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23.07.07
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7年待ち続けた南阿蘇鉄道全線開通 長陽駅「久永屋」


7月から毎週金曜日にTOKYO FMはじめJFN36局に向けてお届けする「Hand in Hand」。災害被災地の復興に向け取り組む人たちのストーリーをお伝えします。

今週と来週は、熊本地震から7年3か月ぶり、2023年7月15日に全線開通する「南阿蘇鉄道」のレポートです。


2016年4月の熊本地震では南阿蘇鉄道も全線で甚大な被害をうけ、とくに立野駅〜長陽駅の区間は橋の損壊、トンネルの亀裂、土砂崩れによって多くの線路が埋没するなど被害が発生。地震の3か月後に、全長17.7キロのうち、およそ7キロの区間は運行を再開しましたが、残り10キロの区間は再開のめどがたちませんでした。


そんな中、不通の長陽駅で震災後、すぐに駅舎カフェを再開させたのがシフォンケーキ専門店「久永屋」の久永操さん。久永さんが“駅から見える景色”に惚れこんで長陽駅でカフェを開いたのは、2006年のことでした。

「僕も駅を借りられるというのは知らなくて。当時中松駅で蕎麦屋をされていた方がわたしの同級生のお父さんで。中松駅で蕎麦屋のお手伝いをする中で、自分はもともとケーキ作りが好きだったので、いつか自分の店を持てたらなあという思いがあって。「それなら他の駅も見てきたら?」と師匠が言ってくれて、10駅全部を見るなかで、この「長陽駅」からの景色がすごく好きになって。わたしが初めて来たときも6月で、ちょうど田植えが終わった時期で、風が遠くから流れてくると稲がゆらゆらと揺れて、風が見える風景が広がっていて。すごく癒される景色で、あ〜なんて素敵な風景なんだとそこで知って、長陽駅でシフォンケーキの専門店をやろうと決めました。」


南阿蘇鉄道の駅数は10駅。そのほとんどが無人駅なんですが、地元の方が駅舎を利用して個性豊かなカフェや食堂、古本屋などを経営しています。

「久永屋」は長陽駅で、築100年の木造の駅舎を利用したシフォンケーキの専門店。土日祝日のみの営業です。



久永屋をオープンし10年目の2016年。熊本地震が発生し、中松駅〜立野駅の10キロの区間は再開のめどがたちませんでした。久永屋が営業する長陽駅も、7年あまり列車の発着が途絶えたままでした。

「駅舎の建物は運よく残ってくれて。地震の約2週間後のGW明けには店を開けました。きっかけは、地元の子どもたちが手紙を書いてくれて「かき氷食べたいよ!」と言ってくれたことで。やっぱり店を開けておくことが大切なんだと知りました。地元の方たちがこの駅にいるときだけでも、少し時間がゆっくりと感じられて、リセットして復旧作業にかかれるようにと、GW明けから再開しました。

南阿蘇鉄道は、まず橋がずれて、到底列車が走れる状態になかったことと、トンネルも一つ崩れてしまって。当時は廃線になるのでは、ということが心配で、列車は二度と走ってこないかもなあという心配がすごくあって。

インフラはすごく大切だなと。まずトンネルが復旧して少しお客さんが戻って。次に阿蘇大橋が復旧して県外のお客さんも来てくれるようになって。今度は鉄道が復旧することによって、外国とか、いままで来てくださらなかった方が来てくださったり。いろんな人の想いがあって、南阿蘇鉄道が走っているということを気づくこともできた。自分にとってはこの7年は非常に貴重な7年でした。
僕が一番好きだったこの風景、景色を守ると言ったら大げさだけど、残していくということを一番に考えて。南阿蘇は自然が雄大で、ここに来ないとわからない空気感や風景は、到底カメラにはおさめられない風景なんです。実際にここに来ていただいて、この風景を観ながらシフォンケーキを食べる。両方楽しんでもらいたい。ぜひ列車で長陽駅に来てほしいなと思います。」




南阿蘇鉄道では現在、7月15日の全線復旧に向けた試運転を行っています。久永さんは「運転士さんによって、警笛の鳴らし方が違う。警笛を聞くと、今日は○○さんだな〜と思うんですよ。」なんて話もしてくださいました。

来週7/14の「Hand in Hand」は、翌日に全線復旧を控えた南阿蘇鉄道の話題。鉄道を運行する皆さんの声をお届けします。

久永屋のシフォンケーキは、ネットでも購入可能です。
久永屋のサイト

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