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22.04.28
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家族がもてなす小さなホテル 『南阿蘇 野ばらINN』


今週も熊本地震から6年が経った熊本県・南阿蘇村からのレポートです。
眺望抜群の丘の上に建つ、家族で営む小さなホテル「南阿蘇 野ばらINN」。九州でペンション村の第一号として1979年にオープンし長らく愛されてきましたが、熊本地震で全壊となり、ペンション村の6軒全てが全半壊となりました。

長いこと再建の見通しが立たない中、「何度も諦めかけた」と話してくださったのは「南阿蘇 野ばらINN」のオーナー栗原有紀夫さんです。

「ここはペンション村でした。高台の斜面が崩れ落ちて建物が落ちそうな状態で、6軒全て全壊でした。震災直後は再開は無理だと思いました。斜面も崩れているし基礎もやられていて斜面から落ちそうな状況。2階部分が1階に落ちているし。」

それでも父の代からの常連客に励まされ、念願だった元の場所での営業再開を決意します。

「この場所で再会できるとわかったのが、4年を過ぎていました。ところがグループ補助金は5年間なので、5年までに建物を完成させないといけなかったんです。でも4年過ぎてこの場所で再開できるとわかったので、もう1年をきっているので急ピッチでした。まず建物を設計しないといけないので熊本の業者に見積もってもらったら、建築費が震災前の2倍になっていて。無理なので他県の長崎の業者に頼んで銀行へ行ったら銀行もピリピリしていて。というのは先に再開したところの返済が滞っていて簡単には貸してくれない。融資決定をしてもらわないと建築会社と契約も結べない。ところが夏に長崎の建築会社の社長さんから、「今やらないと間に合わないから、もううちやります」って言ってくれて、融資決定していないのに工事がスタートしたんです。最終的に銀行からOK出たのは年末でした。ギリギリでした。ギリギリというか、一部は間に合ってないと言ってもいい。だから地震前からの付き合いの方はもちろん、地震後に知り合った方々からすごく助けていただいて、人生感が変わるところはありましたね。」


震災前の宿の名前は、『ペンション風の丘・野ばら』。43年前、福岡から移住し宿を開業させました。

「1979年、43年前に父の代から開業しています。九州でも一番古いペンション村。1年目は全然お客さんもいなくて大変だったらしいけど、2年目に新聞で取り上げてもらってそこから爆発的に。ペンションブームというのがあって、阿蘇でも70軒くらいになった。そのほとんどのオーナーはうちに泊まっているんです、そしてその後開業して。」

「僕は名古屋の大学に行って卒業後レストランで働いていて、専門はワインでした。ところが父が具合が悪くなって、母から帰ってきてくれと、それで20代で帰ったんです。そこから両親に教わりながら、自分のやり方も入れながらやってきて。
震災前の常連客、リピーターさんはたくさんいて、年に1000組以上いらっしゃって、再開のご案内をさせてもらったら飛んできてくれて。泣いて喜んでくださって。」


「『家族でもてなす小さなホテル』というコンセプトで今回はオープンさせました。昔からの家族でおもてなしするというのはそのままに、辛い思いをしたのでより一層感謝の気持ちを込めたおもてなしが出来ると確信しています。

料理は、変わらないのは40年くらいやってるスペアリブ。父の代からの継ぎ足し継ぎ足しのタレが地震でかめが割れちゃって、地震後にまた仕込み出してもう6年経つのでいい感じになってきたのでそれはこれからも出し続ける料理ですね。(それを味わいに来るお客様もいらした?)もう懐かしいって言って、5年半食べられなかったからって泣きながら食べているお客様も。」


夕食は、野ばらINN自慢の欧風コースディナー。阿蘇の食材を盛り込んだ料理、そしてお父様の代から続く名物料理、スペアリブです!


ペットと泊まれる部屋も新しく誕生しました。新しいお客様にも人気だそうです!


南阿蘇 野ばらINN 公式サイト

来週も南阿蘇からのレポートをお届けします。
「星と火山と草原と」“3つの物語”を濃密に体験する、あるツアーをご紹介します!

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