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23.02.25
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今も福島に通い続ける キャンドルジュンさんの想い


2023年2月11日。福島県双葉郡の楢葉町で、キャンドルジュンさんによる「手作りキャンドルのワークショップ」と、東日本大震災の月命日に合わせ、毎月11日に福島で開催している「キャンドルナイト」が行われました。今回はその模様と、今も福島に通い続けるキャンドルジュンさんの想いをお伝えします。


まずはキャンドルづくりの様子から。色とりどりのロウソクのかけらから好きな色を選んで段ボールの筒に入れます! カラフルでカワイイ!


子供たちにまざってまりえさんも参加!



このあと、液体のロウを筒に流し込んで、外で冷まします。
そして出来上がったのが、コチラ!




キャンドルジュンさんからの呼びかけで、あの震災のことをどうやって子供たちに伝えていくか、話合いの場が設けられました。
双葉町出身の親子に聞きました。

―――今せいごくんは何歳?

せいご「10歳。」

―――ということは生まれる前ですね。

母親「生まれる前です。上の長女は双葉町で生まれて2歳になる前に311がきて。この子は完全に千葉育ちなんですけどやっぱり福島の家にゆかりがあるので、子供たちも双葉に入っていいよとなった時にすぐに連れていって、ここにご先祖様がいると伝えて、必ずこっち方面に来た時はお墓参りに行って、ここがルーツだよと伝えています。この子の祖父母は直接現地で被災しているので、他の子達に逆に伝える役目かなと思って。」

―――お母さんが生まれた場所に一緒に行ったことがあるの?

せいご「はい。それで東日本大震災で近くのガスタンクみたいなところが爆発して家中に毒がまき散らされちゃって、飼ってた猫が死んじゃったんだって。毒があるので家を取り壊しましょうってなって、一度だけまだ取り壊されてない状態で行きました。あした取り壊されちゃって全部なくなっちゃった。近くにお墓や猫の埋められた場所があるけど、今日そこにお墓参りに行ってきました。」


ゆかねえ「私も親友を津波で亡くしていてずっと友達を亡くしたって言っちゃいけないと思っていた。というのは家族を亡くしたとか彼氏彼女を亡くしたとかもっと深い人がいるなって思った時に、友達を亡くしたってちょっと違うかなと思って10年間ずっと一人でキャンドルを少しずつ灯しながら追悼の気持ちでいたんですが、LOVE FOR NIPPONの仲間やジュンさんと出会ってから、もっと悲しみを開放してもいいんじゃないかなと思って、そうすると自分の気持ちも少し楽になるんです。」

ジュン「これこそ今頑張らなくちゃいけないことだなと思ってて。ずっと当時から東京とかで「今福島はどうなの?」って聞かれて、「一言では語れない」って言ったあとに「いろんな福島があるんだ」って語るようにしているんです。やっぱり津波被災地域はまだまだ殺風景だったり、むしろ置いていかれて、この先どうしようって思っている人が増えている気がするし、一方中通りや会津の方でも風評被害やモヤモヤが絶えないだろうし、福島の事業家さんたちは、やっぱり福島は原発事故のイメージよりももっと安全でクリーンなことを言っていかないと物が売れないからマイナスなことを言わないでくれって思っている人も増えているだろうし。問題が複雑になって増々「これ」ということが言いづらくなっている。だから通い続けている理由は、その街やその人に物語りがあるのでなるべくその物語りを1個1個ためておきたいと思っているんですね。」


改めて、LOVE FOR NIPPON代表 キャンドルジュンさんに伺いました。

―――まずはこの「キャンドルナイト」に込める想いから伺えますか

「とにかく毎月11日に福島に来ることが大事だなということと、キャンドルナイトの良いところは、メッセージをキャンドルのカップに書いて一緒に灯そうとしているので、メディアの役割になるというか、喋れないんだけどそっと思いをカップに書いていくというのがあって。福島に起きていることって様々な問題があるからなかなか声に出せないことをいかに拾っていくかってことが大事だと思っているので、だから毎月続けているって感じです。」

―――今日一緒にキャンドルつくった男の子のお母さんが双葉町出身で、今はLOVE FOR NIPPONのスタッフとしてお仕事されていて。「いずれ双葉に戻って町の復興のために何かできないか」と模索されていますが、やはりまだ子育て世代が戻ってくるには時間がかかる印象ですか?

「難しい問題で、もともと双葉町には中学校が1校しかなかったんですが、中学校が1校ってことは双葉町民全てが通ったんじゃないかなと思うと、被災後ほとんどの方が予算があるうちに家を解体して更地になってしまっていて、町の景色が当たり前のものがなくなっていると位置関係がわからなくなる。だから中学校はちゃんと残して、町に戻らない人でも町を訪れた際に変わらない中学校があって、そこで今の双葉町やこれからの双葉町を学べたりいろんな交流ができたらと思ったんですけど、やっぱり町もお金がないから今なら国から予算が出て解体ができるってことで、全部解体することにしたと聞いて。町に「お金がないから」ってキーワードって、それが悔しいって官林さんも話しているんですけど、お金がないからって選択肢は切実な問題だけど、支援したいと思っている人がたくさんいたり、すごくアンバランスだなと思っちゃって。
自分たちも10年以上続くとお金がないからクラウドファンディングを2回やっているんです。1回目のとき金額入れている人が、福島の仮設に暮らしている人が結構多かったんです。それが悔しくて・・・。東京で金持ちの友達とかざらにいたのに被災地域の人の方が助けてくれて。やっぱり悔しい。そういう意味では自分の人生、東京で華やかな仕事やフェスティバル作ったりするのがメインで、時折そういう社会活動していますよじゃなくて、こっちの活動の方が自分のリアリティで、そのために東京で仕事していますって方が正解なんです。被災地域で出会った仲間たちの方が自分が最も大事にしたい仲間たちで、線引きしたくないけど逆に確固たる線が出来ちゃったんですよね。そりゃ大変な人たちがいるから支援しにきたはずなのに支援してもらってるっていう、そりゃこっちの人たちが何よりも優先です、ってなっちゃっていますよね。」




キャンドルづくりのあとは、ミニライブ、そして日没後にはキャンドルナイトが行われ、それぞれの思いが書かれたキャンドルに灯りがともりました。

来月、3月10日、11日、12日はJヴィレッジにて「SONG OF THE EARTH 311 FUKUSHIMA 2023」が開催されます。

ジュン「フェス、キャンドルナイト、サッカー、子供たちの夢を描いた大凧あげ、双葉町の大きいだるまを引っ張り合う綱引きがあったり。それぞれの311がある。いろんな思いがある人達が交差する場所になったらいいな。あと3/10、11は双葉町でキャンドルナイトがあります」

無料で参加できますのでぜひ想いを寄せに足を運んでみてはいかがでしょうか。

「SONG OF THE EARTH 311 FUKUSHIMA 2023」

「LOVE FOR NIPPON」

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