南書を出版されているんですね。
今野:はい。現会長であるうちの母親が作らせていただいた本が大ベストセラーになり、「プリザーブドフラワーのバイブルになった」、と言われてるような存在なんです。ちょうど運良く、私も会社で一緒にやるというところから、今に至っています。
茂木:プリザーブドフラワーの貴公子だったんですね(笑)。確かに、プリザーブドフラワーをよく見るようになりましたね。
今野:嬉しいです。よくテレビの後ろに飾ってあったりとか、ギフトでも。いただいた方が水揚げしないで長く飾れるということで、花を愛でる気持ちは生花も一緒だと思うんですけれども、メンテナンスをしなくていいという点においても、今この時代の背景を含めて合っているんじゃないかな、とは思っています。
茂木:でも、今では本当に世の中で見るようになったんですけれども、お母様が本を書かれた当時は、日本でほとんど知られてない技術だった、と。
今野:そうですね。やっぱりお花業界は当然生花ありきだったので、「こんなの売れないよ」とか、「何これ?」と言われました。そういう空気感と言うか、斜めで見るような目線はありましたね。

茂木:じゃあ、その業界の中でもなかなか理解されなかったんですね。
今野:はい。やっぱり皆、「(ブームは)すぐに終わるだろう」と。
茂木:「一過性のブームだ」というようなことを言われた。だけど、今は完全に根付いている、ということですね。
一方で、日本では「花は枯れてしまう。そういうもんなんだよ」と我々も思ってきたところがあるんですけど、このプリザーブドフラワーの新しい価値というのは、どこら辺にあると思いますか?
今野:やっぱり、地球温暖化もあったり、環境変もあったり、もっと言ったら、環境を意識して生活をしなきゃいけない。でも、お花が好きという想いは変わらない。そういうところにおいても、プリザーブドフラワーは水揚げもしないで長く飾れる、ということで。
最近だと、例えば、病院におじいちゃんおばあちゃんが入院しているから花を贈りたくても、やっぱり生花は持っていけないんですよね。そういうところでも、「元気にさせたい」という思いでお花をお持ちいただく際に、このプリザーブドフラワーが使われたり。
あとは、最近はギフトだけじゃなく、お仏壇用のお花としても広がっています。
うちの銀座本店なんかは、20代・30代の男子が(購入されることが)非常に多くて。プロポーズですね。
茂木:プロポーズでプリザーブドフラワーですか。
今野:そうなんです。それで、輪数ごとにメッセージがあるので、108輪。全国からわざわざ銀座にお越しいただいて、大事な彼女にプロポーズする、という方がいます。なので、銀座のお店はもう男性が多いんです(笑)。
茂木:本当にメンテナンスフリーと言うか、何もしなくてよろしいんでしょうか。
今野:はい。本当に何もしなくて大丈夫です。
唯一気をつけたいのが、直射日光です。お洋服も何でもそうですけど、紫外線が経年劣化になるので、ちょっと薄くなるんです。だけど、それがまた美しいと仰るお客様もたくさんいらっしゃいます。
あと最近は、10年経ったお花を「また綺麗に生き返らせて欲しい」とメンテナンスされることもあります。デザインは変わらず、お花だけまた綺麗にさせていただいて、お渡しする。まさにサステナブルと言うか、循環する形のサービスが今広がっています。
茂木:本当に今見ていても、植物の葉の形とかそういうものがずっと永遠に保たれているというのはすごいな、と思うんですけど、一方で、どうしてもロスフラワー…大量廃棄とかそういうこともありますよね。やっぱり今はサステナビリティなどが大事なので、プリザーブドフラワーはその辺りはどうですか。

今野:20数年前にブランドを作ってから、まさかこのような時代になるとは思っていなかったぐらい、環境の温暖化であったりとか(が、注目されている)。
仰るように、このプリザーブドフラワーというのは、まさにサステナブルと言うか、そういう部分の象徴として、まだ始まったばかりに過ぎないと私は思っています。まだまだ多くの人に知られていないので、この良さだったりとかこの意味というものが、使われることによって、よりお花の価値を高めていく。
過去の歴史から今の時代も、どんな分野においても変化というのは継続の始まりだと思うので、そういう意味では、挑戦的な要素を含めて、このプリザーブドフラワーというのは、新たな価値、新たな文化というものを作り出している象徴なのかな、とは思っております。
茂木:いわゆる生花と言うか、枯れてしまう花の需要もゼロにはならないでしょうし、それでいい場面もあるでしょうし。ただ一方で、ギフトの市場とか色んなところでこのプリザーブドフラワーという選択肢が生まれることで、ちょっと人々の意識も変わっていくのかなと思いますね。
今野:まさに、選択の幅が広がったと思っています。
私も、生花が大好きです。例えば1日のパーティーとか、そういう時は生花とかもすごくいいと思います。ただ、やっぱり長く飾っていただきたいとか、そういう時において、相手がどういうシーンなのかというそのTPOに合わせて、このプリザーブドフラワーを使っていただければいいな、とは思っております。
茂木:そうですよね。この“花を残す”という文化、これは我々の暮らしをどう変えていきそうですか?
今野:逆に、昔から日本の持っている伝統文化を含めて、そこを継承していく存在にもなっていくと思います。今、地球温暖化だったり、四季が二季になったと言ったりもしますけども、(花は)二十四節気を表す象徴だと思っているんです。
外は暑かったりするけれども、季節感を感じたい、とか、また、長くそれを愛でていただく、楽しんでいただく、ということ。また逆に、周りの環境に合わせず飾っていただける、というところも、魅力なんじゃないかなと思っています。

●今野亮平 (@ryohei.konno)さん 公式 Instagram
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今野亮平さんは、東京都のお生まれです。
大学、専門学校を経て、グラフィックデザインを手掛ける会社へ入社。
2年半ほど勤務したのちに、母親が1981年に創業した「ベル・フルール」を、2003年に法人化。
専務として事業に携わる傍ら、フラワーデザイナーとしては、2006年に「日本フラワーデザイン大賞」1位を受賞。
2018年に、「ベル・フルール」の代表取締役社長に就任。
花に関する全ての要望に応えるフラワーデザインカンパニーとして、フラワーアレンジメント制作・販売からスクールの運営など幅広く手掛けていらっしゃいます。

──プリザーブドフラワーのサステナビリティ
茂木:このプリザーブドフラワーの「プリザーブド」、これは英語では「保存された」とかそういう意味だと思うんですけど、実は今野社長のお母様が、日本で初めてプリザーブドフラワーに関する指南書を出版されているんですね。
今野:はい。現会長であるうちの母親が作らせていただいた本が大ベストセラーになり、「プリザーブドフラワーのバイブルになった」、と言われてるような存在なんです。ちょうど運良く、私も会社で一緒にやるというところから、今に至っています。
茂木:プリザーブドフラワーの貴公子だったんですね(笑)。確かに、プリザーブドフラワーをよく見るようになりましたね。
今野:嬉しいです。よくテレビの後ろに飾ってあったりとか、ギフトでも。いただいた方が水揚げしないで長く飾れるということで、花を愛でる気持ちは生花も一緒だと思うんですけれども、メンテナンスをしなくていいという点においても、今この時代の背景を含めて合っているんじゃないかな、とは思っています。
茂木:でも、今では本当に世の中で見るようになったんですけれども、お母様が本を書かれた当時は、日本でほとんど知られてない技術だった、と。
今野:そうですね。やっぱりお花業界は当然生花ありきだったので、「こんなの売れないよ」とか、「何これ?」と言われました。そういう空気感と言うか、斜めで見るような目線はありましたね。

茂木:じゃあ、その業界の中でもなかなか理解されなかったんですね。
今野:はい。やっぱり皆、「(ブームは)すぐに終わるだろう」と。
茂木:「一過性のブームだ」というようなことを言われた。だけど、今は完全に根付いている、ということですね。
一方で、日本では「花は枯れてしまう。そういうもんなんだよ」と我々も思ってきたところがあるんですけど、このプリザーブドフラワーの新しい価値というのは、どこら辺にあると思いますか?
今野:やっぱり、地球温暖化もあったり、環境変もあったり、もっと言ったら、環境を意識して生活をしなきゃいけない。でも、お花が好きという想いは変わらない。そういうところにおいても、プリザーブドフラワーは水揚げもしないで長く飾れる、ということで。
最近だと、例えば、病院におじいちゃんおばあちゃんが入院しているから花を贈りたくても、やっぱり生花は持っていけないんですよね。そういうところでも、「元気にさせたい」という思いでお花をお持ちいただく際に、このプリザーブドフラワーが使われたり。
あとは、最近はギフトだけじゃなく、お仏壇用のお花としても広がっています。
うちの銀座本店なんかは、20代・30代の男子が(購入されることが)非常に多くて。プロポーズですね。
茂木:プロポーズでプリザーブドフラワーですか。
今野:そうなんです。それで、輪数ごとにメッセージがあるので、108輪。全国からわざわざ銀座にお越しいただいて、大事な彼女にプロポーズする、という方がいます。なので、銀座のお店はもう男性が多いんです(笑)。
茂木:本当にメンテナンスフリーと言うか、何もしなくてよろしいんでしょうか。
今野:はい。本当に何もしなくて大丈夫です。
唯一気をつけたいのが、直射日光です。お洋服も何でもそうですけど、紫外線が経年劣化になるので、ちょっと薄くなるんです。だけど、それがまた美しいと仰るお客様もたくさんいらっしゃいます。
あと最近は、10年経ったお花を「また綺麗に生き返らせて欲しい」とメンテナンスされることもあります。デザインは変わらず、お花だけまた綺麗にさせていただいて、お渡しする。まさにサステナブルと言うか、循環する形のサービスが今広がっています。
茂木:本当に今見ていても、植物の葉の形とかそういうものがずっと永遠に保たれているというのはすごいな、と思うんですけど、一方で、どうしてもロスフラワー…大量廃棄とかそういうこともありますよね。やっぱり今はサステナビリティなどが大事なので、プリザーブドフラワーはその辺りはどうですか。

今野:20数年前にブランドを作ってから、まさかこのような時代になるとは思っていなかったぐらい、環境の温暖化であったりとか(が、注目されている)。
仰るように、このプリザーブドフラワーというのは、まさにサステナブルと言うか、そういう部分の象徴として、まだ始まったばかりに過ぎないと私は思っています。まだまだ多くの人に知られていないので、この良さだったりとかこの意味というものが、使われることによって、よりお花の価値を高めていく。
過去の歴史から今の時代も、どんな分野においても変化というのは継続の始まりだと思うので、そういう意味では、挑戦的な要素を含めて、このプリザーブドフラワーというのは、新たな価値、新たな文化というものを作り出している象徴なのかな、とは思っております。
茂木:いわゆる生花と言うか、枯れてしまう花の需要もゼロにはならないでしょうし、それでいい場面もあるでしょうし。ただ一方で、ギフトの市場とか色んなところでこのプリザーブドフラワーという選択肢が生まれることで、ちょっと人々の意識も変わっていくのかなと思いますね。
今野:まさに、選択の幅が広がったと思っています。
私も、生花が大好きです。例えば1日のパーティーとか、そういう時は生花とかもすごくいいと思います。ただ、やっぱり長く飾っていただきたいとか、そういう時において、相手がどういうシーンなのかというそのTPOに合わせて、このプリザーブドフラワーを使っていただければいいな、とは思っております。
茂木:そうですよね。この“花を残す”という文化、これは我々の暮らしをどう変えていきそうですか?
今野:逆に、昔から日本の持っている伝統文化を含めて、そこを継承していく存在にもなっていくと思います。今、地球温暖化だったり、四季が二季になったと言ったりもしますけども、(花は)二十四節気を表す象徴だと思っているんです。
外は暑かったりするけれども、季節感を感じたい、とか、また、長くそれを愛でていただく、楽しんでいただく、ということ。また逆に、周りの環境に合わせず飾っていただける、というところも、魅力なんじゃないかなと思っています。

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