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20.08.13
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地域のことを地域で。千葉で始まった災害への備え


千葉県内には、台風15号、19号によって屋根等に被害を受け、現在もブルーシートによる応急処置のまま過ごされている方がいらっしゃいます。そしてまた、今年も台風シーズンがやってきます。そんな中、鴨川や南房総、鋸南町や舘山など千葉県の南部では、次の災害支援を担う人材を育成するためのさまざまな動きが始まっています。そのひとつが「ブルーシートの張替え講習」です。この動きは、今年に入ってからの新型コロナウィルスの問題とも、大きくかかわっています。


そんな中、地域で活動を続けるのが「千葉南部災害支援センター」。この日は鋸南町の住宅街でブルーシートの張替え講習が行われていました。センターの加納基成さんに伺いました。


ブルーシートは長期間風雨にさらされると劣化して裂け破れてしまうという

加納「特に発災初期にブルーシートで対応をされた方がそろそろ劣化の限界に来ていて、土嚢袋は粉々になっているしブルーシートも剥がれたり破れたりしてしまって、そろそろ次の台風のことがあるのでまた張り替えておかないと、という依頼があります。

―――なぜ住宅の修繕が進んでいないんでしょう。

「いろんなケースがあります。僕の富津市の住まいもまだブルーシートです。うちのケースは、修繕業者に発災直後に修理の依頼はしたけれども「準備ができたら連絡します」と言われたままです。それ以外に罹災証明を取っていない方も結構いらっしゃって法的支援に繋ぐことができなかったケースもあるようです。去年は台風のあとも豪雨がやってくるという話があったので、被災を証明する写真を撮影せずに応急修理された方も多かったんですね。結果、公的支援につながっていないんです。保険で賄えるか賄えないとか、罹災証明が取れている取れていないとかいろんな要素の組み合わせで後回しになっている方たちがすごく多い感じです。そして、雨漏りは収まっていたけど今年の長梅雨でまた雨漏りしたというニーズもあります。」

千葉南部災害支援センターは、去年の台風被害をきっかけに、地域内で地域の災害支援ができるプラットフォームが必要だと立ち上がった組織です。実施する講習はOJT(現場講習)という形。
実際にブルーシートの張替えが必要なお家の作業を手伝いながら、安全対策や張替えの技術を学ぶ講習会を行っています。当初は県外からのボランティア団体が指導を担当していました。そして今、新型コロナの影響で県外からのボランティアがなかなか難しくなってしまったということで、「地域で地域のボランティアを育成する」ことが、まさにいま急務になっています。


加納「緑色のビブスを着ている方たちが千葉県にお住まいのいろんな仕事をされている方達です。これから自分たちでブルーシート張りをボランティアでやろうということで、午前中に座学をして午後はこの現場で実際に作業してもらっています。」

―――応募されてくる方はどんな方々ですか。

「消防関係の方や建築関係の方もいらっしゃいますし、いろんな方がいろんな思いで参加しています。千葉は屋根の上の作業が多いのでボランティアに行っても自分ができることが少ないということで、何度か来ていただいている方もいらっしゃいます。災害に備える人材になりたいという想いですかね。」

―――県内の人たちに講習するのは、コロナの影響もあるのでしょうか。

「当初は広島や大阪などいろんな地域から支援に来ていただいていたんですが、もともと最初から「最後は地域の人がやるんだよ」と言われていました。そこにコロナの問題が出てきました。いまのOJT講習は千葉県にお住まいの方という条件をつけざるを得ない形になっています。」


―――屋根の上の作業で大切なことはありますか。

「1階でもそれなりの高さですし傾斜もあります。この家も新しい家ではないので瓦もずいぶん古くなっていて歩くだけでも瓦を割ってしまったり踏み抜くことがあるので安全面の確保をしながら作業を終えるということですね。」


今回の講習会で指導を担当していたのは、「ピースボート災害支援センター」「日本レスキューボランティアセンター」という組織で活動する方たち。その多くが千葉県在住、地元の人たちです。ピースボート災害支援センターの川村勇太さんは舘山在住で、講習会でブルーシート張りの技術を学んだひとり。いまでは“教える側”として、地元のボランティアを育てる役割を担っています。
「いままでは毎日屋根に登って屋根を直すことばっかりを考えてやってきたんですが、だんだん地域と連携をとって地元の人が地元でできることをやっていくフェーズに移っている状況ですね」


同じく指導を担当しているJRVC(一般社団法人日本レスキューボランティアセンター)の木家浩司さん。JRVCの多くが現役の消防士で今回の講習に指導者として参加していました。木家さんは平成29年の九州北部豪雨でボランティア活動をした際、「地元でボランティアのチームを作ることができたので、千葉でも絶対にできるはずだと思っていました。私たちは引き上げてしまいますので、その後にしっかりやってくれる人たちがいないと自己満足だけで終わってしまう。」 ということで、地元チームによるボランティアの必要性を感じていたと言います。

もはや災害はいつ自分の地元で起きてもおかしくない時代。地元のボランティアを地元の人で担うのは自然な流れといえます。自分のお住まいの地域でこうした取り組みに参加することが必要になっていきます。また、屋根のブルーシート張りの講習を受ければ「屋根に乗ってよい」わけではなく、それがどういう作業か知ることが重要なのだそうです。「自分にはできない」と判断することもできるし、屋根に上らなくてもできることがある、ということを知るきっかけにもなるということです。


千葉南部災害支援センターのサイトはこちら

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