Dream Heart(ドリームハート)

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REPORT 最新のオンエアレポート

Dream HEART vol.574 タレント・ファッションプロデューサー Pecoさん 著書「My Life」

2024年03月30日

Pecoさんは、1995年、大阪府のお生まれ。

原宿系ファッションのカリスマ読者モデルとして10代を中心に絶大な人気を集め、
パートナーのryuchellさんと、バラエティ番組やテレビCMなどに多数出演し、
注目を集めました。

一児の母となった現在は、育児や生活の様子を投稿したSNSが人気で、
2023年には、自身がデザイナー・プロデューサーを務める
「Tostalgic Clothing」のデザイナー&プロデューサーを務めていらっしゃいます。


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──ryuchellさんとの奇跡

茂木:Pecoさんは原宿時代にryuchellさんとの奇跡の出会いがあったそうなんですけど、本当にピタッと合っちゃったんですね。

Peco:そうですね! ryuchellも同い年なので、高校を卒業して同じタイミングで沖縄から上京して。ryuchellの方が先に古着屋さんで働いていて、そこに私がバイトで入って、一目見た瞬間にお互いに一目惚れ、という感じでしたね。

茂木:Pecoさん初のエッセイ本『My Life』の中にも書いてあるんですけど、実は後でわかったことは、ryuchellさんが初めて好きになった女性がPecoさんだった、と。「初めて」と言うか「唯一の」ということになりますが、今振り返るとどうですか?

Peco:ryuchellが「実は自分はこうなんで…」ということを私に頑張って話してくれた時に、初めて(女性を)好きになったのが私なんだということを言ってくれて、本当にもう「よう好きになってくれたな!」というのが第一声というか(笑)。「ほんまかいな」という感じでした。

茂木:世間は、その後ryuchellさんがカミングアウトされた時にちょっとびっくりしたんですけど、ryuchellさんはやっぱり子供の頃からそういう自分がいて。そんなryuchellさんが、Pecoさんと出会ってPecoさんを女性として好きになったというのは、凄いことじゃないですか?

Peco:だから本当に奇跡だなと思って。ただでさえ私は、男とか女とか関係なく、自分が好きだと、自分が愛したいと思った人に出会えたことがまず第一の奇跡だと思いますし、その次に、自分が愛した人が自分に愛を返してくれることもまた奇跡なのに、更に、初めて性別で言うと女性という私を好きになってくれて愛してくれたというのは本当に奇跡すぎるし。もう本当に、感謝でしかないですね。

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茂木:今ジェンダーの問題は非常に関心が高いんですけど、ryuchellさんが愛した唯一の女性はPecoさんだった、と。でも元々は男性が好きという気持ちもあった、と。我々がこれからその辺りをどう考えていけばいいのか、ご自身の経験からどう思いますか?

Peco:ちょっと冷たい言い方になるかもしれないですけど、正直に言ってしまえば私も当事者ではないので、本当にまだまだ分からないんです。

茂木:ryuchellさんの心の動きとかについては、ということですか。

Peco:そうですね。きっと全然、50%も分かってあげられていなかっただろうし、今も分かってあげられないだろうなとは思うんですけど、でもそれもしょうがないと思うんですよ。もうそれは当事者どうのこうのじゃなくて、人と人が100%分かり合うなんてその方が奇跡なことだし。ただ、「分からないけど、分かってあげたい」というその姿勢が、人と人の絆を深めるのかな、とは思います。
だから、もし周りにLGBTQとかそういう方がいても、「分かってあげられないな」じゃなくて、「分かってあげられなくても、分かってあげたいよ。あなたのことが大切だよ」というその想いさえあれば、もう十分なのかなと私は思いますね。

──多様性とは

茂木:この『My Life』の中にもありますが、ryuchellさんがそういうことを仰った時に、男性が好きだとしても今まで一緒にいた関係というのは続けられないのかな、という気持ちも、Pecoさんの中で少しはどこかにありませんでしたか。

Peco:ありました。でも、その気持ちがありながらこれからも“男と女”という関係を続けるというのは、3日ぐらい考えて、私は無理だろうな、と思いました。そこで腹を括ったということじゃですけど、そう思えましたね。ただ、男が好きでも女が好きでも「家族」という中にいることは絶対にできるはずだから、ということで、凄くいっぱい話し合いをしました。

茂木:家族のあり方というのは、もっと自由で色んな可能性があってもいいということですかね。

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Peco:そうですね。今でこそちょっと減ってきたかもしれないですけど、「家族」と聞くと、お父さん、お母さん、あと子供が2人とわんちゃん、みたいな(笑)。そういうのをパッと想像しがちですけど。でも本当にそんなのは全く決まっていなくて、パパとパパでもいいし、ママとママでもいいし、ママだけでもいいし、おじいちゃんおばあちゃんと子供でもいいし。そのお家が「家族だ」と言えば家族だと思うので、それは私もこれから息子にもずっと伝えていきたいなと思っていますね。

茂木:ryuchellさんとPecoさんの生き方について書かれている、今回祥伝社が出ました、初のエッセイ本『My Life』。これからの我々の自由な生き方とか、自分らしい生き方を支えてくれるバイブルみたいな本だと思うんです。

Peco:ありがとうございます!

茂木:一方で、一部、SNSとかで色々心無いことを書いていらっしゃる方もいたじゃないですか。ああいうのは、どう受け止められていたんですか。

Peco:そもそも、まず私達のこの家族の形を皆様にお知らせするにあたって、「絶対にその形はおかしいよ」と思う方は絶対にいる。それも覚悟の上ということではないですけど、そう思われて当たり前だというのは大前提で、2人で話していました。
その後、やっぱり実際にそういうお声もいっぱい頂いたんですが、正直、私の思っていた以上に温かいお声があるなというのが最初の印象だったんですよね。もし私が逆の立場で、今までカップルでやっていた芸能人の2人がこういう発表した時に、私はこんなに優しい言葉をかけられるだろうか、と思ったぐらい、優しい人がいっぱいいるなと本当に思いました。
逆に、「それはどうなの?」という声を下さった方にも、私は正直「いや、そりゃそう思うよね」と思いましたね。本当に信じられないような悪い言葉のものは違いますけど、意見としてなら、皆それぞれに想いとか考えがありますから。

茂木:そういう(アンチの)意見の方の存在を認めると言うか、受け入れる、と。

Peco:そうですね。言ってしまえば、私もその考えに対して「いや、でもさ」と思う気持ちはあるけれど、反論をしてしまえば、もう同じことで。
私の思う多様性というのは、私達のような「ちょっと普通じゃないけど、これがいい形だよ」みたいにしている人のことを「素敵だね」と言うことだけが素晴らしいわけじゃなくて、「それもどうなの?」と思う人のことも受け入れて、「そうですね。あなたはそう思うんですよね。分かりました」と。それが多様性だと私は思うんですよ。私も誰かに嫌なことを思う時もあるし、「なんやそれ?」と思うことも日々いっぱいあるけど、それを押し付け合うことはもう“多様性”というものからかけ離れているなと思いますね。

茂木:素敵だなぁ。

Peco:ありがとうございます(笑)。

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↑※茂木さんが番組の中で褒めていた、
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祥伝社 公式サイト