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22.07.09
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宮城の地域ブランド誕生! 旬のホヤを極める!



「ホヤだ!ホヤ!プリンって出てきた。獲れたていただきます♪
おいし〜い! ん〜甘い! ホヤの不思議。食べたあとの甘いのね。これ東京で食べれない!」

こちらは去年の夏、宮城県石巻市、鮫浦湾での一コマ。鮫浦は昔から赤ちゃんホヤを全国に出荷していた“ホヤの聖地”と呼ばれる場所。この海で養殖業を営む、渥美貴幸さんの船の上で水揚げしたてのホヤをいただきました。


甘味、塩味、苦味、酸味、うま味の5つの味が楽しめる「ホヤ」。真水にふれると鮮度が落ちる扱いの難しい食材でもあって、それが国内での流通拡大の長年の課題でしたが、それでも韓国などへの輸出に支えられて日本一の産地である宮城県のホヤ漁は、震災前までは順調に営まれていました。

それが2011年の震災と原発事故の影響で、最大の輸出先だった韓国が福島県や宮城県など8つの県の水産物の輸入を禁止に。この措置は震災から11年が経った今も続いています。

そこで立ち上がったのが渥美さんをはじめとする生産者たち。輸出がダメなら国内消費を伸ばそうと、鮮度を落とさない流通などチャレンジを重ねていき、今では国内のホヤ消費量は震災前2010年の約3000トンから2倍以上に伸びています。


そしてこの夏、宮城県のホヤの生産者・加工業者らでつくる宮城ほや協議会は、新しいブランド『ほやの極み』を発表。国内消費を伸ばす起爆剤にと期待を込めています。宮城ほや協議会 理事でもあるホヤ漁師、渥美貴幸さんに詳しくお話を伺いました。

―――渥美さん、今年のホヤはどうですか?

「ものすごくいいですね。例年よりも全体的に数量が多い。今、メインで出荷しているのが4年ものなんですが、この年の種がすごく多くて、今年は当たり年です。たくさんの人に気にかけてもらって、年々、注目してもらっているというか、表に「ホヤ」という言葉や物が出る機会が増えたんじゃないかとすごく思います。」

―――宮城ほや協議会が認定する鮮度管理を徹底したホヤのブランド『ほやの極み』がスタートしました。改めてこのブランド『ほやの極み』について教えていただけますか?

「ホヤ関係者、加工屋さんだったり皆で鮮度管理の基準を作っていいものを作って届けよう!ということで今年から『ほやの極み』としてブランドを出すことができました。自分はホヤ漁師をやっていて、結局いいものを作っても、流通の段階でお客様の口に入るまでの管理が良くないと、いいホヤを作ってもその味が届かないというのをすごく肌で感じていて。なので認定基準を作りました。1つ目は、2日以内に消費する。水揚げからお客様が食べてもらうまでを48時間以内と決めています。2つ目は、真水を吸わせない。ホヤにはプラスとマイナスの突起があるんですが、そこから真水を吸ってしまうと、ホヤはすごく悪くなります。みんなで食べ比べをしたときに、真水にプカプカに浮いたホヤと、そうでないホヤでは、全然味が違うということが分かりました。それで、真水を吸わないホヤということにしました。」


『ほやの極み』 購入方法や取扱店の情報はこちらから。


―――去年、渥美さんの船の上で渥美さんのホヤを食べさせてもらいましたが、一生忘れられないくらい美味しかったです!

「やっぱり自分は、獲れたてを船の上で食べるのが一番美味しいと思っていて、その味をいかに落とさずに全国に届けることができるかをずっと前から考えて、トライしてやっているのが『鮮美透涼ほや』なんです。臭みの原因になる体内に残っているフンを抜いてから発送するとか。あとは間を挟まないでシェフに直送することで、船の上で食べている味をとにかく伝えたいと思っています。」


『鮮美透涼ほや』は、ネットショップ「ほ屋」で購入可能。



国内消費量が震災後2倍以上に伸びたホヤ。
刺身にホヤ酢、蒸しホヤ、天ぷらや炒め物、冷やし中華、炊き込みご飯などいろんな料理がお店で提供されるようになりました。
都内にある「サカナノミライ」もそんなホヤ料理を提供するお店の一つ。去年まで東京・中野で営業していた「魚谷屋」の店主、魚谷浩さんが新たに開いたお店です。
渥美さんの『鮮美透涼ほや』はじめ、漁師さんから直送された鮮度バツグンのお魚の料理が提供されています。


「サカナノミライは、魚のお惣菜の販売やイートイン、夜は一組限定のディナーとして楽しんでいただいています。今の日本の近海の海の状況、魚の資源を将来、未来にも残せるように子供たちに今ある海の状況を知ってもらおうと、お店の名前を「サカナノミライ」にしました。」

―――東京におけるホヤの認知度について、ホヤ好きは増えたなと思いますか?

「僕がホヤに携わることになった2011年、東日本大震災で関わったにボランティアの方々が、少しでも地域の物が食べたいとなれば、この4月から8月にかけては宮城だとホヤが多いので、そこで今までに食べたことがなかったホヤの味を知った人、その人たちがインフルエンサーとなって、情報拡散しまくって、ホヤって本当は美味しいんだよというイメージを少しずつ植え付けたものが今ようやく花となって芽生えだしたのかなと。」

―――魚谷さんご自身も、震災前は食べたことなかったですか?

「私自身、生まれが兵庫県なので、食を仕事にした20代も実はホヤを扱ったことがなく。一番最初に食べたときも、ボランティア仲間が漁師さんからホヤをいただいて、水揚げしてからまだ間もないホヤだったので、顎のあたりがプルプル震えるくらい美味しいと!これはお酒が合う理由がわかるわ!とその時思いましたね」

―――料理人としてのホヤの魅力はどんなところですか?

「僕はシンプルに蒸したり、焼いたりしたものを食べたら、ほのかに甲殻類が持つコクを感じたので、海老やカニのようなコク、ちょっとしたクセがピザによくのせるゴルゴンゾーラのチーズのクセに似たようなのを感じたので、例えばこれをチーズと合わせてピザの上に置いたらどうなるんだろう?と。ホヤとチーズをのせて、焼き上がりにはちみつをかけて食べてると美味しいんじゃないかと思って、ピザを焼いて地域の子供たちに食べてもらったら、みんな美味しい!と食べたんです。これは万人にウケるなと。それでもう少し食べやすく、トルティーヤの生地に巻いてチーズとホヤを中に入れて、「ホヤティーヤ」という料理を考案したんです。」


今回は魚谷さんに、渥美さんの『鮮美透涼ほや』を使って、腕をふるって頂きました!

「まず、代表的なものが酢の物です。ホヤとオカヒジキを和えてます。あとは、斬新なんですがホヤの洋風白和えとしてヨーグルトで和えたものです。ホヤは東北の食材なだけあって、日本酒に非常にあわせやすい食材なんですが、洋風の白和えにすることで、ワインともあわせてお召し上がりできるかなと思います。」

―――いただきます〜!まずは、ホヤとオカヒジキの和え物。。。。石巻が見えてきます!!!白和えいただきます。ホヤの甘さを感じます。これは白ワインですね〜。

「サカナノミライ」で頂いた『鮮美透涼ほや』。オカヒジキと和えた「ホヤ酢」に、コチュジャンと和えた「ホヤキムチ」、ヨーグルトと和えた「洋風白和え」に、「天ぷら」を頂きました。
「サカナノミライ」ではその他、ホヤを使った「八宝菜」も人気とのことです。


サカナノミライ Facebook

ホヤ好きはもちろん、食べたことない人、食べたけど苦手という人も、ぜひ鮮度管理を徹底した新ブランド『ほやの極み』、渥美さんの『鮮美透涼ほや』はきっと新しい味覚の扉を開いてくれるはず!ぜひお試しください。

また7月16日・17日の土日に、仙台の勾当台公園で、「ほやフェスティバル2022in仙台」というイベントが開催されます。こちらでは『ほやの極み』をPRするブースも出展されるという事です。

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来週の「Hand in Hand」は、福島県南相馬市小高区に誕生した、自由な酒づくりで今話題の酒蔵『haccoba -Craft Sake Brewery-』を訪ねます!お楽しみに。

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