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21.07.01
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「新鮮なホヤを生きたまま届けたい!」 石巻のホヤ漁師 渥美貴幸


宮城県石巻市を拠点に活動する漁師集団「フィッシャーマン・ジャパン」、今週はブランドホヤを育てる漁師、石巻・谷川浜の渥美貴幸さんを訪ねます。


渥美さんの船で向かったのは石巻の牡鹿半島 東側に位置する鮫浦湾。ここは「ホヤの聖地」と呼ばれるほど、昔からホヤの生産が盛んなところです。


ホヤの筏からロープを1本あげると、色鮮やかなホヤが海から顔を出しました!3〜4年かけてこぶし大の大きさに成長したホヤが一株に50コぐらい付いています。
果物をもぎ取るみたいに手で引き剥がそうとしますが、しっかり根が張り相当な力が必要。また表面は弾力があり、貝類ではないことがわかります。種類としては脊索動物といって、人間に近いんだそう。


まりえさんの顔ぐらいに成長した4年もののホヤを、これから渥美さんにさばいていただきます。


肉厚のプリップリのホヤ。甘味、旨味、塩味、苦味、酸味、5つの味覚を全て持つ稀な食材と言われていますが、このホヤは特に甘みがあって美味しい〜!鮮度100%のホヤを味わえたことに感謝!

改めて宮城県石巻市の谷川浜でホヤ漁を営む、渥美貴幸さんにお話を伺いました。


―――ここ鮫浦湾は「ホヤの聖地」だと聞いたのですが。

「ここは昔から天然採苗といって、ホヤの赤ちゃんが天然の力で獲れるんです。震災後は人口採苗といって人工的にふ化させることができるようになりましたが、震災前は全国のホヤの8割はここから種が運ばれていました。潮の流れとそれに見合った深さがあるのでここに赤ちゃんが溜まりやすいんです。震災あったときにここの養殖いかだは全て流出してしまったので、2011年の冬にだいたい年配漁師さんたちの勘で、ここにまた流れてくるだろうという場所に種を付けるための牡蠣の殻を投下したら、天然のホヤの赤ちゃんが集まってきてその年に養殖が再開できたんです。」


―――渥美さんは代々ホヤ漁師さんなんですか?

「違います、自分ではじめました。生まれも育ちもここなんですが父親が漁師でなかったので、25歳で水産業を起業して3年でホヤを初出荷して、その翌年に震災で津波にあいました。家も船も出荷前のホヤもとにかく全部流されてしまって。当時は、漁師はもう無理だと思って、いつまでも未練がましくここにいるのが嫌で一度仙台に移りました。でも結局9月に戻ってきて。やっぱり合わなかったんですね。漁協の職員さんから電話をいただいて、「どうするんだ?戻ってくるのか?」と聞かれて、わからないと答えたら、「わかんないじゃない、おめえは戻ってこなきゃダメだ。だから名前残しておくからな」と言われて電話を切られちゃったんです。それが本当に嬉しかった。結構この浜は亡くなった方もいたので自分なんかが戻っていいのか、また漁師やるって言っていいのかという葛藤があったんです。でもそこからもう一度やり直そうって思えて。」


こうして一度は浜を離れた渥美さんですが、半年後に再び浜に戻りホヤ漁を再開させます。出荷までに3年はかかるホヤは震災後、2014年に無事に初出荷を迎えましたがその翌年、最大の販売先である韓国が輸入を禁止とし大打撃を受けます。

そこで渥美さん。国内での販路を開拓していくために“鮮度”にこだわる出荷方法に取り組みはじめます。そしてたどり着いたのが、「鮮美透涼(せんびとうりょう)ほや」です。

「こっちから送ると関東に着くのにどうしても1日かかってしまいその間にものが悪くなってしまう。それで数年かけてどうやったら鮮度を維持できるか試行錯誤して。まずは糞が置いておけばおくほど身に移って臭くなるのがわかっているので、それを水揚げした後ひと手間かけて、糞を出させて生きたまま箱につめて発送するという方法にたどり着きました。これで劣化しにくくなるので。
震災前から自分は他の漁師さんたちに負けないでやるには付加価値を付けないといけないと思ってて、良いものを作って高値で売りたくても、送った先の状態次第で伝わらないんですよ。良いものを作ると同時に、良い状態で届けることにこだわらないとホヤは広まらないと気付いて。船の上で食べるのが100だとして、人の力を加えて110とか120にはならない。いかに100に近い状態で届けるかということしか人間なんてできないんです。それで先ほどのやり方で商標登録もして「鮮美透涼」という名の自分のブランドホヤにしようと思って。だから飲食店にも直接自分で届けたい。間になるべく挟みたくない。俺が詰めてあとは店主さんが触るだけ。いかにストレスを与えないで届けるかってことにお互いこだわってやっています。だから一人でやっているというかみんなでつくりあげている形でやらせてもらっています。」


―――この先の展望は?

「他の漁師さんにこのやり方で、やりたいと言ってもらえるようにしたい。年配の漁師さんたちは言うより行動で見せた方がいいので、やり方教えてって人にはちゃんと教えたいです。自分のホヤだけじゃなくて、鮮度のいいホヤをもっと流通させるには自分ひとりでは難しいのでもっと増やしていきたいです。」


―――それだけ愛情を込めて美味しいホヤを作っている渥美さんの、おススメの食べ方は?

「天ぷらが旨いですね〜。天ぷらを塩で、出来立てを早く食べるのが旨いです。あとは蒸したホヤをポン酢に1週間くらい漬け込むとしみ込むので。それを冷奴に乗せると今の時期、すごく旨いです。」


渥美さんの「鮮美透涼(せんびとうりょう)ほや」が食べたいという方、ほやほや学会のオンラインストア、「ほ屋」というサイトで。またポケットマルシェで取り寄せることができます。

ほ屋
ポケットマルシェ

ホヤは美味しいだけじゃなく、鉄分はほうれん草の6倍、亜鉛は海産物では牡蠣に次いで2位 鶏レバーの1.5倍、DHAはまぐろのトロと同等、そして認知症対策として注目されている成分、プラズマローゲンがホタテの4倍!とその栄養素にも注目が集まっています。

ぜひ渥美さんの新鮮なホヤ、一度食べてみてはいかがですか?


Hand in Hand、来週は宮城県南三陸町から、「海の見える命の森」のレポートをお送りします。

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