
今日はエベレストでの話。1997年に初めて登りに行ったんですが、びっくりしました。ごみだらけだったんです。ごみをよく見たら、漢字にひらがな、カタカナ。日本語のごみです。世界中の登山家から、「おまえたち日本人のマナーは悪い」と叱られました。それが非常に悔しかったんですね。
じゃあごみを拾おうかと。そこからエベレストの清掃活動が始まりました。今年で8年目です。ごみの種類は、酸素ボンベ、テント、食糧などあらゆるものがあるんですが、これまでの7年間で7トン以上を回収しました。
今年、嬉しかったのは、地元のシェルパが、「自分たちの山だから自分たちでやる」と言ったんです。ネパール人が、自分たちで、清掃活動をスタートしたんですね。ぼくも参加してきたんですが、地元の人が動いたということが非常に嬉しいです。活動から伝えられることがあるとエベレストで感じました。
たとえば日本には三大霊峰がありますよね、富士山、館山、白山です。あるとき、白山に行ったんです。登山者の大半が地元の方なんです。これは富士山と大きく違うところです。
登っていると、上からたくさんの人が降りてきますよね。野口さん、ようこそ」って言うんです。「ようこそ」っていい言葉だと思ったんですが、自分たちの白山だという意識が強いんですね。ごみも少ないんです。
山小屋の方に、「なんでごみが少ないんですか」って聞いたんです。そしたら、「県外の人は捨てる」と。「でも、それをすぐに地元の登山者が拾うんだ」。そこで思ったんですね。地元の人に愛されている山はキレイなんですよ。


