
石割桜は樹齢およそ360年ほどのエドヒガンザクラで、かつて盛岡藩南部家の家老屋敷があった場所、現在は 盛岡市中心部の官庁街の中にある盛岡地方裁判所の構内に咲いています。
名前のとおり、巨大な花崗岩の割れ目から大きく伸びている桜で、桜が根を張って岩を割って育ってきたという説と、落雷で割れた岩の間に桜の種子が入り込み成長したという説などがあって、どうして岩の間から桜の木が伸びているのか、はっきりとは実はわかっていません。
ただ、その生命力の強さと、珍しさから 大正12年には国の天然記念物にも指定され、現在でも毎年見事な淡いピンク色の美しい花を咲かせ、地元住民や観光客の目を楽しませています。
そしてその石割桜の命を80年ほど前から代々守りつづけているのが、(有)豊香園の庭師の皆さんです。現在は5代目 藤村孝史(たかし)さんと6代目 藤村尚樹(なおき)さんが受け継いでいて、冬の間はコモと言われる藁をまいて雪囲いをしたり、枝を雪の重さから守るために縄を張り巡らすなどご苦労を重ね、守り続けています。
そんな庭師の皆さんの熱意が通じているのか、定期的に割れ目の大きさを図っているそうですが、この2年間で、およそ5センチも広がっているのだそうです。360年経った今も石割桜が成長していることを表していますね。
近年はここ盛岡市も、夏には暑い日が続くようになり、樹木にとっても厳しい気象条件が続いています。また昨年は、4月に急激に気温が上昇したためか、花と葉が同時に咲くという珍しい現象もありました。
しかしながら石割桜の生命力は、震災にも負けない岩手を象徴するかのような力強さを感じさせてくれますし、花を愛でることで勇気をもらっている人も大勢います。
これから先も、末永く美しい花を咲かせてくれることを願いたいと思います。


