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20.06.18
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ここは地獄か、天国か。南阿蘇に湧く、地獄温泉


今週フォーカスするのは熊本県・南阿蘇。阿蘇五岳の一つ、鳥帽子岳に湧く「地獄温泉」です。ここで古くから湯治場として栄えてきた地獄温泉・清風荘は、4年前の熊本地震、またその後の土石流で甚大な被害を受けました。


青風荘のオーナー河津誠さんは震災当時の様子をこのように振り返ります。
「6月20〜21日未明の雨で、旅館の東側を流れている川が溢れて土石流が起きました。岩も木も全部混ざった状態で家の半分、敷地の半分が埋まってる状態ですね。でも不思議なもので、気持ちが折れるようなことはありませんでした。地震で全然営業できていないので、そこでゼロと思ってたので。この旅館は僕ら兄弟3人でやってるんですが、3人で「ゼロに何掛けてもゼロだから」というとこで気持ちをおさめました。地震と台風、二重にやられて気持ちが萎えるのが一番まずいですからね。そこで、まずは守るべきものと捨てていいものを整理しようと思い、130年前明治中期の建物と唯一残った温泉、これをシンボルに立ち直ろうと考えました。地獄温泉には3つの泉源が離れた場所にあるんですが、2つは山の崩落で埋まってしまいましたが、残りのひとつだけ湯船もお湯もちゃんと沸いた状態で入れる状況だったんです。それと130年の歴史が壊されなかったので、やり直そうという気持ちになったんです。」


唯一残った「すずめの湯」

あれから4年。一歩ずつ宿の再建に向けて歩み続けています。2019年4月。源泉に直接浸かることができる日帰り温泉、「すずめの湯」がオープン。2019年秋。もう1つの源泉が復活し、「たまごの湯 元の湯」がオープン」。そして今年5月30日、レストラン「山竃処 あそつみ」がオープンしました。



山竃処 あそつみ

「『山竃処 あそつみ』、名前の由来は竃(かまど)のこと。薪を炊いてご飯を炊くかまどのことです。かまどのご飯やかまどで蒸し物をしたり、そういう手間を見ていただくレストランです。あそつみとは、阿蘇のつみ草料理という意味ですね。阿蘇に自生しているものや阿蘇で採れる農産物、そういうものを自分で採ってきてご提供します。」
(清風荘のレストラン、もともとの宿では、ご兄弟それぞれが料理長だったんですよね?)
「旅館としては珍しく、一晩泊まっていただくお料理のコースが10コースもあるような旅館なんです。そのうち私はフレンチをやっていたり、一番下の弟は本格懐石をやっていたり、お鍋の料理、それから炭を使った囲炉裏のお料理とか、常に10種類くらい用意しているわけです。最低10連泊どうぞと言っています(笑)」
(今日のお姿もすごく素敵なコックさんのお洋服を来ていらっしゃいますね)
「これを着るのに4年かかっちゃいましたけどね。」
(本当ですよね。やっとここまでという感じですよね。)
「そうですね。今レストランオープンのところで約3割の復旧状況です。まだ夜の安全が確保できませんので、夜の営業はしていません。ランチの営業のみで、私が作るコースが2コースと、弟が和食中心に作るコースが2つです。



「私が作るのは阿蘇の赤牛を使ったあか牛丼ですね。それをフレンチの味付けで、炭火で焼いたものを丼にしています。マスタードのソースと甘いマデラ酒というお酒を煮詰めたソースと2種類のソースをかけて、食べ分けていただいています。」


被災前の清風荘名物「しし鍋だご汁定食」


阿蘇の山の幸が盛りだくさん!「季節のうどん定食」
タラの芽、ギボウシ、独活、わらび、五三竹、こごみ、せり、いたどり、花ざんしょ。


「こだわりは、火をメインテーマにしました。以前のレストランは水をテーマにしたものだったのですが、それは先代がつくったレストランだったので、この際親父を超えてやろうと思ったんです。各テーブルやカウンターが囲炉裏になっていますす。ここで南阿蘇の伝統的なお料理の串刺しの田楽料理をフレンチのアレンジで出していくというのが今度の夜のメインの料理になります。」


地獄温泉で象徴的な『すずめの湯』
「足元から止めようと思っても止められないくらいお湯が湧いてくる。それが絶妙に冷泉と勝手に混ざってちょうどよくなっています。望んでも手に入らないようなものなんですね。それがとにかく湧き続けていて、溢れかえっているんです。今回僕らはそこに「ライジングエナジー」と名前をつけました。ここを江戸時代に開いた人たちもたぶんそのエネルギーを感じたんだと思うんですよね。これが人のためになるんだ、人を救うんだという思いがあったので、私財をなげうって、この山を開いたんだと思います。私たちも今回はそういうものをテーマにライジングエナジーの手渡し役として、旅館という形をとりながら、みなさんにエネルギーを貯めて帰っていただくというところを目指していますので、最も大切な温泉です。そして、温泉しかわかないような場所に奇跡的に飲み水があるんです。この奇跡をみなさまにお分けしようと、それが信念になっています。」


(美肌効果もすごくありますよね?ツルツルが続く)
「昔から皮膚に対する治療効果があると言われていましたので、非常にお肌にはいいお風呂です。」

今後は宿の完全復活に向けて、新築で離れ3棟が9月の中頃にオープン予定。そしてメインの本館の再建は、来年3月中旬から4月の頭を目指して頑張っているとのこと。

最後に河津さん、コロナの影響で観光のスタイルも変化するのではと話します。
「コロナの影響で観光自体の形も全然変わってくると思います。楽しいところばかり行って騒いでみたいなところから、やっぱりホッとしたり何時間かでもいろんなことを忘れられたり、自分の傷をちゃんと見つめられたり、そういう宿がこれから求められていくと思います。そういう意味では、私たち傷ついた経験を十分にしましたので、そういう方の気持ちがわかるつもりでおります。ぜひ苦しくなったら地獄温泉というふうに思い出していただいて、お訪ねいただければと思います。ここは地獄なので、地獄の底を踏んで頂くと、必ず上に上がっていきます。間違いないです。」」



2019年秋にオープン。「たまごの湯 元の湯」





レストラン『山竃処 あそつみ』店内

地獄温泉「青風荘」公式サイト
http://jigoku-onsen.co.jp/


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●地獄温泉からのプレゼント
高橋万里恵さんも絶賛! 「すずめの湯」の成分を使った石けん、【すずめの湯-南阿蘇を旅して】を3名の方にプレゼントします!ご希望の方は<メッセージフォーム>からご応募ください。
番組の感想、メッセージもお待ちしています。

来週は、熊本地震から4年「アウトドアとレストランの融合! 『Minaasoマルデン』 南阿蘇にオープン!」をテーマにお送りします。

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