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22.12.24
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松島湾が育むスーパーフード、アカモク漁の赤間父子


今週は宮城県塩竈市から、栄養豊富なネバネバのスーパーフード、“アカモク”のレポートです。


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スーパーフード、アカモク養殖の赤間父子

260以上の島々が浮かぶ日本三景の美しい眺め、松島湾に面した塩竈市は、「ひがしもの」として流通する生鮮マグロの水揚げや、笹かま・揚げかま、塩蔵品、干物などの水産加工品製造が盛んな“海の町”。
東日本大震災では最大5m近い津波が押し寄せ、浦戸諸島を除く本土側では全面積の約2割が浸水。水産業を含む事業所のうち7割以上が被害を受けましたが、1か月も経たないうちに塩釜港での水揚げが再開しました。そんな塩釜を代表する名物となっているのが、栄養豊富な海藻“アカモク”です。

アカモクは、以前は船のスクリューに絡まったりする“漁の邪魔モノ”扱いでしたが、ビタミンやミネラルが豊富に含まれるスーパーフードとして注目を集め、シャキシャキ、ネバネバした食感もウケて今や大人気となっています。


震災後、そのブームをけん引したのがこのアカモクの加工食品を製造・販売している「シーフーズあかま」、2代目の赤間廣志さん、そして3代目の赤間俊介さん親子。まずは2代目の廣志さんに、アカモクに着目した経緯から伺いました。

「終戦後、うちの父親たちが戦争から帰ってきて海苔漁をやってたんですよ。自分の代になってからワカメとアカモク。アカモクは日本列島、ほとんどの海域にあるんです。一番食べるのが秋田だった。秋田では『ぎばさ』という名称で売れていたので、秋田に出荷したんです。秋田でも獲れるんですけど秋田県民の食を補うくらいのアカモクは獲れなかった。だから一日多い時で1トン売れたんですよ。」

―――それまで、みんな目もくれなかったものが、秋田で食べられ、だんだん全国的に広がっていったんですね。松島湾で育つアカモク、味や育ちの特徴はあるんですか?

「やっぱり、外洋にもアカモクあるんだけど、外洋は波があるでしょ。波に耐えるために固くなるんですよ。内湾だと柔らかくて加工しても触感がものすごくいいのね。」

―――震災の時。ワカメやアカモクの被害というのはどうでしたか?

「ワカメの場合は全部、津波で施設ごと流されてしまって。再開できないなと。でも再開しないことには生業が成り立たないから、船も新しく一千万円で購入してまた始めました。アカモクは天然ものが多いから、波の勢いで流された部分もあるんですけど、島の影とか意外と残ったところもあったのと、秋田県で獲ってもらって、それをウチが買い付けして再開しました。」


現在、「シーフーズあかま」を率いているのは息子の俊介さんです。俊介さんは、震災後に生まれたプロジェクト、“カッコいい、革新的、稼げる水産業を目指す”フィッシャーマン・ジャパンの創業メンバーで、東北各地の浜で活躍する漁師たちと全国に東北の海産物のクオリティ、質の高さ、そして美味しさを伝えてきました。アカモクもイベントなどで積極的に発信、その認知度も飛躍的に向上したといいます。

「大学卒業してから一度、株式会社シーフーズあかまに勤めまして、2年ほどで外への憧れがあって、ライブハウスやバーで仕事をしていました。でもやっぱり外の世界に憧れてはいましたけど、実際働いてみると大変なところは大変だし、どこでも頑張ることって大切なんだなと学びまして、だったら家業の漁業という生業を頑張ろうかなという思いで戻ってきました。」

―――帰ってこられてから、震災があった。

「そうですね。私が27歳の頃でした。当初、原発事故の風評被害が大きくて売り上げの減少につながっていて、検査結果提示しながら徐々に販路を広げていくような形でしたね。」

―――赤間さんのアカモクはいわゆるスーパーで見かけるものと違って、飲むゼリー飲料のようなパッケージだったり、可愛いラベルもあってすごく新しいと思ったんですが、震災後、そういうものを作るようになっていったのは、今までとは違うことをしてみようと思われたんですか?

「震災をきっかけに、他の地域の水産メーカーさんはどういった商品開発を行っているんだろうとか、他の地域のことについて興味を持ち始めて。岩手県でも、岩手アカモク生産協同組合というアカモクの加工を行っているメーカーさんがあって、アカモクという認知度が低い中で、地域を超えて同じネーミングで同じパッケージデザインで、もっとアカモクファンに食べてもらえるように市場拡大に取り組みましょうと、そこで誕生したのがあのキャップ付きのアカモクなんです。もともと商品開発のきっかけになったのが、“邪魔モク”と呼ばれる海の厄介者という存在だったアカモクをどうにか商品化しようという背景があって、未利用資源の活用ということで始めました。」


俊介さんは塩釜港の近くに「cafe 紬 -tumugi-」を開き、採れたて茹でたての新鮮なアカモクや、アカモクを練り込んだ米粉麺を使った料理などを提供しています。



―――何をきっかけに人気が出て、食卓にも並ぶようになったと感じますか?

「やっぱり機能性が高いというところがあると思います。食物繊維が海藻の中で一番多く含まれていて、脂肪の吸収を抑える働きがある。あとは抗ウイルス作用があって風邪を引きにくい身体を作る、カルシウムの吸収を助ける働きがあるとか、機能性ありすぎてちょっと大変な食材なので、理想なのは朝昼晩、食べた方がいいのかなと思います。」

―――あとは、美味しいですよね! クセがなくて、なんにでも合うと思います。

「美味しさも絶対欠かすことはできないと思うので、例えばスープに入れたりとか、サラダのドレッシングに混ぜたりとか、麺と一緒に汁物とか、汎用性が高い食材のところが親しまれる要因ではないかなと思います。個人的には、この辺では気仙沼のカツオが有名ですが、カツオのカルパッチョみたいな感じで、ドレッシングにアカモクを混ぜちゃうんですね、カツオのお刺身にかけて少しトロみがついたカルパッチョみたいに。あと塩竈は東ものマグロという、めばちまぐろのブランドがあるんですが、通常、山かけというと、とろろを想像される方が多いんですけど、とろろじゃなくて、そこをアカモクにしてわさび醤油もいいですし、アボカドやキュウリを入れてハワイアンな感じでごま油と塩でいただくのでもいいです。あとはお蕎麦。つけ麺のおつゆにアカモクを入れちゃって、ズルズルズルーっと食欲のない夏なんかは食べやすい食べ方ではありますね。」

―――いろいろなアカモク商品を作っていますが、商品作りをするときにこだわっていること、ありますか?

「絶対、背景として地域性にこだわっています。地域と関連の強い商品にしたいんで、例えば藻塩といって、アカモクと海水で炊き上げたお塩も作っているんですが、塩竈という地域に今も御釜神社という、塩竈神社の真下の神社に伝承される塩づくり文化があって、それも私たちの商品開発に活かされています。また漁業も環境に良い漁業なんです海藻というのは。窒素とリンを吸収して海中の浄化をしてくれるとか、あとは日陰を作ってお魚の住処や産卵する場所になったりとか、水温の安定をおさえてくれる存在でもありますし、そういった環境のための養殖というものを意識して行っていきたいというのもあります。」

食べやすい形にパッケージされたアカモク商品や藻塩など、いずれも「シーフーズあかま」のサイトで購入可能です。
「シーフーズあかま」の通販サイト


★★ プレゼントのお知らせ ★★アカモクのパックをはじめ、「シーフーズあかま」の商品を詰め合わせて3名様にプレゼントします。


ご希望の方は、動画をご覧になって、その中で赤間俊介さんのお店、「cafe 紬 -tumugi-」の様子が出てきますが、そこで映っている「料理の名前は何か」、次の3つの選択肢より1つの番号を選んで、メールフォームからご応募ください。

①アカモクを練り込んだ米粉パン
②アカモクを練り込んだ米粉麺
③アカモクを練り込んだ米粉餅

【今回のダイジェスト動画はこちら】
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スーパーフード、アカモク養殖の赤間父子

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