
新潟県の佐渡トキ保護センターでは、トキの保護と増殖を目的に、自然放鳥に向けた飼育、訓練が行われています。
平成20年から始められたトキの自然放鳥も6年目となり、この春は11組のペアから31羽が巣立ちしました。(環境省調べ)
トキの自然放鳥と同時に、佐渡市ではトキと暮らす郷づくりの取り組みが始まりました。
1年を通して「生きものを育む農法」、トキを含めたすべての生き物が安心して住める水田環境を整えるため、以下の4つの事を行い、水田環境を整えました。
(1)田に江(深み)をつくり、田から水を抜く中干し期でも水がなくならないようにする。
(2)稲刈り後、冬にも田に水を張り、越冬の場所にする。
(3)田と水路をつなぐ通路、魚道をつくり、ドジョウなどが自由に出入りできるようにする。
(4)田に隣接して1年中水を張ったビオトープをつくり、生きものが安心して棲める場所を用意する。
トキの放鳥が始まってからの5年間で、佐渡市では約630名の方がこの農法に取り組むようになりました。それにあわせて、生きもの調査を年2回実施する、農薬、化学肥料を従来の半分以下にして栽培する、などの条件を満たした農家が佐渡で栽培したお米・コシヒカリを、佐渡市が「朱鷺と暮らす郷」米として認証し、全国に向けて奨めてきました。
現在では、全国で300を超える米穀店、大手量販店で販売されているそうで、その売上の一部は、佐渡朱鷺保護基金に寄付され、その生息環境の復元に役立てられています。
佐渡で行われているトキを野生に戻そうとする試みは、トキが住める水田環境に戻すという、農家の方々の地道な努力とともに進められてきました。
そこには、トキを愛し、佐渡の自然を愛する気持ちが込められています。


