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21.09.16
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リボーンアート・フェスティバル2021 夏(後編)


今週も先週に引き続き、宮城県石巻市と女川町で現在開催中、“アート・音楽・食”の総合祭「リボーンアート・フェスティバル2021 夏会期」のレポートをお送りします。

震災直後から石巻で活動を続けている音楽プロデューサーの小林武史さんが実行委員長をつとめるこのイベント。2017年より隔年で開催。そして2021年、今回のテーマが『利他と流動性』です。

会場は、宮城県石巻市街地と牡鹿半島、そして今回初めて女川町が加わり、23組のアーティストによる作品が展示されています。





例えば市街地では、地元の人にとってなじみの深い元銭湯やスケート場。また牡鹿半島では、自然の中にも新たなアートスペースが続々と生まれています。

キュレーターの窪田研二さんに現地でお話を伺いました。


―――今回は石巻だけではなく女川でも展開されていますね。

「女川はコンパクトな町で、駅から一直線に海に向かって商店街があり、そこを抜けると、海の手前に震災遺構の交番があります。津波で横倒しになってしまった2階建ての交番が残されているので、ぜひ訪れた方には10年の時間みたいなのを感じてほしいし、壊滅的な被害をうけた女川がここまで復興したというのを体感してほしいというのもあって、今回女川を会場に入れさせてもらいました。」



―――女川ではオノ・ヨーコさんも作品で参加されていますがどういった経緯で?

「先ほど言った女川の旧交番の前に植え込みがあって、そこにオノさんの「Wish Tree」という作品があります。大きな樹があって、皆さんが願い事を書いてその木に括り付けるという参加型の作品なんだけど、来た人が海を見ながら遺構を見ながら、失われたもの、あるいは未来に想いを馳せて短冊に願い事を書いて付けるというのはこの場所にマッチするなと。オノさんは以前から何度かお仕事をしたことがあったのが縁で、オノさんに話をしたら是非ということで実現しました。」


―――今窪田さんと川沿いでお話を聞いていますけど、ここでもアートが見られるとか?

「そうなんです、目の前にUFOみたいな建物が見えますが、あれは石ノ森萬画館。ここの建物全体が毎日日没、日替わりでライトアップされるんです。盒橋太さんの「光の贈り物」というプロジェクトで、事前に石巻にゆかりのある方々からエピソードを集めて、あなたが今一番会いたい人はどなたですか?その人に送りたい色はなんですか?と投げかけて、毎日そのエピソードにまつわる色をライトアップしています。そのエピソードは毎日地元の新聞やラジオで流されて、リボーンのインフォメーションセンターでも閲覧することができるというもの。だから今日は何色になるんだろう?今日はその色の背景にはどんなお話があるんだろう?と。」

―――利他と流動性ってお話がありましたけど、他者に想いを寄せるような作品ですね。

「そのエピソードを下さった方も、今は会えないけど会いたい人に想いを馳せて。僕らはそれを聞いたり光を見ることによってその二人の関係性を想像する。他者への想いのリレーみたいなプロジェクトですね。今日はちょっとずつピンク色になっていますね。」

石ノ森章太郎さんの萬画館でおこなわれているのが、盒橋太さんの作品「光の贈り物」。9月25日には朗読会もあります。



リボーンアート・フェスティバルの実行委員長、小林武史さんの楽曲を元に作られたアート作品、「forgive」。アートディレクター・森本千絵さん、ビジュアルデザインスタジオ・WOWとの共作で、牡鹿半島の桃浦エリア 元小学校の体育館に展開されています。

小林武史さんのインタビューです。

「『forgive』は元々3.11の音楽番組がきっかけで出来た曲で、櫻井くんとMISIAが歌ってくれているんだけど、作るときからアート作品に展開できないかという想いがあって。閉じている世界から、水なのか光なのか潤いみたいなのがきっかけになって、暗闇みたいなところから抜けると時空空間が広がっている…そのようなシーンを4つに分けて回遊していく作品です。
流動的で先の見えない未来に向けて、それでも進んでいこうとする『エンヤコラ』の掛け声とともに、分断を乗り越えようとする利他的空間の中での祈りや響きを体感していただきたいです」

―――今回のリボーンアート・フェスティバルは、2021年の夏会期と2022年の春会期の2回に分かれています。来年の春会期、内容は違うのですか?

「一番僕らの中で想いがあるのが、2019年に網地島という離島でこのイベントやって、網地島には網地と長渡という2つの港があってあまり仲が良くないというか。お互いに張り合ったりするところがあるんです。ところがその2019年のイベントで作品の展示があって島全体にたくさん人がいって、その流動性の中で良さが生まれていったんだと思うんですが、会期が終わるころ二人の区長さんが一緒に並んで、僕に手渡してくれたのがあるんです、それが次回開催の要望書だったんです。僕らはその段階で「是非!」ってことだったんだけど、この新型コロナの中で、離島は医療体制が大変だから、網地島は夏会期には入れられないってことになったので、来年の春には網地島を入れるプランでいます。やっぱり牡鹿半島は自然豊かですごいなといつも思っていますけど、離島はまた生態系が違う。牡鹿半島名物の鹿がいないとか、鮎川という捕鯨で盛んだった牡鹿半島の浜との関係性とか、いろんなものを秘めている。」

―――10年経って網地島で出来たらそのストーリーすごいですね。

「リボーンに来やすくなる環境になったら網地島に渡っていく、というのはだいぶ開かれた環境になるのでは。今震災から10年でコロナで大変な想いをしているんだけど、その先にまた新しい出会いがあるんじゃないでしょうか。出会いが生まれるべきだと思っています。」


リボーンアート・フェスティバル 夏会期は2021年9月26日(日)まで。来年春会期は、2022年4月23日(土)〜6月5日(日)まで開催予定となっています。
詳しくは公式サイトでチェックしてください。

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