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23.07.14
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ついに日常取り戻す 7.15全線開通「南阿蘇鉄道」


2016年の熊本地震で一部区間のみの運行となっていた「南阿蘇鉄道」がいよいよ7月15日、全線復旧します。

観光客に人気のトロッコ列車と、住民の暮らしを支える普通車両が阿蘇五岳の雄大な景色の中を走る、全長およそ18キロの鉄道。熊本地震でこのうちの10キロが不通になっていましたが、復旧に7年もの歳月がかかったのは、山岳鉄道ならでは難しさがあったからでした。


南阿蘇鉄道、中川竜一さんにお話を伺いました。

「甚大な被害を受けたのは、立野駅から長陽駅の区間にある2つのトンネルと2つの鉄橋。第一白川橋梁の橋台と橋脚を新たに作り直しました。トンネルは2つありましたが、トンネル上部の125メートルの犀角山にき裂がたくさん入って危険だったので、トンネルごととってしまい、山ごと切り取って。山を切り取ることが、最初のスタートでした。」

トンネルの上部にあった山を削りとる大工事。また、南阿蘇鉄道の一番の絶景ポイント、高さ60メートルの鉄橋も熊本地震と同程度の地震にも耐えられるよう、鉄橋の設計と架け替えが行われたそうです。



南阿蘇鉄道の鉄道員の皆さんも、全線復旧を心待ちにしていました。
運転士歴2年の、淡路恵一さんです。

「わたしは地震のときはまだこの会社にいなかったんですけど、熊本にはいたので地震を体験し怖い思いをしました。鉄道に興味があったので、南阿蘇鉄道が被害を受けたということで心配をしていて。しばらくして南阿蘇鉄道の近くまでドライブしたときに、列車が途中まで走っているというのを知って、私も復旧にかかわる仕事をしたいなと思うようになって、それから免許をとって運転士になりました。いよいよ明日から全線復旧でお客様を乗せて走ることになるので、しっかり安全運行でお客様たちを楽しませたいと思っています。」


「南阿蘇鉄道は南阿蘇のカルデラの中を走るんですね、世界的にもカルデラの中で人々が生活すること自体めずらしくて、そこを走っている鉄道で、山に囲まれる中を走るのですごく絶景です。山が好きな方、自然が好きな方にはもってこいの路線。一番のみどころは、立野の第一白川橋梁という大きな鉄橋。そこが今回地震で大きなダメ―ジを受けて架け替えを行って。一度全部橋を取り除き、なにもない状態から再びおなじように鉄橋をかけました。高さ約60メートル。下には白川が流れていて。そこをゆっくり列車は進んでいく。そこが一番のみどころで、楽しみなところ。真下に川が流れていて、風が吹くとちょっと揺れることもあるのでスリリングですが、すごく眺めがよいので皆さんに喜ばれるポイントです。」



明日からの新ダイヤで、南阿蘇鉄道は立野駅でJR豊肥線に直通で乗り入れすることになり、これにより熊本市内とアクセスがしやすくなります。

土日運行のトロッコ列車は、南阿蘇鉄道のサイトから事前予約をすることができます。
ぜひこの夏、南阿蘇鉄道の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。

南阿蘇鉄道サイト


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