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21.12.16
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福島フロンティアーズ〜飯舘村をクリエイターの活動拠点に! 松本奈々さん


全国各地の災害被災地の「今」と、その土地に暮らす人たちの取り組みや、地域の魅力をお伝えしていくプログラム、「Hand in Hand」。今回のテーマは、

「福島フロンティアーズ〜飯舘村をクリエイターの活動拠点に! 松本奈々さん」


【今回のダイジェスト動画はこちら】
↓   ↓
若者が描く飯舘村の未来とは。

「これは外観というか全体のイメージなんですけど・・・(トンネルみたいになるということですか)・・・そうですね。広い倉庫に壁沿いにチューブみたいなのができて、そこを歩いていくといろんなテナントがあるようなイメージですね。水耕栽培と淡水魚の育成を掛け合わせたアクアポニックスをやりたい事業者さんとか、ガラス張りの入り口にはオープンカウンターのカフェも作ろうと・・・」

こう話すのは、松本奈々さん28歳。福島県福島市出身で、東京での生活を経て震災後に飯舘村に移住した女性です。松本さんがいま取り組んでいるのは、村に点在する手つかずになった「空き施設」を魅力的な場所に変えていこうという活動です。

震災を経て、Uターン・Iターンで福島県に拠点を移した「移住者」たちの夢の実現へ向けた取り組み、新たなチャレンジにスポットを当てる、シリーズ「福島フロンティアーズ」。今回松本さんにお話を伺ったのは、村内を走る幹線道路、県道12号線沿いの大きな倉庫のような建物でした。

松本さんは飯舘村で「Bound for IITATE」というプロジェクトを立ち上げ、空き施設を活用したクリエイターの「活動拠点づくり」や、クリエイティブによる移住促進をテーマに活動をされてきましたが、今は新たに立ち上げた会社「MARBLiNG」による、空き空間を活用した“ハブ空間づくり”がメインのミッションとなっています。

◆◆

「―――ラジオだからお見せ出来なくて悔しいんですが、すごくかっこ良い場所で、『オーシャンズ11』のメンバーが作戦を立てるような、あるいは『ユージュアル・サスペクツ』の一場面のような、すごく大きな倉庫の、天井も高い外観ですけど、ここはなんですか?ソファーも置いてありますけど。

ここはもともとホームセンターの跡地で、東日本大震災があって全村避難になってからここも営業ストップして、それからずっとボロボロの廃墟みたいな状態で、いちばん目立つ道路沿いなんですけど、そのままずっと放置されていた跡地なんです。うちで立ち上げた会社で借り上げて、新しい空間にしていこうかなというプロジェクトをやっているところです。

私は地域おこし協力隊で飯舘村に移住して働いていまして、もともと飯舘村は、震災後にいろんな空き施設や小学校の廃校とかがありまして、そういった空き施設の使い道みたいなところがひとつ課題として困っているところではあったので、それをうまく活用できないかなと、その廃校を使って、クリエイターさんとかが集まって村の方といろいろ制作活動できる拠点を作りたいというプロジェクトでやっていたんですね。それが「Bound for IITATE」というプロジェクトだったんですけど、今はそっちのプロジェクトというよりはこの旧ホームセンターの空間活用にシフトしていて、今ここがメインの事業として進めているところです。

―――ここはどういうことをしていこうという空間なんですか?

ざっくり言うとテナント貸しをしていく空間なんですけど。村の循環がひとつのキーワードで、震災以降もともと村にあった人の循環だったり、地産地消みたいな食の循環や、畑一つ一つの土の循環、自然の循環といったものが、全村避難があって一気に途絶えてしまったところがあったので、そういった小さな循環をもう一回取り戻したり、今の時代に合った新しい循環を考えたりという場所になっていく、そういう循環を考えるいろんなテナント、企業、NPO、研究者が入る場所になっていきますね。展示もなんですけど、それだとちょっと来場した方が見て終わりになってしまうので、もう少しアクティビティ的なものとして、震災があってからの10年間ぐらいに外部から入ってきて活動されていた企業さんとかいろいろいらっしゃるので、そういった方たちの実験過程みたいなものをここ全体でひとつのコンセプトとして見せていこうかなというのがありまして、企業だけでなく私たちの方でも村の若手とコラボをしてカフェ事業をやろうかなと思っていて、そこでもやっぱり循環を考えるカフェ、コーヒーを一杯入れるのにコーヒーのカスだったりいろんな廃棄物が出るんですけど、そういったものを循環させて肥料にするとかそういったことを実験しながら考えていく場所みたいな、大きな実験博物館というか、そういう感じになっていく予定です。」



(現在の旧ホームセンターと未来予想図)

飯舘村は震災前、「日本一美しい村」を目指した地域づくりで知られる、まさに自然の“循環”とともにある村でした。そういう村の人々の想いも受け継ぐ意識が松本さんの中にはあるのかもしれません。そして何より、こんなに大きな建物を、自分たちのアイデアで、面白く活用する・・・東京で普通の社会人をしていたらおそらくあり得ないプロジェクトですが、福島市出身の松本さんは、一度上京し就職もしましたが、どういった経緯でここに辿り着いたのでしょうか。

◆◆

「大学が東京だったので上京しまして、それが、震災があった年だったんです。で、大学を卒業して2 、3年ぐらい社会人として東京でも働いていて、そこから飯舘に来た形です。もともと大学時代に飯舘村とは少し関わりがありまして、被災地の支援やサポートという形でいろんなプロジェクトが立ち上がっていまして、その中のひとつで被災された地域の子どもたちに楽しい時間を過ごしてもらおうというプロジェクトに参加していて、それが頭にあったのもあって。でも普通に東京で就職をしたんですけど、いろいろ2年ぐらい働いていると、自分はずっとこの働き方で死ぬまでいるのかなとか。SEをやっていたんですよ。一生これなのかなって。そうだったっけ?という疑問が出てきたり、まだまだ20代でいろいろ経験できる年齢でもあったので、考え直してみるのもありかなというので会社を辞めたんですけど。その後いろんなところをフラフラしていて、たまたまお隣の相馬市でファームステイをしてみたんですけど、そこで相馬の復興支援をやっている方と知り合って、その方が飯舘の協力隊という仕事があるよと紹介してくださったという。

―――実際に飯舘に飛び込んでみて、最初はいかがでしたか?

自分的にはあんまり使命感を持ってとか、地域活性のためにみたいな感じというよりは、単純に住所を移したというか働く場所を移したくらいの感覚できたんですね。もちろん最初はいわゆる不便な場所みたいな、スーパーも村の中にないですし、どこで何をするにしても車が必要で冬は本当に閉ざされたような寒い厳しい地域なんですけれども。慣れてしまえば別に仕事はどこでもできるし、震災もあったからかもしれないんですけれども、外からもいろんな方が関わっていたりするので、ずっと東京にいたら絶対に出会わなかった人たちとの出会いもたくさんあって、今はすごく充実しているというか楽しくやっていますね。

―――同じ世代の方も結構いらっしゃいますか?

そうですね。最近協力隊も私を入れて4人になりましたし、みんな20代から30代で、移住者としてもすごく増えていて、家族で来たり夫婦とか1人でとか、割と若い世代が増えてきていますね。

―――移住って地域の人と馴染むことがすごく大事だと思うんですけど、そこはどうでしたか?

けっこう飯舘村の方はすごく寛容な方、温かい方が多い印象が強くて。でも結構こっちの方がおっしゃるのは、“自分たちも避難でよそ者になる経験をしたから、移住者の方とか外から来てくれる方の気持ちがすごくわかるんだ”とおっしゃっている方がいて。あともともと開拓の歴史があった村なので、外から移住してきてここに住みつくという文化が元からあったみたいな話も聞いたりしますね。

―――移住してきて良かったと思う瞬間はどんな時ですか?

いっぱいあるな(笑)。良くなかったと思うことがないというか。都会の暮らしも今は置いてきてこっちに来ているわけですけど、ぜんぜん例えば東京とのつながりとかって本当に村のあちこちにあるし、住む場所はこういう落ち着いた場所で仕事は都会とかに行く機会もあってという、めちゃめちゃ良いとこ取りだな、みたいな感じですね。あと必ず住所を移して住まなきゃならないみたいな時代でもないので、2拠点とかそういう暮らし方もここだとすごくやりやすいのかなと思うので、そういった受け入れ体制みたいなのもこれからできていったら良いのかなと思います。」




若い仲間と“楽しみながら”プロジェクトを進めている松本さん。地元のおかあさんに弟子入りして、芸事も習っているのだそうです。楽しそう♪

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「今の時代、多様性だったり、それぞれの価値観をちゃんと認めるみたいなところってたくさん言われていると思うんですけど。そういういろんな価値観を持った人がちゃんと共存できている場所みたいな、田舎ってそういうイメージがないけど、一旦ゼロになっちゃったところというので、また新しく文化ができていく、いろんな価値観を受け入れて村のもともとの方とも共存している不思議な村みたいなところになれるんじゃないかな、みたいなことも思っていて。単純に地域おこしをしていく中で、都会に近づければ良いというものではないと思うんです。人の人生観みたいなところで最先端をいっているとか、それに加えて環境は自然に囲まれていて、精神的にも安心して暮らせる場所って、都会では実現できない場所になるのかなと思っていて。必ずしも村全体でそうなっていって欲しいというよりは、自分の身の回りでそういう動きが出たら、自分としても楽しく生きられるかなみたいな。」


「福島フロンティアーズ〜飯舘村をクリエイターの活動拠点に! 松本奈々さん」。
「Bound for IITATE」に始まり、今はこの“ホームセンターを改装して作ろうとしている施設”の完成へ向けて、仲間とともに取り組んでいます。来年、完成すれば、飯舘村に他にはない面白い場所が生まれます。“村民、移住者、外から来た人という区切りを飛び越えて、ここで一緒に何かを考える「ごちゃまぜ空間」にしたい”ともお話しされていた松本さん。今月下旬にはクラウドファンディングも立ち上がる予定です。詳しくはMARBLiNGでのお知らせをチェックしてください。

MARBLiNGオフィシャルページ
MARBLiNGオフィシャルFacebookページ


【プレゼントのお知らせ】

今回は福島県の美味しい産品が一堂に揃ったECサイト、「ふくしまプライド便」でチョイスした、「廃棄処分になる完熟桃がもったいない」という想いから誕生した、桃の果肉を新鮮なままシャーベットにした新感覚スイーツ、「ももふる」(5個セット)を、3名様にプレゼントします。

(写真はイメージです)
ご希望の方は、まず動画をご覧になってキーワードをチェックしてください。動画の中で松本奈々さんに、移住して感じている、“飯舘村の良いところは?”という質問をしていますが、その答えが、プレゼントのキーワードです。このキーワードを書いて、番組ホームページのメールフォームからご応募ください。

【今回のダイジェスト動画はこちら】
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若者が描く飯舘村の未来とは。

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来週の「Hand in Hand」も「福島フロンティアーズ」。福島県富岡町を拠点に、双葉郡の8町村をつなぎ、復興へ向けたさまざまな活動を続けている、平山勉さんのインタビューをお届けします。来週もぜひ聴いてください。

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