2025年10月04日
今夜ゲストにお迎えしたのは、実写版映画『秒速5センチメートル』の監督、奥山由之さんです。
奥山由之さんは、1991年、東京都のお生まれです。
これまでに、米津玄師さんの『感電』や『KICK BACK』、星野源さんの『創造』といったミュージックビデオや、ポカリスエットのCMなども手がけていらっしゃいます。
また、写真家としてもご活躍されていて、第34回写真新世紀の優秀賞や、第47回講談社出版文化賞・写真賞も受賞されていらっしゃいます。

──映像でしか伝えられない表現
茂木:大河ドラマの『麒麟がくる』。あのメインビジュアルも奥山さんが撮られていますもんね。
奥山:そうですね。
茂木:だから、どこかで見たことがある写真を奥山さんが撮られているんですけど、その奥山さんが今回は映画を撮られたということで。どうですか? 『アット・ザ・ベンチ』という自主制作の映画も撮られているんですけど、こういう商業映画は初ですかね?
奥山:そうですね。これだけの規模というか大型で、商業作品、というのは初めてですね。
茂木:いかがでしたか?
奥山:“チームでものを作る”ということの醍醐味を感じました。やっぱりこれだけの長期間に渡る制作になると、自分だけの力ではどうにもならない部分と言うか、本当に各部署のプロフェッショナルの才覚によって成り立つ、というところがあるので、割と人にお任せしたりとかしたんです。そういうことで作り上げられていくもの、というのが、「こういう創作って初めて体験したな」というような感覚になりましたね。
茂木:主演がSixTONESの松村北斗さん、そしてヒロインが高畑充希さんということで、このお2人はいかがでしたか?
奥山:キャスティングの段階でご一緒したいと思っていた方々に本当に出演して頂けたので、とても光栄なことでした。
あと、アニメーションを実写化するという時にやっぱり「実写でしかできないことをやりたい」という思いの中で、人のちょっとした無意識の表情とか、発言の仕方にしても、発話の澱みと言うか…セリフを綺麗にすっと話すということももちろん大事なんですけど、それに加えてその場での偶発性みたいなものを取り込んでくれるようなキャストの皆さんだったので、それは本当に実写でしか表現できないことだと思いました。人間がそこに息づいているという、“お芝居をしている”というよりは“役柄がそこに息づいている”という実感が得られるようなお芝居をして頂いたかな、と思いますね。

茂木:本当に、“役を演じている”というよりは、“そういう人物がいる”ような感じでしたよね。
奥山:そうですね。そう言って頂いて、ありがとうございます。
茂木:元々奥山さんは、表現において感情を非常に重視されていると思うんですけど、音楽と映画とはどういうものでしょうか。
奥山:今回音楽は、劇伴にしても、主題曲にしても、劇中歌にしても、作品にとっても重要だと思いますし、特に劇伴の江��(文武)さんの楽曲というのは、お1人で全ての楽器を演奏されているので、パーソナルな、小説的な、この『秒速5センチメートル』という物語において、その作り方というのもとても合っていたかな、と思います。江��さん自身の、個人的な、1人で作ることによる原風景が立ち上がる感じ、と言うか、そういうところは重視しましたね。
茂木:実は今、監督に今回の『奥山組 秒速5センチメートルテキストブック』という、非常に細かく精密に色んなコンテキストや背景を分析した資料、そして、『アニメアングル分類とカメラ統計』という、アニメのカット割りとかアングルを分析された資料をお持ち頂いているんですが…。すごく緻密な仕事をされていますよね。
奥山:ありがとうございます。
茂木:奥山監督は元々写真撮影の時も打ち合わせとかを非常に綿密にされて、極端に言うと現場では知り合いを気楽に撮るように撮ればいい、というところまで追い詰めていかれると聞いているんですけど。今回の映画も、コンセプトワークなどを皆でかなり話し合われた、と。

奥山:そうですね。僕は準備が撮影と同じぐらい大事だと思っているので、今回で言うとこのテキストブックは、キャスト、スタッフの皆さんに共有した冊子なんです。
『秒速5センチメートル』の舞台となっている時代背景に何が起きていたか、どういう時代だったか、とか。あとは各登場人物がどういうふうに生い立ちを辿ってきているか、みたいな。劇中では描かれないところも含めて設定をしっかり共有することで、撮影する時にそれだけ土台が固い状態で演じられるように。そうすることで、少しリラックスした、と言うか、偶発的なことも取り込んでいけるんじゃないかな、という思いがあって作ったりしました。
アニメのアングル分析も、新海さんが作られたアニメーションのカットを1カットずつキャプチャーして、例えば“固定カメラで撮られているシーン”と、“カメラが動いているシーン”とか、3章立ての中のそれぞれの章で何割ぐらいが“どういうカメラワークで撮られているか”、“どういうフィルターで撮られているか”とか、そういうところを1回分析してから撮影の画面設計を考えていく、という流れで取り組みました。
茂木:本当に素晴らしい作品をありがとうございます。実写でまた新しい宇宙が開いたような気がしますね。
奥山:ありがとうございます。
茂木:10月10日から、もう本当に多くの方がご覧になると思うんですけど、元々アニメ版の『秒速5センチメートル』は世界的にファンが多くて、今回の実写版も釜山国際映画祭への出品が決まったということですが、どうですか? この映画、世界ではどんなふうに受け止められますかね?
奥山:楽しみですね。 ちょっと想像し得ないと言うか。
ただ、セリフでの表現みたいなところはもちろん大切にしつつ、更に表情だったり、映像でしか伝えられない表現というのも多々あると思うので、言語とか文化とかを超えて、普遍的に誰しもが感じるような、幼少期の純真さとか、青春の高潔さみたいなものとか、大人になることの惑いみたいなものとか、そういうことは伝わるといいかな、と思います。
茂木:本当に多くの方が心を動かされる作品になると思うのですが、『秒速5センチメートル』を楽しみにしているリスナーの皆さんへ、何かメッセージをお願いしてよろしいでしょうか?
奥山:日々いろんな悩みとか不安とかあるとは思うんですけれど、そういう中でこの作品を映画館で観た時に、「大丈夫だよ」と背中に手を添えてもらえるような作品になったと思うので、是非劇場でご覧頂けたらと思います。

●実写版映画『秒速5センチメートル』公式サイト
●実写版映画『秒速5センチメートル』(@5cm_movie_2025) 公式 X(旧Twitter)
●実写版映画『秒速5センチメートル』(@5cm_movie_2025) 公式Instagram
●奥山由之 (@okuyama_333)さん 公式 X(旧Twitter)
● 奥山由之(@yoshiyukiokuyama)さん 公式Instagram
●実写版映画『秒速5センチメートル』予告編 - YouTube
奥山由之さんは、1991年、東京都のお生まれです。
これまでに、米津玄師さんの『感電』や『KICK BACK』、星野源さんの『創造』といったミュージックビデオや、ポカリスエットのCMなども手がけていらっしゃいます。
また、写真家としてもご活躍されていて、第34回写真新世紀の優秀賞や、第47回講談社出版文化賞・写真賞も受賞されていらっしゃいます。

──映像でしか伝えられない表現
茂木:大河ドラマの『麒麟がくる』。あのメインビジュアルも奥山さんが撮られていますもんね。
奥山:そうですね。
茂木:だから、どこかで見たことがある写真を奥山さんが撮られているんですけど、その奥山さんが今回は映画を撮られたということで。どうですか? 『アット・ザ・ベンチ』という自主制作の映画も撮られているんですけど、こういう商業映画は初ですかね?
奥山:そうですね。これだけの規模というか大型で、商業作品、というのは初めてですね。
茂木:いかがでしたか?
奥山:“チームでものを作る”ということの醍醐味を感じました。やっぱりこれだけの長期間に渡る制作になると、自分だけの力ではどうにもならない部分と言うか、本当に各部署のプロフェッショナルの才覚によって成り立つ、というところがあるので、割と人にお任せしたりとかしたんです。そういうことで作り上げられていくもの、というのが、「こういう創作って初めて体験したな」というような感覚になりましたね。
茂木:主演がSixTONESの松村北斗さん、そしてヒロインが高畑充希さんということで、このお2人はいかがでしたか?
奥山:キャスティングの段階でご一緒したいと思っていた方々に本当に出演して頂けたので、とても光栄なことでした。
あと、アニメーションを実写化するという時にやっぱり「実写でしかできないことをやりたい」という思いの中で、人のちょっとした無意識の表情とか、発言の仕方にしても、発話の澱みと言うか…セリフを綺麗にすっと話すということももちろん大事なんですけど、それに加えてその場での偶発性みたいなものを取り込んでくれるようなキャストの皆さんだったので、それは本当に実写でしか表現できないことだと思いました。人間がそこに息づいているという、“お芝居をしている”というよりは“役柄がそこに息づいている”という実感が得られるようなお芝居をして頂いたかな、と思いますね。

茂木:本当に、“役を演じている”というよりは、“そういう人物がいる”ような感じでしたよね。
奥山:そうですね。そう言って頂いて、ありがとうございます。
茂木:元々奥山さんは、表現において感情を非常に重視されていると思うんですけど、音楽と映画とはどういうものでしょうか。
奥山:今回音楽は、劇伴にしても、主題曲にしても、劇中歌にしても、作品にとっても重要だと思いますし、特に劇伴の江��(文武)さんの楽曲というのは、お1人で全ての楽器を演奏されているので、パーソナルな、小説的な、この『秒速5センチメートル』という物語において、その作り方というのもとても合っていたかな、と思います。江��さん自身の、個人的な、1人で作ることによる原風景が立ち上がる感じ、と言うか、そういうところは重視しましたね。
茂木:実は今、監督に今回の『奥山組 秒速5センチメートルテキストブック』という、非常に細かく精密に色んなコンテキストや背景を分析した資料、そして、『アニメアングル分類とカメラ統計』という、アニメのカット割りとかアングルを分析された資料をお持ち頂いているんですが…。すごく緻密な仕事をされていますよね。
奥山:ありがとうございます。
茂木:奥山監督は元々写真撮影の時も打ち合わせとかを非常に綿密にされて、極端に言うと現場では知り合いを気楽に撮るように撮ればいい、というところまで追い詰めていかれると聞いているんですけど。今回の映画も、コンセプトワークなどを皆でかなり話し合われた、と。

奥山:そうですね。僕は準備が撮影と同じぐらい大事だと思っているので、今回で言うとこのテキストブックは、キャスト、スタッフの皆さんに共有した冊子なんです。
『秒速5センチメートル』の舞台となっている時代背景に何が起きていたか、どういう時代だったか、とか。あとは各登場人物がどういうふうに生い立ちを辿ってきているか、みたいな。劇中では描かれないところも含めて設定をしっかり共有することで、撮影する時にそれだけ土台が固い状態で演じられるように。そうすることで、少しリラックスした、と言うか、偶発的なことも取り込んでいけるんじゃないかな、という思いがあって作ったりしました。
アニメのアングル分析も、新海さんが作られたアニメーションのカットを1カットずつキャプチャーして、例えば“固定カメラで撮られているシーン”と、“カメラが動いているシーン”とか、3章立ての中のそれぞれの章で何割ぐらいが“どういうカメラワークで撮られているか”、“どういうフィルターで撮られているか”とか、そういうところを1回分析してから撮影の画面設計を考えていく、という流れで取り組みました。
茂木:本当に素晴らしい作品をありがとうございます。実写でまた新しい宇宙が開いたような気がしますね。
奥山:ありがとうございます。
茂木:10月10日から、もう本当に多くの方がご覧になると思うんですけど、元々アニメ版の『秒速5センチメートル』は世界的にファンが多くて、今回の実写版も釜山国際映画祭への出品が決まったということですが、どうですか? この映画、世界ではどんなふうに受け止められますかね?
奥山:楽しみですね。 ちょっと想像し得ないと言うか。
ただ、セリフでの表現みたいなところはもちろん大切にしつつ、更に表情だったり、映像でしか伝えられない表現というのも多々あると思うので、言語とか文化とかを超えて、普遍的に誰しもが感じるような、幼少期の純真さとか、青春の高潔さみたいなものとか、大人になることの惑いみたいなものとか、そういうことは伝わるといいかな、と思います。
茂木:本当に多くの方が心を動かされる作品になると思うのですが、『秒速5センチメートル』を楽しみにしているリスナーの皆さんへ、何かメッセージをお願いしてよろしいでしょうか?
奥山:日々いろんな悩みとか不安とかあるとは思うんですけれど、そういう中でこの作品を映画館で観た時に、「大丈夫だよ」と背中に手を添えてもらえるような作品になったと思うので、是非劇場でご覧頂けたらと思います。

●実写版映画『秒速5センチメートル』公式サイト
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