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20.01.23
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福島のこれからを一緒に考える。ふくしま“みち”さがし。

全国各地の災害被災地の「今」と、その土地に暮らす人たちの取り組みや、地域の魅力をお伝えしていくプログラム、「Hand in Hand」。

今週は、被災地の外の方が福島県内の被災地を訪問し、被災地から何をどう伝えるかを考えて発表してもらうという、一風変わったツアーにスポットを当ててお送りします。
テーマは・・・「福島のこれからを一緒に考える。ふくしま“みち”さがし。」
ということで、「ふくしまみちさがし 情熱がっこう」の模様と、併せて小高区の復興の「いま」をお伝えしていきたいと思います。
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昨年12月に福島県南相馬市小高地区で行われた、「ふくしまみちさがし情熱がっこう小高編」で、担任先生役を務めた越智小枝先生
「いちばん最初のきっかけとしては、震災の後に福島では放射線とか津波とかネガティブなことばかりが発信されている中で、その中で“ポジティブに生きている人がいるよ”など、ポジティブなメッセージを発信しようということでポジティブカフェと言う企画が始まりました。そうこうしているうちに実は“こういうことって「中」で話していてもしょうがない、「外の人」を招いて、その人たちが福島を紹介できるようにしていく試みが必要なんじゃないか”ということで、今度は『ポジティブカフェ』を『車座カフェ』という名前に変えて、地域に行って地域の課題を目にしてメッセージを伝えられる人を増やそうということで、“みち”さがしツアー“というツアーが始まりました。”みち“というのは道路の”道“、”未知なるものを探す“という意味なんです。」

越智先生は東日本大震災をきっかけに、福島県の病院へ移り、住民の放射能への不安を解消する活動を続けてきた医師です。現在は千葉県の病院に努めつつ、福島に通う形で復興にかかわっています。

環境省と福島県が運営する「環境再生プラザ」が主催する「ふくしまみちさがし」は、地域の外の方が、避難指示が解除された地域を訪れ、町の再生にかかわるキーパーソンと交流し、一緒に地域の課題を洗い出し、復興を考えるツアーです。
今回の舞台は、南相馬市小高区。伝統行事の相馬野馬追で知られる、歴史もある地区です。
福島第一原発の事故による避難指示は、2016年7月に一部を除いて解除され、様々な課題と向き合いながら、町の再生へ進んでいます。
今回、参加されていた方は、およそ30人。福島で食の安全に取り組む方や、お子さんが福島の学校に通っている縁で関心を持った方、海外からの留学生、旅行ライターさんなど様々な方が参加していました。
そんなツアー一行が最初に訪れたのが、JR常磐線・小高駅からすぐにある「双葉屋旅館」。ここの女将さん・小林友子さんはご主人とともに、震災後は愛知県に避難。見知らぬ土地を転々とする中で、やはり小高に戻ろうと決意。立ち入り禁止解除とともに、小高に通い始め、誰よりも早く町の再生を目指し、「できること」からはじめた方です。

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小林さん
「(双葉屋さんが再開したのは? )正式な解除の日、2016年7月12日です。ここは津波が床上まで来たので、改修しなきゃいけなかったのですが、改修が2013年の8月から始まって、2015年の7月いっぱいかかりました。その2年の間、原町の高見町の仮設住宅に入りました。そこから毎日のように通うんですけど、誰もいないんです。あまりにもいないし、なんかこの中(旅館)にも入れないんですね、自分の家なんだけれども。ホコリも臭いし雨漏りもしていたし、ネズミの被害もあったりして。ロビーのところを一応きれいにして誰かが来たらお茶を飲めるようにしたんですけれども、誰も来ません。だから私は色もないし何もないなと思って、駅前に花を植えました。2013年だと思うんですが、その辺はちょっと記憶がないんですが(笑)。そんなときにいろんな方達とあって、それが久米さんだったり廣畑さんだったり、そういうつながりができたんですよね。だから花はけっして人のために植えたわけじゃないんです。あれは自分のリハビリだと思って植えました。あそこは市の場所だったんですね。でも市の人たちは何も言わないので、ずっと勝手に植えさせてもらってました。人もいないので、信号までのところにプランターを置いて花を植えました。誰もいないんだったらその中でいろんなことを勝手にできるなと、2013年から写真を見たらバーベキューをやっていました(笑)。歩道のところにテーブルを出して椅子を置いてみんなで。好きなことができたんです。何も怒られないし、人もいないし車も通らないというその場所が、今考えるとすごく自由だったです。すごく寂しいんだけれども、何か楽しいことをしたいという思いはあったと思います。」

この双葉屋旅館でのトークセッションは、同じく小高で活動するお2人の女性とともに展開しました。「久米さん」「廣畑さん」という名前で呼ばれていた女性です。3人娘と呼ばれてました…!
それぞれ被災直後、小高に何もないころから活動を続ける「仲間」。誰もいない中、小林さんは、せめて駅前でも賑やかにしようと、公共のスペースでプランターを置いたり、バーベキューをしたりして、いろんな方との繋がりを作ってこられたと。そういう繋がりがあったから、活動を続けられているんですね。

さあツアーは続きます。次にお会いしたのは、小高に移住してきた若者です。
一般社団法人オムスビの森山たかしさん。東京のIT企業に務めていたのですが、震災後、小高に可能性を感じて移住。様々なソーシャルビジネスを展開している方です。

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オムスビ森山貴士さん
「この小高の地域って震災復興でいろんな人が活動をしているんですけれども、まだちゃんとした成果にはなっていないんですね。それは問題解決しないといけないテーマの難しさに対して、それをやるための人であったり、リソース、経営資源、技術とかそういったものが足りていないと僕は捉えているんです。お金はいっぱい入ってきたけど、結局それをうまく活用してビジネスにして続けていく、それをやっていくための人とか組織が足りていない。なので、この目先の1年とか5年で結果を出すというのは諦めて、5年、10年、20年というスパンで考えていた時に、ちゃんとそれを立ち向かってクリアしていける人材を今から育てていこうと思ったんです。それをやるために僕らはこうやって場所を作って、何かをやりたいという人がここに集まってくるようにしています。そして、そういった人たちと一緒に活動をしながら、どうやったらうまくいくんだろうという知見をため込みながら、それを若者に伝えていく。そういった活動の繰り返しをやろうとしていますね。」

森山さんのオムスビは、地域課題の解決を目的に 地元の高校でプログラミングの授業を行ったりもしています。プログラミングのスキルで人材を育て、地域で何かしたい若者をサポートしているんですね。
お話し伺ったのはおしゃれなカフェだったのですが、このカフェもオムスビのプロジェクトの一つ。地元の学生たちがここで働きながら、自分たちのアイデアで様々なことにチャレンジしています。

さて一方、同じく若い世代で、小高で次々にビジネスを立ち上げている方がいます。小高に住みながら東京で複数の会社を経営していたという和田智行さん。和田さんはそれまで経営していた会社を離れ、小高で「ビジネスを生む」ために避難生活を送りながら事業を立ち上げてきた方です。
「小高パイオニアヴィレッジ」という和田さんが立ち上げたコワーキングスペースで、お話しを伺いました。

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「僕らがミッションにしているのが『地域の100の課題から100のビジネスを作る』ということです。当時課題がたくさんあって、しかも原子力災害によってもたらされた課題なので、誰も扱ったことがない課題でした。つまり解決した前例もない、そういう課題がいっぱいある中で、多くの人がこれどうしたらいいんだろうと立ち尽くしてしまった状態だったわけなんですけど、“課題ってビジネスの種だよね”と思ったんです。扱ったことのない課題がたくさんあるなら、それを解決していくことで新しいビジネスが生まれるし、それによってこの地域も暮らしていけるようになります。だから課題が100あるならばそれを解決するビジネスを100作ろうと思ってのスタートでした。

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それで最初に何をしたかというと、まずビジネスを作ろうといっても、当時はそもそも事務所ひとつ借りるのも大変な困難でした。やっぱりみんな帰還するかしないか決めていないし、帰還しないとしても仏壇があるとか先祖伝来の土地だとか思い入れがあるという理由で貸してもらえないというのが普通でした。これでは何かここでやろうと思っても何も始まらないなと思ったので、どんな形にでも自由に使っていただける作業スペース、ワークスペースを作るというところから始めました。双葉屋旅館の隣の建物をお借りして、会員になってもらえれば自由に使ってもらえる作業スペースを提供するという仕事をまず始めました。そこを起点にして、ご飯を食べる場所もなかったので、「おだかのひるごはん」という食堂を作ったり、あるいは南相馬市からの委託を受けて、プレハブの仮設商店を作ったりしました。また、当時若い人が戻ってこないとみんな思い込んじゃっていたんですけど、面白い仕事があれば帰ってこなくたって働きには来るだろうと思って、ガラスアクセサリーの職人を育成して、ガラスアクセサリーを作って販売するという仕事を始めました。この地域で職人の育成を始めたり、そんなことをやってきました。」

町の再生にかかわるキーパーソンと交流し、一緒に地域の課題を洗い出し、復興を考えるツアー「ふくしま“みち”さがし」。南相馬市小高区で実施されたツアーも、いよいよまとめです。
まとめは、参加者30人が3つのグループに分かれてのワークショップ。それぞれ、きょう出会った小高区のキーパーソンから受け取った「言葉」をベースに議論して、グループごとに、小高区のキーパーソンたちの“キャッチコピー”を考えるというもの。

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みなさん小高で活躍する人たちのパワーを受け、白熱した議論になっていました。そして最後は、各グループの発表が行われました。

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「やはり3人娘の力強さというところを凄く実感しました。3人揃っていることであったりとか、女性ならではという部分の話だったり、東日本大震災によって先行きがどういう風になるのかわからないけれども、一日一日の積み重ねの中で、それが実はもう3000日近くになってきているというようなところであったりとか、復興とは元に戻すということではなく、3·11を経験した上で、次はどういう街にしていくかというところを踏まえているというのは、やはりその経験を無駄にしないというところを大事にしているんじゃないかと感じております。そんな話の中で、やっぱり小高が好きなんだろうということで『小高が好き」』。小高が好きなパワフルな3姉妹がいて、その積み重ねが“気がついたら3000日”になっていたというようなところがあるんですね。」

「『おむすび』というお店はおいしいコーヒーとタピオカがあります。森山さんは小高の空気感が好きで、やりたいことが実現できる町と考えました。森山さんがやりたい事は“未来の人材を育成”ということなので、私たちが森山さんにつけたキャッチフレーズは『地元を考える宇宙人(よそもの)』です。

「私たちのチームは小高パイオニアヴィレッジについて話しました。代表の和田さんが大事にしていることが“100の課題から100の事業”。いろんな課題が小高にはあるから、それをチャンスと捉えて仕事を作っていくということを大事にしていました。ホースシェアリングとか、サーフィンの店舗を作るとか、夢が膨らむ仕事について語っていましたよね。そういうたくさんの事業を作っていくことって、特に原発に依存していた福島の土地では大事だったということに気づいたとおっしゃっていました。ただ、100個事業が全てうまくいくわけではない。でも、うまくいかなくてもまた新しいものを作って、作ってはなくなり作ったらなくなりというその繰り返しが、“100の課題から100の事業”と言っていました。そこから私たちが考えたキャッチフレーズはこれです。『生き残るために消えていく』。変わること、消えていく、やめるというのはすごく怖いことだと思うんですが、その覚悟が和田さんの事業を強くしているところなんだ、大切な事なんだなと感じました。」

ツアー終えて越智小枝先生
「福島のことを知りたいと言う人の中には、『結局今福島ってどうなの?』と、“結局”と質問してくる人が多いんです。でも“結局”という言葉では語れるものじゃないよということを知ってもらうためにも、何もこちらは回答を与えないから自分で探しなさいという、ちょっと意地悪な企画とも言えるかもしれません。でもその分、奥の深まる企画なのかなと思います。」

〜越智先生はずっと福島に寄り添ってこられて、今度の3月で9年目になりますが、この先、どんな風に福島を見ていきたいと考えてらっしゃいますか。
「私は結構飽きっぽくて三日坊主で続かない方なんですが、ここ何年も福島に関わってきて、毎年、“今年で終わりかな、来年には復興は終わってみんなの関心も薄れちゃうかな”と思いながら、毎年毎年絶対に飽きないんですね。それこそ向こうが新しいことを始めてくるというのもあるし、街がどんどん変わっていく。それは好奇心旺盛な目で見続けたいし、その中でそういう人たちって「○○をすべき」という言葉を使わないんです。福島の話を東京ですると、『復興ってこうするべきだ、政府はこうするべきだ』となります。この“べき論”をとっぱらった状態で福島と関わっていきたいし、その中で面白いことがあったら心から楽しんで、発信できる限り発信する、行き当たりばったりかもしれないけれども、面白いだけを軸にこれからも関わっていって、自分も固まらずに流れていきたいなと思います。」

参加者の皆さんは最初、被災地を訪れるということで表情も真剣な印象もあったのですが、地元の方と話して、今の生活を知ると、ホッとしたのか、笑顔になっていったのが印象的でした。

今回も番組からの“お土産プレゼント”があります。今回は、小高工房の「小高とうがらしプロジェクト」から生まれた「小高一味辛油」を、3名様にプレゼント!菜種油を使っているのでラー油よりもスッキリした味わいが特徴。餃子や鍋のお供に是非どうぞ!

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関連サイト
復興庁 タブレット先生の「福島の今」
http://www.fukko-pr.reconstruction.go.jp/2018/fukushimanoima/

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