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19.12.12
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復旧へ進む、さんてつ沿線をめぐる旅!

全国各地の災害被災地の「今」と、その土地に暮らす人たちの取り組みや、地域の魅力をお伝えしていくプログラム、「Hand in Hand」。

今週のテーマは・・・「復旧へ進む、さんてつ沿線をめぐる旅!」

「さんてつ」こと、三陸鉄道。NHKドラマ「あまちゃん」の舞台にもなった、おなじみのローカル線ですよね。

東日本大震災の5日後には一部区間で運行再開、被災地に勇気を与えたニュース、覚えている方も多いはず。まさに復興のシンボル。岩手県沿岸部の人々の日常のインフラ、そして美しいリアス式海岸を臨む車窓の風景は、観光の大切な資源としても親しまれてきました。

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★三陸鉄道 https://www.sanrikutetsudou.com/


今年3月には、JR山田線の沿岸部区間が復旧し、三陸鉄道に移管。北側の三陸鉄道「北リアス線」と、南側の「南リアス線」とつながって、文字通り岩手沿岸を南北に結ぶ1本の路線、「三陸鉄道リアス線」として、全線が開通したばかりでした。

8年ぶりに聴こえた汽笛、レールが軋む音・・・地域の皆さんにどれほどの感慨があったことか。

ただ、喜びもつかの間。ご存知の通り、今年10月の台風19号の影響で、さんてつは一部区間を除いて運休となってしまいました。

今回の取材では、今年3月、新たに「三陸鉄道リアス線」の路線としてつながった旧JR山田線の沿岸部区間の駅とその周辺を訪ねました。

まず最初に訪れたのは、リアス線釜石駅から北上した「鵜住居駅」。ラグビーワールドカップの会場の一つ、「釜石鵜住居復興スタジアム」の最寄り駅です。駅からすぐ、あの興奮に包まれたラグビー場が見える!それだけで興奮!

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そして次の駅が「大槌駅」。人形劇「ひょっこりひょうたん島」のモデルの一つと言われる「蓬莱島」が大槌湾に浮かぶ漁師町で、駅舎そのものが“ひょうたん形”・・・「ひょっこりひょうたん島」をモチーフにしています。ドン・ガバチョなどの人形も駅舎や駅周辺に点在していて、とってもかわいい!

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そんな駅舎めぐりを楽しみながら、一行は三陸海岸のほぼ中央、山田町の「陸中山田駅」に到着。
こちらは山田湾に浮かぶ「オランダ島」をモチーフに、駅舎は可愛い風車の形をしています。
そして新たに整備された駅前の商店街、震災後いち早く国道45号線沿いに整備された商店街、ともに多くの地元客で賑わっていました!
国道45号沿いの「新生山田商店街」の「写真屋KON」のご主人、昆尚人さんは、鉄道の開業までは待てない!と、有志とともにこの商店街の設立に尽力した立役者ですが、そんな昆さんも、「三陸鉄道リアス線」の全線開通を、いつしか待ち望むようになっていたということです。

★新生山田商店街
https://www.facebook.com/shinseiyamada



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昆「2月の初めにテスト運転があって、第1号の列車が山田駅に入ってきたときに、私もカメラを構えながら、駅のところにいたんですが、なにかわからないですけど熱いものというか、8年間の思い出や苦しみや楽しみがよみがえってきたのか、目頭が熱くなった記憶があります」

高橋「電車が開通して喜んだところに、台風の被害がありましたね。」

昆「開通依頼、観光客の方が三陸鉄道で山田にもお立ち寄りいただいていたんですが、山田にくるのをキャンセルする方もいますね。そういった方々の為にも1日でも早く復旧してほしいと思っていますね。」

高橋「山田町、美味しいものも多いし景色もきれいです。この時期、冬にかけてオススメってなんですか」

昆「やはり牡蠣ですね。震災の後は成長が良くなって、大きくておいしい牡蠣が取れるんです。」海水浴場もおすすめですね。荒神海水浴場もキレイですし、来年くらいにはオランダ島海水浴場が海開きができるという話も聞こえています。夏も冬も楽しめます」


ということで「新生山田商店街」にある和食店「いっぷく」でお食事!
こちらは海の幸をふんだんに使ったランチメニューも豊富で超おすすめです。
万里恵さんはどんぶりから天ぷらがあふれるようなド迫力の天丼、スタッフは海鮮ラーメンを満喫!

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すっかり満腹になりました一行はさらに北上。山田町のおとなり、宮古市にある「津軽石駅」に到着。じつはロケ日の11月30日は、まさに津軽石駅〜宮古駅の運行が再開した日でした!駅ではまさに列車が到着する瞬間に遭遇して思わず撮影!

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「津軽石駅」は三陸鉄道リアス線の駅の中でも、とりわけローカル感が抜群!超のどか!逆に言えば以前に比べて住宅は減り、商店らしきものも見当たらない過疎の集落です。
そんな町に一軒だけ、灯りを点すお店があります。
名前は「ひろや食堂」。
ここじつは通には知られる、ご当地“重茂のワカメ”を使った美味しいラーメンが食べられるお店なんです!

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こちらが「ひろや食堂」の名物「わかめラーメン」。
東日本大震災のあと、お店のご主人と奥様は、一度は店の再開を諦めたそうなのですが、“暇ですることないから”再開を決意。
自力でかさ上げ工事などをして、翌年1月1日にお店を再開しました。
しかも新たなメニューを作ろうと、地域を代表する名産品である重茂のワカメに着目。
横浜の製麺所で製麺の修行までして、ワカメを粉にして麺に練り込んだ、このラーメンを完成させたのだそうです。
おかみさんの木村暢子さんは、「主人の生まれが重茂だし、とにかくわかめが美味しいんですね。
色が綺麗で肉厚で溶けも少ない、歯ざわりもいいんです」と教えてくれました。

高橋「震災から8年が経過してリアス線として山田線が今年の春に再開しました」

木村「リアス線が通るとやはり違いますね。乗ってこちらのお店に食べに来てくれる方も多かったですよ。(台風のあとは) この店も、湖の中に立っているような状態になったんです。浸水しなかった分幸いでした。これから電車が再開したら買い物でも何でも来てほしい。汽車が通るだけでだいぶ違いますから」


※「ひろや食堂」のわかめラーメン780円 /月曜定休

12月12日現在、津軽石駅から宮古駅までは、運行が再開しています。
ぜひさんてつに乗ってこのラーメンを是非食べに行ってほしい!
麺の味をより楽しみたい方には「わかめのざるラーメン」もオススメです。


沿線のどの町をたずねても、8年ぶりの鉄道再開の喜びと、わずか半年で運行休止という落胆、泣いたり笑ったりの今年と、いつかの全線復旧への期待の声が聞かれましたが、最後は宮古駅で、今後の見通しについて、三陸鉄道運行本部長、金野淳一さんに伺いました。

金野「今は全線の3割が動ける状態で、まだ7割が走れていません。走れない区間はバスによる代行輸送しているんですが、列車の本数を全て賄うことができないのでご不便をおかけして申し訳ない状態になっています。今後の見通しとしては、全体調査が終わって少しずつ復旧工事を行っています。年度内に全てを復旧させたいと言うことで進めているところです」

高橋「めどが立っている分、皆さん「やるぞ」という感じになってらっしゃるんですかね」

金野「東日本大震災の時は、北リアス線と南リアス線を3年で復旧させると目標をしっかり立てて、それを実際にやり遂げました。社員もその経験豊富な人間ばかりなので。そういう意味では心強いメンバーですね」

高橋「釜石から宮古まで旅をしてきましたが、見所もたくさんありますし、おいしいものがたくさんあるし、早く復旧してほしいと心待ちにしている方もいらっしゃるはず。直接来ることができなくても募金やお手伝いをすることもできますか」

金野「募金をしていただける方がいらっしゃると言うことで、その窓口を開設しております。会社のホームページをご覧いただければその方法なども出しております。(今後のイベントについては)大船渡の盛駅から釜石の間の「こたつ列車」です。もともとは北リアス線で走らせていたんですが、去年から南の方でも洋風のこたつ列車を走らせておりまして、洋風なので座席にテーブルと布団を置いて足元があったかくなってと言うイメージのこたつ列車です。みかんを食べてもお弁当を食てもお酒を飲んでも、過ごし方はご自由です。社員によるガイドもありますのでぜひ乗りに来て下さい」

高橋「次は車を捨てて列車の旅にします!」

金野「三陸鉄道は台風の被害で一部走れないところもありますけれど、走れるところはどんどん走ってます。楽しい企画、素敵な景色、これから冬になるとますます美味しいものも出てきますのでぜひ遊びに来ていただきたいと思います」

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「走れる区間はどんどん走っています」とおっしゃるとおり、三陸鉄道は、年末年始、来年に向けてもイベントがいろいろ予定されています。例えば1月1日には、「三鉄 初日の出号」が運行。令和最初の初日の出を、列車の窓から拝むことができるそう。そのほか来年3月22日には、東京オリンピックの聖火をさんてつで運ぶという計画も進んでいるということで、そのためにも全線復旧を間に合わせようと、さんてつの皆さんは頑張っています。冬は名物の“こたつ列車”もあります。ぜひ冬の三陸をさんてつで巡る旅、味わってみてください!

★三陸鉄道
https://www.sanrikutetsudou.com/


今回も番組からの“お土産プレゼント”があります。
ロケの途中で立ち寄った山田町で見つけた逸品、ぷっくり美味しい山田湾の牡蠣を燻製にしてオリーブオイルに漬けた「山田の牡蠣くん」を3名様にプレゼントします!

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「Hand in Hand」、来週は福島の高校生たちが学ぶ、放射線教育についてお伝えします。

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