2025年02月08日
今夜ゲストにお迎えしたのは、映画『美晴に傘を』で主演を務められました、俳優の升毅さんです。
升毅さんは、1955年、東京都のお生まれです。
近畿大学経済学部をご卒業されていらっしゃいます。
大学在学中の20歳で、俳優としてデビュー。
1991年には、劇団『MOTHER』を結成し、座長を務められるなど、大阪を拠点に、舞台役者としてご活躍されていた中、1995年、テレビドラマ『沙粧妙子-最後の事件-』で見せた演技に注目が集まり、以降、数多くのドラマ、舞台、映画作品などで、ご活躍中でいらっしゃいます。

──『王様と私』をインスパイアしたコメディ
茂木:升さん、いよいよ2月13日から、長野・まつもと市民芸術館と、大阪・近鉄アート館で、『殿様と私』の舞台が始まりますね。
升:そうですね。
茂木:これは『王様と私』のインスパイア作品ということで。
升:間違いなく、そういうことですね(笑)。日本に置き換えて、明治19年の東京ということで、まだ殿様から抜け切れてない殿様が、いかにその時代の変化とか色んなことに付いていけるのか、切り替えていくことができるのか、というようなお話ですね。
茂木:この作品は、升さんから見るとどういう作品でしょうか?
升:この時代…明治19年の東京で、元々殿様だった家で起こるすったもんだのコメディーなんですけど。面白おかしく描きつつも、やはりその時代の人たちが感じていた危機感だったりとか、楽しみだったりとか、そういうものがふんだんに出てくるので、歴史的な娯楽作品としても面白いですし、『王様と私』をご存知の方は、「日本版になるとこういう形になるのか」という楽しみ方もできるんじゃないかなと思います。
茂木:映画『王様と私』の主役はユル・ブリンナーで、あの方はスキンヘッドじゃないですか。升さんは素敵なシルバーグレーですから、そこは全然違うんですね。
升:そうですね。この髪で登場するか、また違う形で登場するかもしれないですね(笑)。
茂木:そこは皆さん、舞台を観てください!
僕の手元にある筋書きには、「殿様が時代遅れのちょんまげをからかわれて、怒り心頭に発して、討ち入りをしようと思ったら、息子さんが刀ではなくてダンスで立ち向かうことを提案する。」、という。「アメリカ人女性、アンナ先生の熱血指導のもと、ぎこちないダンスの特訓が始まった。」とありますが、これ、すごく面白そうじゃないですか!
升:ありがとうございます(笑)。
茂木:ということは、踊らなくちゃいけないということですよね。
升:そうですね。踊る羽目になりますね。

茂木:きっと、最初はぎこちないんだけど、そのうちすごい見事な踊りを披露することになるんですね。
升:ユル・ブリンナーはそうでしたよね。
茂木:升毅さんは…?
升:どうなるんでしょうか?
茂木:皆さん、これは観ないといけないです(笑)。
『殿様と私』、2月13日からは、長野県・まつもと市民芸術館、そして2月28日からは、大阪・近鉄アート館で開催ということですが、長野と大阪ではお客さんの雰囲気も違いますかね。
升:そうですよね。長野県で舞台をやるのは初めてなので。でも、この松本の市民芸術館さんは定期的にやっていらっしゃって、こういうプロデュースがあることは知っていたので、「ついに自分もそこに行くのか」という思いですね。
だから、どういうお客様がいらっしゃるのか、想像ができないんですよ。
茂木:松本はね、元々小澤征爾さんのオーケストラ活動もありますし、ものすごく文化的な土地ですよね。
升:芸術に関してはそうですよね。なので、もちろん地元の方もたくさん来てくださると思いますし、東京からわざわざ観に来てくださる方もいらっしゃると思うので。
茂木:こちらは本当にウェルメイドな作品ということで。
(作・演出の)マキノノゾミさんは演劇界の巨匠ですけども、紫綬褒章も受けていらっしゃって本当に定評のある方ですよね。マキノノゾミさんの脚本というのは、俳優として見るとどうですか?
升:僕にとってはもう本当に「マキノくんらしいな」、と言うか。元々彼もM.O.Pという劇団をずっとやっていまして、そこでもやっぱりコメディ部分とシリアス部分をうまく使い分けながら、ちょっと「うわ、カッコイイ…!」というものを入れるんですよ。
茂木:おお!
升:もうね、彼の「何、その、衒いなくそういうシーンを入れるの」っていうところが、僕の好きなところなんですけど。
昔からGS…グループサウンズが大好きで、ジュリーが大好きで、というのがもろに出てしまう。「カッコイイ」が大好きな人なので。
茂木:ということは、升さんの「カッコイイ」シーンも当然ある、と(笑)。

升:やらせて頂かないと、それはもう僕の気も収まらないので(笑)。
茂木:いや〜、それは楽しみだなぁ。
でも、演じられるのが、「お家存続のために西洋文化を学ぼうとする、頑固な殿様役」ということで、ある意味では「皆のために」「仲間のために」という役でもあるんですよね。
升:はい。自分たちの家族や、その仲間たちのために、自分がそれをしなければならない。でもそれを言い訳にしながら、「本当は自分でも変わりたい」という気持ちも、きっとあるに違いない。
茂木:なるほど(笑)。そういう意味においては、升さんが普段から大切にされている「仲間との絆」を表した舞台でもある、ということですかね。
升:そうですね。そうなります。
茂木:本当に楽しみですね。
升さん、この舞台をこれから観る方に、メッセージをお願いできますでしょうか?
升:はい。『王様と私』をご覧になっていない方々…若い方が多いかと思うんですけれども、もちろんご覧になっていた方たちも「日本版になるとこうなるんだぞ」という面白さもありますし、『王様と私』をご覧になっていない方たちが『殿様と私』を観ると、『王様と私』を観たくなるという、そういったお芝居になっておりますので。
茂木:素晴らしい。是非皆さん、ご覧ください。
若い世代で今このラジオを聴いていらっしゃる方の中にも「俳優を目指したい」という方がいらっしゃると思うんですけども、升さんは俳優としてずっとこういう形で活動されてきて、何かアドバイスのようなものはありますか?
升:「いかに続けていく環境が整えられるか」だと思うんですよね。続けないことには先が見えてこないので。辞めることはいつでもできるんですけど、続けることの難しさというのは、やっぱり環境だと思うんですよ。その環境を自分で作っていかないことには続かないし、だから、その中ではやっぱり人間関係。自分が信頼できる人たちをたくさん作ることはすごく大事だと思います。
僕はその先、「自分の今生きている年齢の先には、これからどういう年齢が来るんだろう?」という、そういう想像をしていくと、どんどん明るい未来が見えてくる、楽しい未来が見えてくる、という考え方なんですね。なので、もしそういうイメージを持つことができるなら、次へ次へ次へ、先へ先へ先へ、と進んでいけるんじゃないかな、と思います。

茂木:素晴らしい。今の「辞めることはいつでもできるけど、続けることは難しい」という言葉は本当に素晴らしいですね。
升:本当にそう感じています。
茂木:皆さん、是非参考になさってください。
──升毅さんの『夢・挑戦』
茂木:升さんは既に色んなことをされてきたんですけど、この番組のテーマは『夢と挑戦』なんです。升さんがこれから『挑戦』したいこと、そして『夢』は何でしょうか?
升:僕、今年古希なんですね。70歳になる。お芝居を始めてちょうど50年という節目の年になるんですけど。
60になった時に、それまでは「少しでも若く見せたい」とか、「若い役をやりたい」とかずっと考えていたのが、60を境に「60にしかできないお芝居・表現」、「61にしかできない…」という重ね方をこの10年でするようになりました。「これってまだまだ続けられるな」、「まだまだ新しいな」、「70の自分」、「71の自分」という、やっぱり先にどういう自分が待っているのか、どういう表現ができるのか、プラス、今までやったことのない新しいことを常にイメージしながら、チャレンジしながら、ここから先も進めていけたら、それがこれから先の自分の夢でもあります。
茂木:素敵ですね。
升:いやいや、どうですかね(笑)。
茂木:今回『美晴に傘を』のお父さん役が本当にハマリ役というか、升さんの魅力がフルに出ていたと思うんですけど、これからまた出演される作品で、升さんのそういう年を重ねた魅力がますます深まっていきそうですね。
升:はい。残念ながら、本当にもう年相応の役しか来なくなっていますから(笑)。若い役がなかなか来なくなっているので、逆にそういう意味では、本当に等身大の自分を通して表現することが楽しいですし、そういう升毅をこれからも見て頂ける、という喜びもありますね。

■プレゼントのお知らせ
今週は、図書カード3,000円分を3名さまにプレゼントします!
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、メッセージフォームより、ご応募ください。
私、茂木に聞きたい事や相談したい事など、メッセージを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●升 毅さん (@MASTER1955129KC) / (旧Twitter)公式アカウント
●升 毅さん 公式サイト
●舞台「殿様と私」 まつもと市民芸術館 公式サイト
●まつもと市民芸術館 (@mpac_jp) / (旧Twitter)公式アカウント
●映画『美晴に傘を』(@miharunikasawo) / (旧Twitter)公式アカウント
●映画『美晴に傘を』公式サイト
升毅さんは、1955年、東京都のお生まれです。
近畿大学経済学部をご卒業されていらっしゃいます。
大学在学中の20歳で、俳優としてデビュー。
1991年には、劇団『MOTHER』を結成し、座長を務められるなど、大阪を拠点に、舞台役者としてご活躍されていた中、1995年、テレビドラマ『沙粧妙子-最後の事件-』で見せた演技に注目が集まり、以降、数多くのドラマ、舞台、映画作品などで、ご活躍中でいらっしゃいます。

──『王様と私』をインスパイアしたコメディ
茂木:升さん、いよいよ2月13日から、長野・まつもと市民芸術館と、大阪・近鉄アート館で、『殿様と私』の舞台が始まりますね。
升:そうですね。
茂木:これは『王様と私』のインスパイア作品ということで。
升:間違いなく、そういうことですね(笑)。日本に置き換えて、明治19年の東京ということで、まだ殿様から抜け切れてない殿様が、いかにその時代の変化とか色んなことに付いていけるのか、切り替えていくことができるのか、というようなお話ですね。
茂木:この作品は、升さんから見るとどういう作品でしょうか?
升:この時代…明治19年の東京で、元々殿様だった家で起こるすったもんだのコメディーなんですけど。面白おかしく描きつつも、やはりその時代の人たちが感じていた危機感だったりとか、楽しみだったりとか、そういうものがふんだんに出てくるので、歴史的な娯楽作品としても面白いですし、『王様と私』をご存知の方は、「日本版になるとこういう形になるのか」という楽しみ方もできるんじゃないかなと思います。
茂木:映画『王様と私』の主役はユル・ブリンナーで、あの方はスキンヘッドじゃないですか。升さんは素敵なシルバーグレーですから、そこは全然違うんですね。
升:そうですね。この髪で登場するか、また違う形で登場するかもしれないですね(笑)。
茂木:そこは皆さん、舞台を観てください!
僕の手元にある筋書きには、「殿様が時代遅れのちょんまげをからかわれて、怒り心頭に発して、討ち入りをしようと思ったら、息子さんが刀ではなくてダンスで立ち向かうことを提案する。」、という。「アメリカ人女性、アンナ先生の熱血指導のもと、ぎこちないダンスの特訓が始まった。」とありますが、これ、すごく面白そうじゃないですか!
升:ありがとうございます(笑)。
茂木:ということは、踊らなくちゃいけないということですよね。
升:そうですね。踊る羽目になりますね。

茂木:きっと、最初はぎこちないんだけど、そのうちすごい見事な踊りを披露することになるんですね。
升:ユル・ブリンナーはそうでしたよね。
茂木:升毅さんは…?
升:どうなるんでしょうか?
茂木:皆さん、これは観ないといけないです(笑)。
『殿様と私』、2月13日からは、長野県・まつもと市民芸術館、そして2月28日からは、大阪・近鉄アート館で開催ということですが、長野と大阪ではお客さんの雰囲気も違いますかね。
升:そうですよね。長野県で舞台をやるのは初めてなので。でも、この松本の市民芸術館さんは定期的にやっていらっしゃって、こういうプロデュースがあることは知っていたので、「ついに自分もそこに行くのか」という思いですね。
だから、どういうお客様がいらっしゃるのか、想像ができないんですよ。
茂木:松本はね、元々小澤征爾さんのオーケストラ活動もありますし、ものすごく文化的な土地ですよね。
升:芸術に関してはそうですよね。なので、もちろん地元の方もたくさん来てくださると思いますし、東京からわざわざ観に来てくださる方もいらっしゃると思うので。
茂木:こちらは本当にウェルメイドな作品ということで。
(作・演出の)マキノノゾミさんは演劇界の巨匠ですけども、紫綬褒章も受けていらっしゃって本当に定評のある方ですよね。マキノノゾミさんの脚本というのは、俳優として見るとどうですか?
升:僕にとってはもう本当に「マキノくんらしいな」、と言うか。元々彼もM.O.Pという劇団をずっとやっていまして、そこでもやっぱりコメディ部分とシリアス部分をうまく使い分けながら、ちょっと「うわ、カッコイイ…!」というものを入れるんですよ。
茂木:おお!
升:もうね、彼の「何、その、衒いなくそういうシーンを入れるの」っていうところが、僕の好きなところなんですけど。
昔からGS…グループサウンズが大好きで、ジュリーが大好きで、というのがもろに出てしまう。「カッコイイ」が大好きな人なので。
茂木:ということは、升さんの「カッコイイ」シーンも当然ある、と(笑)。

升:やらせて頂かないと、それはもう僕の気も収まらないので(笑)。
茂木:いや〜、それは楽しみだなぁ。
でも、演じられるのが、「お家存続のために西洋文化を学ぼうとする、頑固な殿様役」ということで、ある意味では「皆のために」「仲間のために」という役でもあるんですよね。
升:はい。自分たちの家族や、その仲間たちのために、自分がそれをしなければならない。でもそれを言い訳にしながら、「本当は自分でも変わりたい」という気持ちも、きっとあるに違いない。
茂木:なるほど(笑)。そういう意味においては、升さんが普段から大切にされている「仲間との絆」を表した舞台でもある、ということですかね。
升:そうですね。そうなります。
茂木:本当に楽しみですね。
升さん、この舞台をこれから観る方に、メッセージをお願いできますでしょうか?
升:はい。『王様と私』をご覧になっていない方々…若い方が多いかと思うんですけれども、もちろんご覧になっていた方たちも「日本版になるとこうなるんだぞ」という面白さもありますし、『王様と私』をご覧になっていない方たちが『殿様と私』を観ると、『王様と私』を観たくなるという、そういったお芝居になっておりますので。
茂木:素晴らしい。是非皆さん、ご覧ください。
若い世代で今このラジオを聴いていらっしゃる方の中にも「俳優を目指したい」という方がいらっしゃると思うんですけども、升さんは俳優としてずっとこういう形で活動されてきて、何かアドバイスのようなものはありますか?
升:「いかに続けていく環境が整えられるか」だと思うんですよね。続けないことには先が見えてこないので。辞めることはいつでもできるんですけど、続けることの難しさというのは、やっぱり環境だと思うんですよ。その環境を自分で作っていかないことには続かないし、だから、その中ではやっぱり人間関係。自分が信頼できる人たちをたくさん作ることはすごく大事だと思います。
僕はその先、「自分の今生きている年齢の先には、これからどういう年齢が来るんだろう?」という、そういう想像をしていくと、どんどん明るい未来が見えてくる、楽しい未来が見えてくる、という考え方なんですね。なので、もしそういうイメージを持つことができるなら、次へ次へ次へ、先へ先へ先へ、と進んでいけるんじゃないかな、と思います。

茂木:素晴らしい。今の「辞めることはいつでもできるけど、続けることは難しい」という言葉は本当に素晴らしいですね。
升:本当にそう感じています。
茂木:皆さん、是非参考になさってください。
──升毅さんの『夢・挑戦』
茂木:升さんは既に色んなことをされてきたんですけど、この番組のテーマは『夢と挑戦』なんです。升さんがこれから『挑戦』したいこと、そして『夢』は何でしょうか?
升:僕、今年古希なんですね。70歳になる。お芝居を始めてちょうど50年という節目の年になるんですけど。
60になった時に、それまでは「少しでも若く見せたい」とか、「若い役をやりたい」とかずっと考えていたのが、60を境に「60にしかできないお芝居・表現」、「61にしかできない…」という重ね方をこの10年でするようになりました。「これってまだまだ続けられるな」、「まだまだ新しいな」、「70の自分」、「71の自分」という、やっぱり先にどういう自分が待っているのか、どういう表現ができるのか、プラス、今までやったことのない新しいことを常にイメージしながら、チャレンジしながら、ここから先も進めていけたら、それがこれから先の自分の夢でもあります。
茂木:素敵ですね。
升:いやいや、どうですかね(笑)。
茂木:今回『美晴に傘を』のお父さん役が本当にハマリ役というか、升さんの魅力がフルに出ていたと思うんですけど、これからまた出演される作品で、升さんのそういう年を重ねた魅力がますます深まっていきそうですね。
升:はい。残念ながら、本当にもう年相応の役しか来なくなっていますから(笑)。若い役がなかなか来なくなっているので、逆にそういう意味では、本当に等身大の自分を通して表現することが楽しいですし、そういう升毅をこれからも見て頂ける、という喜びもありますね。

■プレゼントのお知らせ
今週は、図書カード3,000円分を3名さまにプレゼントします!
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、メッセージフォームより、ご応募ください。
私、茂木に聞きたい事や相談したい事など、メッセージを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●升 毅さん (@MASTER1955129KC) / (旧Twitter)公式アカウント
●升 毅さん 公式サイト
●舞台「殿様と私」 まつもと市民芸術館 公式サイト
●まつもと市民芸術館 (@mpac_jp) / (旧Twitter)公式アカウント
●映画『美晴に傘を』(@miharunikasawo) / (旧Twitter)公式アカウント
●映画『美晴に傘を』公式サイト