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『“ついで”が育むセーフティネット』

小川さやかさん 第3回未来授業 Vol.2015
Podcast
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香港のメインストリート、“ネイザンロード”に面して建つ巨大な安宿街、チョンキンマンション。
そこには、中古車や中古スマホ、洋服などを、本国の売れ筋を見極め、送り出している、タンザニアの交易人たちが暮らしています。彼らはSNSを駆使しながら、人ではなく、その人が置かれている“状況”を信頼することで、商売をしています。ちょっとドライな感じもしますが、その考え方は、商売だけでなく困難が起きたときにもうまく機能していました。
チョンキンマンションのボス、カラマさんが作り上げたタンザニア人の組合はどう動くのか? ひとつのモデルケースで考えてみましょう 。

未来授業3時間目、テーマは 『“ついで”が育むセーフティネット』


◆小川さやか 1978年愛知県生まれ。専門は文化人類学、アフリカ研究。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程指導認定退学。博士(地域研究)。日本学術振興会特別研究員、国立民族学博物館研究戦略センター機関研究員、同センター助教、立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授を経て、現在同研究科教授。『都市を生きぬくための狡知――タンザニアの零細商人マチンガの民族誌』(世界思想社)で、2011年サントリー学芸賞(社会・風俗部門)、『チョンキンマンションのボスは知っている――アングラ経済の人類学』(春秋社)で、2020年、第8回河合隼雄学芸賞、第51回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。そのほかの著書に『「その日暮らし」の人類学――もう一つの資本主義経済』(光文社新書)がある。