Dream Heart(ドリームハート)

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REPORT 最新のオンエアレポート

Dream HEART vol.170 アーティスト・坂本美雨さん

2016年07月03日

今夜も、6月22日にミニアルバム『Sing with me』をリリースした、アーティストの坂本美雨さんをお迎えしました。

坂本さんは、ミュージシャンのご両親の元に生まれ、
1997年、「Ryuichi Sakamoto featuring Sister M 」名義でデビューし、
1998年、本名で音楽活動をスタートされました。
現在は、音楽に留まらず、作詞、翻訳、ナレーション、俳優など、マルチな分野で活躍をされていらっしゃいます。

今夜は、坂本さんが「音楽活動」から学んだことや、坂本さんが思い描く、今後の夢についてなど、
坂本さんご自身にフォーカスしてお話を伺いました。






──偉大なる両親のもとに生まれ


茂木:美雨という美しい名前は、どのように付いたんですか?

坂本:いろいろあるんですけど、”突然変異”という意味の「ミュータント」から「美雨」とつけたのが、父側から聞きました。
私がずっと聞いていたのは、世界中の人が簡単に発音できるようにと、母が付けたと聞きました。

茂木:確かに!

坂本:うちの兄が「風太」なんですけど、風の後に雨が来るっていうので「美雨」らしいです。
でも本当は、風の後には雲が来るっていうので、雲の子で「雲……」っていう(笑)。

茂木:そういう説もあったんですか(笑)、とてもユニークなご両親ですね。

坂本:本気で付けようとしていたらしくて、止めてくれた親戚に、”どうもありがとう”って思います。

茂木:9歳の頃からニューヨークにいたんですよね、どうでしたか?

坂本:最初は子供だったので、もちろん英語も話せず、急に現地校に放り込まれて、”なんだこれは?”という感じでしたけど。
子供だからこそ馴染むのも早くて、英語もすぐついていけるようになったかな。でも、最初は戸惑いましたよね。

茂木:ご両親は、子供の頃はどう見えていたんですか?

坂本:自分よりも長く親のことを知っているファンの方々とかいるじゃないですか?
コンサートとか行くと、私が5歳だとしたら、”5年しか、この人たちのこと知らないけど、あの人たちは10年音楽聴いてるんだよな”とか、考えてました(笑)。

茂木:そんなこと、5歳で考えていたんですか(笑)。

坂本:だから、”自分のものじゃないな”って、どこかで思っていました。
教授はいつも家にいないし、怖かったし。

茂木:どういうところが怖かったですか?

坂本:その時代は好き放題でしたから(笑)。

茂木:芸術家としての、天才的なひらめきというか……。

坂本:そう言われていただろうし、みんなにご迷惑をかけていたんじゃないかと思います。

茂木:作品がすべてを帳消しですよ、教授の場合は(笑)。といっても、家族は大変ですよね。
でも、美雨さんには優しかったんじゃないですか?

坂本:私にも、わりと厳しかったですよ。
たまに家にいる時に、ちょっとピアノの練習すると「なんで、もっと練習しないんだ!」みたいな(笑)。





──自分の音楽ってなんだろう?


茂木:教授は、音楽についてはスパルタだったんですか?

坂本:でも、そこで教えてくれるわけじゃないんですよ。
教えてくれる忍耐力はないんです(笑)。

茂木:ご自身が出来すぎちゃうから、求めちゃうのかな。
美雨さんは、ご両親とも偉大なミュージシャンだから、そのプレッシャーを上手く気にしないでやられているように見えるんですけど。

坂本:デビュー当時も気にしてなかったんですけど、20代半ばが、自分の行き詰まりというか……”自分の音楽ってなんだろう?”と思ったときに、親ほど自分の音楽を確立できてないなっていうのが恥ずかしいというか…。

茂木:まず20半ばだし、比べる相手がちょっとね(笑)。
でも、大変でしたね。

坂本:そうですね。でも、それは今の時代の自分のスタイルっていうのがあるなって、途中から思って。

茂木:きっかけは何だったんですか??

坂本:新しい作品を、親の事とか知らない外国の方と一緒に作ったんですよ。それが良かったですね。

茂木:自由になっていった、というか?

坂本:そうですね。
最近はネットとか見ていると、猫がきっかけで私のことを知ってくださった方も増えてきて(笑)。
親のことを知らないで、”猫の人だ”と思って、知ってくれた人もいるんです。
長く続けると、そういうこともあるんだなと思って(笑)。
どんな風に広がっていくのか、わからないものだなって思いますね。





──自由な形



茂木:今後の坂本美雨さんの活動って、どんなイメージでいらっしゃるんですか?

坂本:坂本美雨 with CANTUSとしても、もう一枚アルバムを作る予定です。
やりたい曲が多すぎて、フルアルバム作らないと(笑)。

茂木:シリーズ化して、「上・中・下・続」と(笑)。

坂本:やりたいくらいですね(笑)。
昔からの童謡もそうだし、海外の曲もそうだし、世界中のいい歌を歌い継ぎたいなと思いますね。

茂木:スタンダードナンバーとかも、我々は聴いてみたい感じもしますね。

坂本:そうですか?やっぱり(笑)。
童謡とかね、みんなが知っている、すっと入ってくる曲も歌いたいですね。

茂木:あとは、アニメーションの中にこの曲が入ってたり、主題歌になっていたりする感じもいいですね。

坂本:今回はミュージックビデオも作ったんですけど、映像にすると、より世界観が伝わると思います。
そういうところでの人とのコラボレーションも、私たちはウェルカムなので。

茂木:ぜひ、見てみたいですね。





「坂本美雨 オフィシャルサイト」

「ミニアルバム「Sing with me」特設サイト」

※インタビュー中にあった、坂本美雨さんのイベントですが、二子玉川のアートフェス「TOKYO ART FLOW」に参加されます。
詳しくは、特設サイトでチェックしてください。


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次回のゲストは、東京にある大日本印刷が運営するDNPミュージアムラボで、
フランス国立図書館とのコラボ展、「体感する地球儀・天球儀展」の為に来日された、フランス国立図書館、地図部門の学芸員、クレール・シュメル(Claire Chemel)さんをお迎えしてお話を伺います。
どうぞお楽しみに。