
カキのシーズン真っ盛り。岡山県の日生(ひなせ)のカキは、広島・宮城に次いで全国で3番目の生産量を誇ります。通常ならば2〜3年かけて養殖されるカキですが、日生のカキは1年で出荷されます。この養殖期間の短さは全国的にも珍しいそうです。その身の引き締まった若いカキが食べることができる秘密は、日生の海の豊かさ。「おいしいカキづくりには、まずは自然環境を整えないと」と、日生のカキ養殖業者さんや漁師さんたちが、自分たちの手で地道な努力を続けられているのです。底引き網を使って定期的に海底のゴミを拾い、そしてアマモの生える藻場を蘇らせようとしています。アマモは、酸素を海中に供給し、太陽の光が届くように海底の底上げもします。そして、魚の産卵場や稚魚の隠れ家にもなる「海のゆりかご」。こうした漁師さんたちの取り組みは20年前から続いています。「海の恵みを受けてきたので、良い環境の海を未来へ引き継ぎたい」という漁師さんの言葉が印象的でした。