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22.09.03
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賑わい取り戻す ひやっと天然クーラー『球泉洞』!


熊本県を中心に九州で発生した集中豪雨、『令和2年7月豪雨』。
中でも甚大な被害を受けた熊本県球磨村の観光の名所がこの夏、賑わいを取り戻しました。それが、九州最大の鍾乳洞「球泉洞」です。

豪雨により裏山が崩れ、敷地内に土砂や流木が流れ込み営業休止を余儀なくされていましたが、土砂の撤去や再開に向けた工事が終了し、1年9か月ぶりに、2022年4月にリニューアルオープンしました。


「令和2年7月4日に、球泉洞の裏山が土砂崩れを起こして、目の前の駐車場に流木や土砂が大量に入って、鍾乳洞の入口から150mまで土砂や流木が入って、当時は復旧の目途が立たず、どうすることもできない状態でした。でも時が経ってボランティアの方が、とくに鍾乳洞入口は手作業で泥をかきだしていたのでなかなか思うように進まず、それでも1年9か月ぶりにリニューアルオープンすることができました。本当に皆さんの力のおかげ、人のありがたみを感じた1年9か月でした。」


ご案内いただいたのは、球泉洞を運営する球磨村森林組合 免田明澄さんです。

「私、当時は大分県で遊園地のスタッフをしていましたんですけど、地元がこっちなので、復興のお手伝いをしたい、地元に貢献したいと思ってこの水害をきっかけに帰ってきたんです。この水害があった時、私が住み慣れていた故郷がテレビをつけると流されていて、ここは本当に私が住んでいたところなのかな、と頭が真っ白になったのを覚えています。私の友人や身内に連絡取れて無事は確認したんですけど、家が流された友人も結構多かったです。その後地元になにか恩返しができないかなと。私は観光施設で働くのが好きなので、人吉・球磨の観光を盛り上げたいと思って水害の翌年に帰ってきました。」

―――子供の頃、球泉洞に行ったことは?

「小学校低学年の時、祖父母と一緒に鍾乳洞に入ったのを覚えています。人吉・球磨に住んでいる人は一回は入ったことある場所。それくらい地元では有名な観光スポットとして知られていて。やっぱり冷たい、涼しいなと。あと鍾乳石がすごく大きくて子供ながらに自然ってすごいな〜と思ったのを覚えています。
オープンしますというのを告知した時は、地元の方から「待ってたよ、良かったね〜」とたくさんの方から言われて、こんなに応援してくれていたんだとひしひしと伝わってきました。初めてくるお子さんは怖〜いと泣いているお子さんも多いですけど、オープン日はくまモンも来てくれたので賑やかにオープン日を迎えられたと思っています。」


ここは球泉洞の鍾乳洞入口。このトンネルの150mまで土砂が入りました。

「球泉洞は1973年に発見された延長約4.8kmの鍾乳洞です。その大きさは九州最大と言われており、3億年前海底にあった石灰岩層が隆起してできたと言われています。この鍾乳洞の面白いところは、一般コースと探検コースがあって、探検コースは専門のガイドが付いてだいたい1時間ほどですが、梯子を上ったり足場も悪いところなので長靴を履いて、安全のためヘルメットとヘッドライトを付けて探検します。楽しいですよ〜子供さんにとっても人気ですね〜。」


「ここが一般コースの一番メインとなる『フローストーンと石筍が結合したもの』。炭酸カルシウムガスが岩の表面を覆って結晶として残ったフローストーンと、落ちてきた水滴が蓄積し、タケノコ状にどんどん伸びていった石筍が結合してこれだけ大きなサイズになったと言われている。ここまで成長したのがだいたい30万年かかったと言われています。


―――屋久杉みたいですね。生きている感じがします。

「確かにそうですね。このデコボコ具体も屋久杉に似ているかもしれません。これも上からどんどん雫がボタボタ落ちていて、まだまだ成長します。この水滴の速度、ポタ・・ポタ・・・という速度だからこれだけ大きくなって、1年間でだいたい0.1mmずつ大きくなると言われています。」


3億年という年月を経てできた美しい鍾乳洞は、今も成長を続けています。


「リニューアルオープンしたのは、まずは『球泉洞フレンドアンテナショップ』。ここへ来たら地元のお土産ものは何でも揃っています。あとははちみつと食パン専門店のパン屋さん『ひなた』。あと『山香房』といって我々森林組合らしく、山のお仕事をする方たち向けのアウター、手袋、チェーンソーなども販売しています。あと子供に大人気!チェーンソーのおもちゃは刃の部分がグルグル回ります!」


「私はこの球磨村森林組合に入って、まだ先輩方に教わることばかりなんですけど、今まで10年ぐらい観光施設で働いてきたのでその経験してきたことをこの地元で生かしていきたいと思っています。地元の方のみならず県外の方にもたくさん知っていただけたら。被災する前よりももっともっとバージョンアップしていきたいので、私たちもっともっと頑張っていきます!」

鍾乳洞の中は年間通じて15度くらいだということで、天然クーラーのようで涼みに行くだけでも気持ちがいいスポットです。また30万年かかってできた「フローストーン」は見ごたえ十分!神秘的な姿に圧倒されます。ぜひ熊本県球磨村の「球泉洞」にお出かけください!

「球泉洞」オフィシャルサイト


来週の「Hand in Hand」は南三陸をひとつにつなぐ海と山のマリアージュ「南三陸ワイナリー」のレポートをお送りします。

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