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21.10.21
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福島の海の恵み、“常磐もの”を味わう


全国各地の災害被災地の「今」と、その土地に暮らす人たちの取り組みや、地域の魅力をお伝えしていくプログラム、「Hand in Hand」。今回のテーマは、

「福島の海の恵み、“常磐もの”を味わう」


【今回のダイジェスト動画はこちら】
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常磐ものの魅力に迫る!

今週の主役は、福島の海の恵み「常磐もののお魚」です。

福島県と茨城県の沖合、いわゆる「常磐沖」は、親潮と黒潮がぶつかる潮目の海。プランクトンが豊富で適度な潮流がある恵まれた漁場で、ここで水揚げされる魚は「常磐もの」と呼ばれ、市場でも高値で取引されていました。東日本大震災と原発事故の発生で、福島の漁業は漁の日数や漁場、魚種を制限、魚種ごとの放射性物質を測定しながら、出荷先での評価を調べる「試験操業」を続けてきました。地道な努力を続けた結果、現在では、ほとんどの魚種が出荷可能に。そしてこの春ついに、福島県漁連は、段階的に「通常操業」を再開する方針を固めました。さらに今年6月には、福島県沖で水揚げされた魚が、タイへ輸出されました。これは一般消費者向けの鮮魚海外輸出としては、原発事故後、初めてのことです。

こうして一歩ずつ歩みを進めてきた、福島の漁業、今日はそんな「福島の海の恵み、常磐ものを味わう」がキーワードです。

今回は、東京新橋の福島食材と酒が味わえるお店、「ピアシス」虎ノ門店で、3人の方に、福島の海の恵み、常磐ものの魅力と美味しさを語って頂きました。まずお一人目は、復興庁の横山信一復興副大臣です。副大臣は水産学の博士号を持つ海の生き物のスペシャリストであります。現地に何度も足を運び、福島の海と水産業の復興に取り組まれています。

◆◆

高橋) 東日本大震災から10年。福島の漁業の再開、復興の歩みについてお聞かせください。

横山) 漁船については97%まで復旧しました。漁業者関係者の努力でほぼすべての魚種の出荷制限が解除され、その点では着実に進んでいます。一方、昨年度の水揚げ量は、震災前の18%にとどまっています。本格的な操業が始まりましたが、段階的に水揚げ量を増やしている、今はその移行段階にあります。漁業は水産加工と車の両輪、一体で進んでいくもの。ですが水産加工業においても、売り上げは震災前の8割以上に回復している事業者は、まだ21%に留まっています。まだまだ復興という点では、道半ばともいえます。本格操業をひとつのステップとして、一日も早く復興できるよう、復興庁としても、これまでも努力を続けてこられた水産、漁業関係者の努力をしっかり支えていきたいと思っています。またリスナーの皆さんには、美味しい常磐ものを召し上がっていただくのが、復興のなによりの支援になりますので、常磐ものをぜひよろしくお願いしたいと思っています。漁獲量が震災前の18%ということで、なかなか手に入りづらいということもあるかもしれませんが、大手スーパーの福島鮮魚便やEC ふくしまプライド便などで検索してもらうと、加工品も含めて常磐ものが見つかります。ぜひ食べてほしいと思います。

高橋) 今後、処理水の海洋放出で新たな風評(被害)も懸念されますが、これを解決していくために必要なこととは何でしょうか。

横山) 科学的にはアルプス処理水は問題ない状態で海洋放出することになっています。すべての処理水は基準量以下になるようにしっかり処理をしていますが、トリチウムはどうしても残ってしまう。これは水道水や雨水にも含まれているもので、今後保管されている処理水を水道水の基準以下まで薄めて海洋放出することになっています。健康被害を与えるものではありません。ただ科学的には安全でも、風評が出るのではないかと心配があります。復興庁としては風評を出さないという強い決意のもとで、アルプス処理水の正確な情報を発信していくと同時に、安心安全な常磐ものを楽しんで頂けるようなさまざまな対策を打っていこうと考えています。海外には残念ながら(福島の魚について)輸入規制をしているところがあります。こうした地域に対しても理解醸成と規制撤廃に対する努力をしていきたいです。


今年6月には、福島県沖で水揚げされた魚がタイへ輸出されました。これは福島県の鮮魚の一般向け輸出としては、震災後初めてのこと。今後こういった動きがさらに広がることを期待したいと思います。

「福島の海の恵み、常磐ものの魅力と美味しさを語る」。二人目の人物は、「飯塚商店」の代表、飯塚哲生さんです。「飯塚商店」は福島県相馬市の原釜港で水揚げされる魚介類を出荷している水産仲卸業。飯塚さんはその三代目店主です。

◆◆

高橋) 震災前の常磐ものの評価や輸出状況はどういうものだった?

飯塚) 輸出は定かではありませんが、築地の時代から常磐ものは評価が高くて、名前が通っていました。常磐ものの評価はすごく高いんだという実感がありました。

高橋) 出荷や取引の規模は、この10年でどんな変化が?

飯塚) 今回のタイの輸出の件もそうですが、震災前はそういった動きはあまりなかった。震災後逆に注目して頂いて、常磐ものの素晴らしい魚を、国内だけでなく、国外に出そうという動きが、ここ10年で強まってきました。再評価してもらっているので、よかったと思います。震災直後は私の実家も店も津波で流されたりとか、あと原発の問題もあったりで、本当に魚屋を復活できるのかなというのが一番の思いでした。昔の取引先に漁が再開してから連絡したときに、“わたし個人としては扱いたいけど、会社としてまだOKサインがでていない”と言われたり。そういうのは堪えました。私のような仲卸だけでなく漁師さんなど一人一人の努力があって今日に至っています。

高橋) それでも常磐ものの評価を復活させたい、風評を払拭しなきゃというとき、原動力となったものとは?

飯塚) 私たちの浜は若い漁師さんが多くて、(漁業の)後継者がすごくいる。そういった同世代の漁業者とともに、また一緒にやっていきたいという思いが強かった。

横山) 震災から10年、漁業者のみなさんの風評との戦いというのは、本当に血のにじむような努力の積み重ねだったと思います。そんな中で、若い力がいまの原釜にいるということが、すごい希望だなと感じます。

高橋) 私も初めて常磐ものを食べたときに、その美味しさに驚きましたが、“この味があれば復興できる”という自信もあったのではないですか?

飯塚) その通りで、自分も魚が好きなので、上京して福島以外の魚を食べたときに、やはり地元の味が恋しくなって、本当に常磐ものは美味しい魚なんだなと思いました。この味で勝負できると思っています。

横山) 温暖化でいままで獲れなかった魚も常磐ものとして獲れるようになったという側面もあるのではないですか?タチウオとか・・・

飯塚) そうですね。タチウオとかサワラとかもとれるようになって、しかも味も美味しい。

高橋) 今日は飯塚さんに相馬で水揚げされた常磐ものの魚を送って頂いたんですよね。それをこれから味わわせて頂きたいと思います!


そして待ちに待った“常磐もの”の「試食タイム」!今回、飯塚さんが送ってくれた常磐ものを料理してくれたのが、レストラン「ピアシス」の濱田憲一料理長です。日々常磐ものの食材に向き合う、“常磐もの”の美味しさを誰よりもよく知る料理人のお一人です。「ピアシス」を運営する株式会社無洲では、系列の店舗で積極的に福島の食材を使ったり、新橋駅前で福島食材を使ったイベントを開くなど、これまで福島の応援を続けてきました。

◆◆

濱田) 私もうちの会社に入ってから福島の食材に出逢いました。生産者の努力の姿、美味しいものを作っていこうというその姿に触れて、私がまず“常磐もの”に惚れました。同時にお客さまの喜ぶ姿がありました。“美味しい、また食べたい、福島にはこんなにおいしいものがあるんだ!”と言って頂ける、それが嬉しくて、福島の美味しい料理と酒を提供しています。

高橋) 今回は濱田料理長が飯塚さんと直接やりとりをしてお魚を仕入れてくださったとか。

濱田) はい。魚の処理の仕方、どんな加減でどういう処理をするか。氷の量や締め方までやり取りしながら、送って頂きました。今日、魚が届いて箱を開けた途端に、“あ、これは間違いなく美味しいな”と感じました。魚体の立派さや輝き、厚みなど。どういうふうに料理してやろうかと、いろいろアイディアが浮かびましたね。



そして飯塚さんに送って頂いた“常磐もの”で、濱田料理長は3品のお料理を作って下さいました。

「ヒラメのお刺し身、姿づくり」
「メヒカリのフリッター、パルミジャーノ風味」
「ノドグロのけんちん蒸し、葱油ソースがけ」


常磐ものの特徴は、栄養を蓄え潮流の中で育った型の良さと質の良さ、そして味の濃さ。まず姿づくりの刺身でそれが分かります。適度な身のハリとなめらかさ、それでいて噛めば噛むほど味わいが沁みてきます。鮮魚なのにまるで昆布締めのような旨味があります。

丸々としたメヒカリは丸ごと揚げて。脂の乗ったメヒカリの旨味に、パルミジャーノチーズとバジル、オレンジの香りづけがいい仕事をしています。

ノドグロ(福島ではアカムツと呼ぶ)のけんちん蒸しは、もう歯が必要ないくらいにふわふわ。豆腐をノドグロの身でやさしく包み、それにノドグロの頭と骨で時間をかけて出汁をとったソースが絶妙なハーモニーを醸しています。付け合わせの野菜も会津から取り寄せた伝統野菜。金山かぼちゃ、あざみごぼう、けいとく玉ねぎなど。

コロナ禍の収録ということで、黙食を徹底。食べ終えて話すときはマウスシールドを着けて話す、という順序でした(編集で間はカットしていますが)が、オール福島のごちそうにもう笑いながら黙食しているという可笑しな光景でした。食材の良さはもちろんですが、それを愛しリスペクトを込めて手をかけた濱田料理長の心も伝わってきました。


“常磐もの”を味わったあと、あらためてその魅力と、福島の漁業への思いを、横山復興副大臣に伺いました。

◆◆

横山) 福島の海、食材の素晴らしさはもちろんですが、ぜひリスナーの皆さんに知って頂きたいのは、震災から10年の間、こうした水産関係者のみなさんが、風評と戦いながら、大変な努力を続けてきたということ。そうした中で、放射性物質検査をして出荷する魚は福島以外にはありません。安全性という意味では福島の魚が日本一、世界一安全と言ってもいいかもしれません。福島の復興再生を応援して頂けるのであれば、ぜひ一度、常磐ものを食べてほしい。一度食べたら、“応援しよう”という気持ちから、今度は、“美味しいから食べよう”という気持ちになると思います。常磐ものを食べて、ぜひ福島の復興再生を応援して頂きたいと思います。


常磐ものの海の幸。食べて美味しい、釣っても楽しい!近々、釣りに行く予定も立てていますが、番組ではこれからも常磐ものの魅力、伝えてまいります。


【プレゼントのお知らせ】

今回は、福島県の美味しい産品が一堂に揃ったECサイト「ふくしまプライド便 ふくしまプライド。 (fukushima-pride.com)」でチョイスした、「めひかり丸干し」と「福島の地酒飲み比べセット」をセットで3名様にプレゼントします。

ご希望の方は、動画をご覧になってキーワードをチェックしてください。動画の中で、ピアシスの濱田料理長に「常磐ものの魅力」について質問をしています。その答えが、プレゼントのキーワードです。キーワードを書いて、番組サイトのメールフォームからご応募ください。


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来週の「Hand in Hand」は、シリーズ「福島フロンティアーズ」。三春町にUターンして家業の椎茸栽培を薪商に転換、「薪商はぜるね」を興した、武田剛さんにスポットを当てます。来週もぜひ聴いてください。

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