Dream Heart(ドリームハート)

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REPORT 最新のオンエアレポート

Dream HEART vol.656 アーティスト こっちのけんとさん 「もう一度紅白に」

2025年10月25日

今夜ゲストにお迎えしたのは、アーティストのこっちのけんとさんです。

こっちのけんとさんは、1996年、大阪府で生まれました。

大学在学中に、アマチュアのアカペラ全国大会「A cappella Spirits」で2年連続優勝し、口だけで曲を演奏する“1人アカペラシンガー”としてYouTubeで活躍。

2022年8月には、初の配信シングル『Tiny』をリリースされ、2024年5月リリースの『はいよろこんで』は、各バイラルチャートを席巻する大ヒット曲となりました。

この『はいよろこんで』で、2024年の日本レコード大賞「最優秀新人賞」を受賞。
また、NHK紅白歌合戦の出場も果たされています。


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──双極性障害だからできることがある

茂木:実は、こっちのけんとさんはいろいろ乗り越えてこられたものがあって。いわゆる双極性障害、“躁うつ”で大変だったと伺っていますが。

こっちのけんと:そうですね。結構大変でしたね。というのも、やっぱりこの躁うつというのは、自分でそれを受け入れると言うか、理解するまでに結構時間がかかってしまうんです。
うつ病というのはすごい分かりやすくて、テンションが低くて体が動かない。これが病気だというのは分かるんですけど、最初僕は、躁うつで元気な状態(躁状態)も病気だと言われることを理解するのが難しくて。
そこから何となく「元気すぎるのも人に迷惑をかけてるのか」ということをうすうす感じながら、この病気と向き合っていっているので、まぁまぁ、乗り越えているのかな? 未だに僕もよく分かっていないんですけど、でもまあ、上手いこと病気とは付き合っていけているかな、とは思いますね。

茂木:会社でお忙しい時期にいろいろ大変だったそうですが、でもそういう形で自分のことが分かったことで良かったところもあるんですか。

こっちのけんと:そうだと思います。それこそ、双極性障害というのはテンションが低い時と高い時を繰り返すので、特にアーティストとして作詞・作曲するとか、人前で歌うとか、そういうことに関しては、むしろ僕にとっては役に立っていると言うか、躁うつじゃないとできなかったな、とすごく思います。
だからすごく不思議なんですよね。「こいつがいなきゃできなかったけど、こいつに足を引っ張られる時もある」みたいな感覚でいるので、もう今となっては親友と言うか…(笑)。

茂木:親友ですか(笑)。

こっちのけんと:そんな感覚ですね(笑)。「こいつにだったら、別に迷惑をかけられてもいいか」みたいな感覚で、病気と付き合っている感じです。

茂木:広く言うと、“自分の個性をどう受け入れるか”、ということだと思うんですけど。

こっちのけんと:そこですね。“病気なのか、自分の素の性格なのか”というような、ここの分別がつくようになってきたのは最近なので、やっとですね。やっと、僕の中でも理解できてきたな、という感じではあります。

茂木:“自分を乗りこなす”、というような表現を使われることもありますよね。

こっちのけんと:はい。文字通り、そうなんです。
テンションが低い時にこそできることもあれば、テンションが高い時にできることもあるので、「テンションが低いから駄目だ」とか、「高すぎるから駄目だ」じゃなくて、その時にできることを意識する方向に考えを変えたことによって、“乗りこなす”ようにはなってきました。

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茂木:リスナーの皆さんの中にもいろいろ悩んでいらっしゃる方がいると思うんですよね。こっちのけんとさんのようにアーティスト活動するということもすごく助けになるでしょうし、それ以外の道もあると思うんですが、リスナーの皆さんに何かヒントのようなものはありますか?

こっちのけんと:いいことなのか悪いことなのか分からないんですけど、僕が最近思うのが、精神がちょっと普通の人とは違う状態の人の方が、強く出られる時もある、ということなんです。

茂木:それはどういうことですか?

こっちのけんと:僕もこの躁うつがあるからこそ、曲作りをしている時に、ちゃんと人に寄り添うこともできるし、全く寄り添えない時間もある。この2つを経験できているからこそ、どっちの気持ちも分かるという、両方の強みがあるのはいいなと思っているんです。
その意識は結構昔からあって。こうやって出させていただく前に、ちょっと番組のADをやらせていただいていた時期があるんですが、要は、裏方を知っているからこそ、表に出た時のありがたみの感じ方が変わる、ということです。
この“表と裏をどっちも知っているからこそ、中間の人間になることができる”という意味で、この双極性障害は“テンションが高いのも低いのもどっちも分かるからこそ、中間にいることができる”ので、それは強みなんじゃないかな、とは思いますね。

茂木:なるほど。
これはリスナーの方もすごく気になるところだと思うんですが、こっちのけんとさんはそういう形でご自分の状態を公表されたじゃないですか。なかなかこういうことを言えないという方もいらっしゃると思うんですけど、その辺りについてはどうですか?

こっちのけんと:僕の場合、言い訳というか逃げ道として言った、みたいなところがありまして。
双極性障害の、明るい“躁”の状態の時に約束していたことが、“うつ”の状態になった時に何もできなくなってしまって、多方面にご迷惑をかけてしまっていたんです。でも個人個人に連絡する体力やその精神もないので、もう公にドン、と言って全員に頭を下げないと満足がいかなかったんです。それで、最後には公表する、という形になりましたね。

茂木:こっちのけんとさんは、言うまでもなく著名人で、インフルエンサーじゃないですか。そういう形で公表してくださることで、すごく多くの方が助かっている部分もあると思うんですよね。

こっちのけんと:そうですね。結構お声はいただきますね。それこそ、僕のサイン会みたいなイベントの時にも同じ病気の方とかがいらっしゃって、「僕の楽曲だったり活動のお陰で、元気をいただくことができてます」と言ってくれるんです。でも、そのお陰で僕もすごく元気が出ると言うか、「やっててよかったな」、「まだまだまだ続けようかな」と思えるきっかけになっているので、本当にお互い様と言うか、人間というのは助け合いだな、と改めて思いますね。

茂木:そういう意味においても、こっちのけんとさんが乗り越えてくださったお陰で、ひょっとしたら多くの方が自分の大変なことを乗り越えられるのかもしれませんね。

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こっちのけんと:その可能性はあると思います。病気によってもいろんな症状が出たりするので多分違うとは思うんですけど、だからこそできることも絶対あるので、“諦めるところは諦めて、ちょっとできそうなところはやる”ぐらいでいいんじゃないかな、とは思っていますね。

茂木:自然体がいいんですかね。

こっちのけんと:そうだと思います。無理してやると、できないところを補おうと頑張ってしまって、しかも自分で無理やり希望を作ったりすると、やっぱりできなかった時に絶望が大きくなってしまう気がするので、僕の中ではあんまり期待しすぎないことを大事にしていますね。

──こっちのけんとさんの『夢・挑戦』

茂木:こっちのけんとさん、この番組のテーマは『夢と挑戦』なんですが、ここからの『夢や挑戦』は何でしょうか?

こっちのけんと:それはもう、もう一度紅白に、ということが、僕の中での1つの目標としてあります。
やっぱりあの年は、運もありつつ、勢いみたいなものもあったから紅白に出させていただけたと思っているので、ここからはより純粋な実力と言うか…、もちろんあの時も純粋な実力だったんですけど、また違った形で紅白に出させていただけたら自分の中ではもう大満足だな、と思いますね。

茂木:また違う形で紅白に出るというのは、本当に素敵なことですね。

こっちのけんと:はい。改めて、僕の中では大きな目標ですね。

茂木:是非、楽しみにしております。
最後に、いろんな方がこっちのけんとさんの活動で勇気づけられていると思うんですが、ファンの方に一言メッセージをお願いします。

こっちのけんと:それこそ『はいよろこんで』で知っていただいた方とかもいらっしゃると思うんですけど、今年は本当にいろんな曲をいっぱい作って、新曲が被るぐらい出させていただいていますし、MVとかも出ますので、是非追いかけていただければ幸いでございます。
あと、やっぱり“ご無理はなさらず”、軽い気持ちで僕のことを推していただければ幸いです(笑)。

茂木:“無理するなよ”という応援ソング『ごくろうさん』、本当に素晴らしいと思うので、是非無理せずに、ですね(笑)。

こっちのけんと:はい、そうしましょう。無理せず。

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■プレゼントのお知らせ

番組では、毎週3名の方に、1,000円分の図書カードと番組特製のエコバッグをセットにしてプレゼントしていますが、今夜は特別に、図書カードを3,000円分にしてプレゼント致します。

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私、茂木に聞きたい事や相談したい事など、メッセージを添えていただけると嬉しいです。

尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。



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