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20.05.28
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おうちでつながる、全国グルメ旅!

全国各地の災害被災地の「今」と、その土地に暮らす人たちの取り組みや、地域の魅力をお伝えしていくプログラム、「Hand in Hand」。

今日のテーマは『おうちでつながる、全国グルメ旅!』


季節はいよいよ梅雨、そして夏へ。この季節の晴れの日はほんとうに気持ちがいいですよね。
ただ、まだまだ遠出のお出かけは控えているという方も多いのではないでしょうか。都会に暮らしている方が、海や山、里山の風景の中で、その土地の美味しいものを食べる・・・というのは、もう少し我慢が必要です。

その一方、今の時代はいろんなツールがあります。
そのツールを使って、こういう状況でも日本全国の農家の方、漁師さんたちとつながって、その土地土地の美味しいものを食べることもできちゃう時代なんです。

そのツールというのが「食べる通信」や「ポケットマルシェ」です。

ということできょうのハンドインハンドは、都市部の消費者とと生産者が 「つながる」ための素敵なアイデアを生み出した方、食べる通信の生みの親で、株式会社ポケットマルシェ代表の高橋博之さんに、その方法を教えて頂きます。


そして今回は、このポケマルでも紹介されている「旬の美味しいもの」 プレゼントもあります!応募方法はこの記事の一番下にありますので、ぜひご応募ください!

***

食べる通信の生みの親で、株式会社ポケットマルシェ代表の高橋博之さんは、この10年一貫して 都市に暮らす消費者と、全国各地の生産者の方を「つなぐ」ことに力を注いできた方。その最初の取り組みが、「東北食べる通信」でした。


――――食べる通信とは。
高橋:僕は岩手の人間なんですけど9年前の東日本大震災で、岩手県大槌町という漁師町の支援に入って、そこで漁師さん達が震災前から実は疲弊してて、魚をとっても貝を育てても飯を食っていけない、若い奴らが出ていき高齢化して、そんななかで津波にとどめを刺されたという話を聞いたんです。初めて漁師の友達ができて、ふだん自分が内陸で寿司屋や居酒屋で食べていた魚を獲っている人たちの世界がこんなに疲弊していたのかという事実を知り、食べ物の裏側の世界に触れたんですね。僕のなかで漁業の価値やお魚の価値がぐっと上がって、この人たちの言い値で買いたい、来年も旬が来たら買いたいという関係ができたので、これは津波の時だけじゃなくて日常もやったらいいんじゃないかと、食べ物付きの情報誌を始めたんです。生産者のライフストーリーがメインで、付録に漁師さんが獲った魚や農家さんが育てた農産物をつけてセットでお送りするサービスを始めたんです。それが「東北食べる通信」。読んで食べると同じ食材でも全く変わる。作り手の思いに触れて食べるとのと、触れずに食べるのは、脳みその情報を使う分おいしさが全然違う。その上で、特集した生産者と、読者がSNSでつながるコミュニケーションが始まって、「こんな風に息子と料理して食べました、ごちそうさまでした」みたいな投稿をお客さんもして、生産者も今までは出荷したらどこの誰が食べるのかわからなかったのが、感想を聞けるのでモチベーションが上がったんです。そういう取り組みを7年続けてきたました。

――――私たちの食卓に並ぶお魚はだいたい切り身ですが、その背景が分かる記事が届くんですね。
高橋:魚も丸ごと届くので、さばく必要があるし、ウニも殻のまんま。野菜もとれたての状態なので根っこや土がついたまま。ワカメも3メートルくらいのをそのまま発砲スチロールに入れて。ワカメってこういう形なんだと、食育にもなります。

――――私も東北でワカメってこんなに長いのだと知りました。そういうことを7年間やってこられて?
高橋:同じような問題がほかの地域にもあるということでいろんな地域の方々から声がかかったので、全国の仲間と「食べる通信リーグ」というのを作って加盟してもらいました。「北海道食べる通信」「熊本食べる通信」と仲間が増えて、いま30カ所以上の熱い生産者を、価値を認めてくれる都会の人に伝えたいという人たちに広がっています。

――――番組スタッフも「食べる通信」を購読していて、春になると牡蠣がごろっと届くとか、季節を感じられたそうです。
高橋:スーパーではどの地域の旬が何かわかりにくい。だけどこれからは飽食の時代なので、旬の希少価値が大事。一週間しか楽しめない食材とか、このタイミングが一番旨い食材とか。温暖化で旬がずれてきているので、必ずしも去年と一緒じゃない。その情報をいち早く取って、食材を手に入れられたときの喜びはこれまでとは違うと思うんですよね。

***

さて、そんな食べる通信を経て、高橋さんが次にスタートさせたのが「ポケットマルシェ(ポケマル)」。どんなものか伺いました。


――――そこから「ポケマル」が生まれたんですか。
高橋:食べる通信は定期購読サービスなのでハードルが高いとおっしゃる方も結構いて。生産者から直接食材を買う経験をしてみたいという声もあったので、食べる通信のノウハウをスマホに詰め込んで、全国各地の生産者が生産物を写真に撮って値付けをして出品すると、東京に暮らしている方がスマホで買えて、次の日に届けてもらえる。簡単にいうと一次産業に特化したメルカリみたいな感じです。だからコミュニケーションができるんですよね。野菜セットを頼むときに、「息子がにんじんが苦手なんです」と伝えると、、「じゃあ、にんじんを減らしてじゃがいもを増やしとこう」なんて会話になったり。いつもポケマルを使っている30代のご夫婦には、「コロナでピンチなんでしょ」と各地の生産者から連絡が来て、「米を送るよ」「野菜を送るぞ」あるいは「子どもが元気を持て余してしてるだろうから、俺の田舎に遊びにこい、預かってやる」という声がかかっていると話も聞きます。故郷がない人が増えているのでそういう方々もお気に入りの生産者を見つけて、夏休みとかに子どもを連れて遊びに行けばいいと思うんですよね。

――――コロナウィルスの影響で、小さい子どもがいて混んでいるスーパーにいけないという人もいます。ポケマルはありがたいですよね。
高橋:僕はいまの流通を、中央集権型と呼んでいます。仮に豊洲で感染者が出ていたら物流は止まったんですよね。東日本大震災後に食べ物が消えたようなになりかねない。ポケットマルシェのように生産者と消費者が直接つながっているモデルだと、物流さえ動いていれば食べ物が届く。コロナで困っているのは都会のママさんだけじゃなく田舎の生産者もそう。出荷先がなくなった。行き場をなくした生産物が各地にあって、このままだと捨てるしかない、いわゆるフードロスの問題になっている。それが買えるならフードレスキューにもなる。しかも鮮度の良い食材を届けてもらえる。悪い話じゃないと思うんですよね。

――――ポケマルにはどのくらいの生産者がいるんですか。
高橋:北海道から沖縄まで2000人の生産者がいらっしゃって、常時3800点があるんですよね。旬があるので、内容も生き物みたいに日々変わっていくんですよね。2000人いるので行きつけの美容院とかじゃないですけど気に入った生産者ができていくんです。そういう生産者さんとの関係を育んでいけば、コロナがいつ収束するかわからないですけど、いつも買っていたあの人のところに子どもと収穫体験に行ってみよう、ということもできる。自然災害が増えるなか、想定外のことが起きたときは、想定内のシステムだけでは対応できなくて、そうすると人と人とのつながりは縦横無尽で、しなやかで、こういう時にたくましい。これをポケットマルシェで広げていきたいなと思っています。


きょうは、「おうちでつながる、全国グルメ旅!」と題して食べる通信、そしてポケットマルシェについて高橋博之さんにお聞きしました。


そして!きょうはプレゼントもご用意しました。この「ポケマル」で購入することのできる 全国の生産者さんの産品の中からまさに今が旬!

熊本県熊本市の菊川農園 菊川敏徳(としのり)さんがつくった『黒小玉スイカ 2玉』をプレゼントします!「今年はコロナ禍で熊本に帰れなかった人、遊びに来れなかった人、この機会に住本の味をおうちで楽しんでみては?大玉とはまた違う甘さの小玉スイカ!農業歴45年のノウハウで、一玉一玉、丁寧につくっている変わらぬ甘いスイカ、ぜひご賞味ください」(ポケマルのサイトより)



熊本市、菊川農園の『黒小玉スイカ 2玉』 ほしい方はこのHPのメッセージフォームからご応募ください。今日の感想や番組へのメッセージもいただけたら嬉しいです。

「Hand in Hand」、来週もポケマル代表の高橋さんが教える、おうちでつながる、全国グルメ旅!のお話です。

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