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21.01.28
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福島の故郷で再び始まる酒造り・富岡町と浪江町の物語


全国各地の災害被災地の「今」と、その土地に暮らす人たちの取り組みや、地域の魅力をお伝えしていくプログラム、「Hand in Hand」。今回のテーマは、

『福島の故郷で再び始まる酒造り・富岡町と浪江町の物語』

まず富岡町の「天の希」。富岡町産の福島県奨励米「天のつぶ」100%で醸造、富岡町の希望の象徴として命名されたお酒で、2018年に販売が始まりました。そしてもう一つが浪江町の「磐城壽」。町内の蔵は津波で全壊。その後、山形県長井市に移転して酒造りを続けていましたが、この春ようやく浪江町に蔵が完成。再び地元での酒造りがはじまります。

福島県の東部の町の復興の歩みと「今」を伝える、シリーズ、「あれから10年、復興が進む福島を行く」。今回は、お酒を通じて復興を発信する2つの地域に注目します。

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福島県の浜通りに位置する富岡町と浪江町は、いずれも震災後、津波による被害だけでなく、原発事故の影響で、全域で避難指示が続きました。富岡町と浪江町では、2017年に、それぞれ帰還困難区域の避難指示が一部解除され、住民の帰還が始まっていますが、富岡町は2割、浪江町は1割に満たない帰還に留まります。ただ、町の主な産業である農業も少しずつ再開。中でもお米は、平成24年産米から福島県内で生産されたすべての米を対象に放射性物質の「全量全袋検査」を実施し、その安全性を確認。令和2年産米からは、避難指示などがあった12市町村では全量全袋検査を継続するものの、それ以外の地域では「モニタリング(抽出)検査」に移行しています。

そんな地元のお米を使って酒を仕込み、復興の発信につなげているのが、富岡町の「天の希」と浪江町の「磐城壽」です。

まずは「天の希」。

ここまでの経緯や「天の希」の特徴について、富岡町商工会事務局長の三瓶雅弘さんに、お話を伺いました。

◆◆

三瓶 富岡町は原子力災害によって一時は全員ですね、全町避難ということになりました。2017年、一部は避難指示が解除になったんですけど、今まであった商工運用、農業関係、これが壊滅状態で、もう何もなかったんですね。そこから何か町のシンボル、町のシンボルを作った方がよろしいんじゃないかっていうことで、思い立ったのが、富岡で米を作ってたもんですから、じゃあ日本酒作ってみるかっていうことで始まったのがきっかけでございます。

高橋 ということは原料である『天のつぶ』を作っている農家さん自体っていうのは、どのくらいの軒数になるんですか?

三瓶 いま9農家です。少ないです。ここは町の基幹産業が農業でしたので、あれから比べると本当に少ないです。一部でもこういう形で農業に有志の方が立ち上がって行って頂いたっていうのは本当にありがたいと思っております。

高橋 でも「天のつぶ」はお酒をつくるためのお米じゃなかった。それをお酒にするというのは、なかなかご苦労があったのでは?

三瓶 仕込みを依頼した「喜多の華酒造」さんでも初めての経験だっていうことで、酒米っていうのはある程度米を削っていくんですよ。食用のものを削って酒を作るんですけども、どうしても食用の米ですと割れやすかったり、あとは蒸したりするとベチョベチョになったり、酒米には向かないと言われているんですけど、幸いにこの「天のつぶ」は、ちょっと酒米に似てるんですね。芯が強いっていうことで、ある程度削ってても残ってたと。それでうまく出来たっていう形なんです。

高橋 「天のつぶ」はお酒にしても美味しいお米だった・・・そういう背景を知って飲んだ人が、ぜひ富岡に足を運んでくれるようになるといいなと思います。

三瓶 これを買いに行くのもいいんですけど、ぜひ富岡を見に来てくださいっていうことですね。今だんだんと復興復旧、2〜3年前からぜんぜん変わってきてますので、この復旧した姿を見て欲しいっていうことですね。


高橋 「天の希」頂いてもいいですか??ちなみに「天の希」、アテには三瓶さん、何が良いと思いますか?

三瓶 やはり福島県産で「いか人参」というのがあるんですよ。それは合うかなと。あとやはりここは浜なんで、やっぱり常磐もののヒラメでもなんでも美味しいので刺身とも合いますよ。カツオが有名なんですよね。ここは刺身でニンニク醤油で、というのがビリビリきて旨いんですよ。

高橋 あ、ほんとだすごい柔らかい香りする。いただきます。すごいふくよかな香りだと思います。
美味しい〜


酒米でなく食用米である「天のつぶ」を使って仕込んだ「天の希」。芯が強くて酒米に近い特性があったことで、酒造りにも向いていたということ。すっきりしていて酒らしい旨味もあり、いろんな肴に合わせられる酒だと思います。

ラベルに“富岡産米 天のつぶ 100%使用”と書かれた純米吟醸酒、「天の希」。この一本が出来たことは、町に帰って暮らしている皆さんはもちろん、いま町を離れて生活している富岡町民の方にとっても、特別な感慨があるのではないでしょうか。

福島県富岡町のお酒、「天の希」、多くの方に富岡町へ足を運んで頂きたいから、インターネットでの販売は無いとのことです。町内のスーパーやコンビニ、富岡駅のショップ「さくらステーションKINONE」などで購入できます。ぜひコロナ禍が落ち着いた折には、富岡町へ足を運んで、この思いのこもったお酒を味わってみてください。

ちなみに富岡町では、つい先日、町産米を使った純米大吟醸酒、「富岡魂」も販売が始まりました。「天の希」と飲み比べてみてはいかがでしょう。

◆◆

さ、かわっては浪江町から、「磐城壽」の「鈴木酒造店」について。

震災前から「鈴木酒造店」では、「磐城壽」を製造していました。請戸港のすぐ近くにあった蔵は津波ですべてが流され、さらに原発事故の影響で町に戻ることも叶わない状況となりましたが、山形県米沢市に避難しながら酒造りの場を探していたところ、山形県の工業技術センターの紹介を受け、長井市の酒蔵に移って酒造りを再開。現在その酒蔵は鈴木酒造店の「長井蔵」として運営されています。

再開後しばらくは「磐城壽」とはいえ、山形の米と水を使って酒を仕込んでいましたが、2014年に浪江町内で米の実証栽培が始まると、これを原料に「長井蔵」で酒を造り始めました。さらに2016年には浪江の米、水、酵母を使ったお酒、「磐城壽―ランドマーク」の生産も始められました。過去を踏みしめ、未来への礎となる大きな一歩となるお酒ということで、「ランドマーク」と命名したそうです。


お話しを伺ったのは、鈴木酒造店・代表杜氏の鈴木大介さん。山形県長井市の蔵で酒造りを続けながらも、浪江での蔵の再開を常に思い描いて、この「磐城壽―ランドマーク」を仕込んでいたといいます。そして今年、ついに鈴木酒造店の蔵が、浪江町に戻ってきます。

浪江町の復興のシンボルとして、去年8月にプレオープンした「道の駅なみえ」の敷地内に、「地場産品販売施設」が建設中で、これが3月に開業、「道の駅なみえ」はグランドオープンを迎えますが、その「地場産品販売施設」の中に、鈴木酒造店の新しい蔵が完成。いよいよ浪江町での酒造りが再開します。



ここまでの歩みについて、鈴木酒造店、代表杜氏の鈴木大介さんに伺いました。

◆◆

鈴木 酒づくりをしているなかで特にその被災した直後なんかは、浪江の暮らしがもう全部なくなった、ただ地元の人たちが避難してる間に、「酒を作ってくれ」とか、あと私らの山形の事業再開地で作った酒を飲んでくれて、山形で作ってますけど、本当みんな喜んでくれたっていうのがあって、今それが平成30年から人が戻って、生活の場ができてきて、お酒がそこに入ってくれば、震災の前の人の暮らしぶりっていうのを、なんか自分達お酒作ることで、浪江のものづくりを発信できるんじゃないかっていうので、それだけ思ってずっとやってきたんですけども。長井市に移って、長井市の市内に出る生ゴミを集積してそれを発酵させて肥料にするんですけど、それで一次産品を作りながら循環型社会を目指すって需要があってですね、これが日本で最初の取り組みの土地だったんですね。そういった中で自分達も刺激を受けて、なんとか酒粕で、そういったこと自分たちで出来ないかってことでやり始めてるんですけども。酒粕を発酵させて肥料にして、原材料の米を再生産しようとかな、浪江町の作付けの米でも、その酒粕の肥料を一部の田んぼに入れて試験的にやったりとか。なんでこちらの施設で作るお酒っていうのは、どちらかというと浪江のパイロット商品、浪江のものを引っ張っていくような、日本国内で戦えるだけじゃなくて世界に出しても恥じることない品質のものを作っていきたいなって思ってます。

高橋 酒蔵ができたら観光で来た方とかはその酒造りの現場とか見たりすることができるんですか?

鈴木 そうですね。ガラス張りになっているので。窓ガラスになってないところも100インチモニターが設置してあって、すべての工程を見ることができます。それと「大堀相馬焼」という器もありますので、製陶体験も出来て、その器で食事とお酒も飲めるということで、なかなか道の駅にはない施設になると思います。


浪江に戻り、世界に出しても胸を張れる酒を造るだけでなく、山形で学んだ循環型の生産サイクルを浪江でも実践、“浪江のパイロット商品”となる酒を造っていきたいと鈴木さんはいいます。

いよいよ浪江町での酒造りを再開する鈴木酒造店。この町には、昔から“お酒は無くてはならない存在”という歴史があるのだそうです。

◆◆

鈴木 浪江町、じつは私んとこ以外にも二つ、他に酒蔵があって、ちっちゃな町ですけど酒蔵3つある町ってあんまり県内にもないんですよね。その中で特にうちは港町のお酒ですので、漁師さん達が縁起担ぎで船を清めたり、海を清めたり。とくにかつては大漁祝いのご祝儀がお酒で、漁師さん同士が挨拶で、“魚とれたか”じゃなくて“お酒になったか”っていう挨拶を交わしてたっていうのもありましたので、今は漁の方もなかなか制限がありますので、まだまだ自由にならないところはありますけど、自分たちがお酒作って、震災前のようにですね、“お酒になったか”っていう、変わらない習慣というかそれが戻って来ればいいなと思ってます。


浪江町の鈴木酒造店。地元での酒造りが再開して、漁業も今年は試験操業から本格操業になると言われています。“お酒になったか?”というやり取りが再び交わされるようになっていく日は、すぐ近くまで来ています。

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福島県の東部の町の復興の歩みと「今」を伝える、シリーズ、「あれから10年、福島の被災地を行く」、今日は、「福島の故郷で再び始まる酒造り・富岡町と浪江町の物語」と題してお送りしてきました。

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ここで一つお知らせです。リモートライブで福島の酒蔵を応援しようというイベント、「第2回福島酒援ライブ」が、2月27日(土)に開催されます。

チケットを購入すると「磐城壽」をはじめ、県内55の酒蔵からセレクトされた逸品がご自宅に届き、ライブを見ながら日本酒も楽しめるという企画です。購入者全員に福島醤油漬「希望のゴボウ」1袋もプレゼントされます。あのデーモン閣下がスペシャルゲストとして出演されます。特設ページも開設されていますので是非チェックしてみてください!

チケットの購入はこちらから

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ここでプレゼントのお知らせです。今回はもちろん、ご紹介した2つの町のお酒です。富岡町の純米吟醸「天の希」、そして浪江町「鈴木酒造店」の「磐城壽-ランドマーク」、それぞれを2名、計4名さまにプレゼントします。


ご希望の方は、このホームページのメールフォームからご応募ください。応募の際、下記のクイズにお答え頂きます。メールに答えの番号を書き添えたうえ、「天の希希望」、または「ランドマーク希望」と書いて、ご応募ください。

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【問題】

Q:全国の新酒の出来栄えなどを評価する「全国新酒鑑評会」において、令和元酒造年度の福島県産の日本酒では何銘柄が「入賞酒」だったでしょうか。

A: 10銘柄以上(20銘柄未満)
  ◆20銘柄以上(30銘柄未満)
   30銘柄以上
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ヒントは復興庁のサイト「タブレット先生の『福島の今』」にある「数字で知って!食べて!行こう!福島」の「海外でも人気上昇!福島の農産物とお酒」の数字をご覧ください。

また番組の感想や!本日ご紹介した、富岡町・浪江町の皆さんへの応援メッセージもお待ちしています。頂いた応援メッセージの一部は、復興庁の〔Hand in Hand レポート〕でも、個人情報を伏せてご紹介させて頂きます。是非たくさんのエールをお待ちしています。

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来週の「Hand in Hand」は、シリーズ、「あれから10年、福島の被災地を行く」の、飯舘村編。『までいの村・飯舘で牛と生きることを選んだ人たち』。村に再開した、酪農と畜産の牧場をレポートします。来週もぜひ聴いてください。

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