
星と火山と草原と。『南阿蘇 夜の山散歩』
Hand in Hand、今週も熊本地震から6年が経った 熊本県・南阿蘇村からのレポートです。
熊本地震をきっかけに、旅館、英会話の先生、デザイナー、アウトドア、飲食店、公認会計士など南阿蘇の有志が集まり、2019年に誕生、主にアウトドアで楽しめるアクティビティを提供しているのが、「REASO(リアソ)」です。以前この番組でもお伝えした南阿蘇村でレストランを営む「Minaasoマルデン」のご主人、増田一正さんが代表をつとめています。
そこで今回は、REASO代表の増田さんに新しく生まれ変わったキャンプ場と、“星と火山と草原”3つの物語を体験できる、「南阿蘇 夜の山散歩」についてご案内いただきます。
まずご案内いただいたのは、阿蘇くじゅう国立公園の中にある、くぬぎの森に包まれたキャンプ場。
昨年の夏にリニューアルオープンした「ヒカリトモリ 南阿蘇久木野キャンプ場」です。
くぬぎの森から柔らかく差し込む木漏れ日、鳥の声、近くを流れる川のせせらぎの音。敷地内には様々なテントサイトのエリアがあって、それぞれ広々と区画整理されています。
中でもひときわ目立つのが、空中テント。2階建てのテントで泊まることもできます。
そして今、REASOで今もっとも力を注いでいるアクティビティが、“星と火山と草原”、3つの物語を体験できる「南阿蘇 夜の山散歩」です。
「4月から毎週土曜日、『星と火山と草原と』というテーマで夜の山散歩をやっています。星は宇宙の物語、火山は地球の営み、草原は勝手にできたわけではなくて人の手が入っている。その3つの物語を感じてもらえる阿蘇を体験できる夜の山散歩です。何度行っても私も感動します。」
―――どんな場所を散策するのですか?
「牧野といって、普段入ることができないあか牛が放牧されている草原地帯を歩きます。牛が寝ている横を歩いていき、目指すは夜峰山の山頂標高913m。満月の時は月夜で懐中電灯も要らずに歩けますし、新月のときは満点の星空が見えるので、星空の光でゆっくりゆっくり歩いていきます。
場所は周囲100㎞ぐらいのカルデラの中。中心部分から少し外れたところに夜峰山があってその山頂でやっています。そこでマットを広げて寝っ転がって星空を眺めると、宇宙の中にいるような静かなひと時が流れます。天の川や流れ星は天候がよければよく見えます。また南阿蘇の夜景も見えるので人の営みも見えるし。宇宙や地球、草原の歴史感の中で、大事な人と一緒にいられるとかが感じられるのも夜の山散歩の醍醐味ではないかと思っています。」
―――阿蘇来て知りましたがやっぱりカルデラってスゴいですよね
「阿蘇は9万年前、いろんな火山からマグマが噴き出して、地下に空洞ができて地盤沈下がおこってあのくぼみができて。8000年ぐらい前まではあのくぼみの中腹までカルデラ湖だったので、今暮らしがあるところは水の底だったんですね。それがカルデラの一部が決壊して水が流れて肥沃な大地が出来て今の暮らしに繋がっている。その崩れたところが6年前にあった熊本地震の活断層が走っているところ。そこには昔から断層があって地震が起きてて、だから地震があって大変なんですけど、(過去の)地震がなかったら今の阿蘇の景色は出来てなかったですね。そんなことも改めて感じられる場所です。」
山頂では、スタッフによって星のガイドや阿蘇の歴史の物語も聞けるそうです。
夕暮れの時間、夜峰山の山頂へと案内してくださいました。
―――すごい景色!草原すご~い!
「目の前の山が夜峰山の山頂です。あそこまでここから歩いていきます。最後ぐ~っと登っていってるんですけど、星に向かって歩いていくみたいな、銀河鉄道のような感じですね。
もう少し陽が沈んできたら後ろの山々、烏帽子岳がピンク色に染まります。」
―――こうやって見るとカルデラの中にいることがわかります
「ここから見える景色は、南外輪山、烏帽子岳(阿蘇五岳の1つ)、今日は曇ってて見えませんが中岳の噴火口からの煙も見えます。カルデラのほぼ中心に私たち立っているところですね。この地形、草原を見てもらって、地球の営み、草原は人の営み、上は宇宙、ここで3つのこと味わってもらえたらなと思っています。」
今回お届けした夜の山散歩。山頂付近の駐車場に車をとめてそこから歩いて15分ほどで山頂に到着です。子供からお年寄りまで楽しめるとのこと。
今年は4月から11月まで、毎週土曜日に開催されています。
予約は必要ありません。詳しくは、REASOのホームページをご確認ください。
★REASOホームページ
★増田さんが営むレストラン「Minaasoマルデン」ホームページ
「Hand in Hand」
来週は、阿蘇の伝統野菜「阿蘇高菜」を使ったマスタードで注目を集める、阿蘇さとう農園の新たな挑戦をご紹介します。ぜひお聞きください。