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23.11.03
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南三陸町「小さな宿 のん」で過ごすのんびりした時間


今週は、宮城県南三陸町の山あいの集落、払川からのレポート。
山に囲まれ、細い川が流れるこの集落には、古民家を改装したとてものどかな雰囲気の「小さな宿 のん」があります。このお宿を切り盛りするのは、中村未來さん。震災の1年前、大阪の建築事務所に就職しますが、東日本大震災のボランティアをきっかけに、南三陸に移住。プロに任せきりにせず、1000人を超える有志の方々が集まり、5〜6年かけて、少しずつこの宿を形にしてきたと言います。



「みんなで作った小さな宿「のん」です。建物は築130年ぐらい、元々民家で養蚕をやっていたお家のようですね。南三陸に来てこの土地のことがすごく好きになって、最初にこの払川集落に足を踏み入れた時に、自分をふわっと包んでくれるような温かい感覚になって、この場所に自分が居たいなとすごく思うようになって。それで、この場所の魅力をいろんな人に広めたいという気持ちが生まれて、宿泊施設を運営すればそこで食を通してこの土地の美味しい味を伝えられるし、何よりも私の大好きなこの時間の流れだったり、そういうところを滞在、宿泊するという形の中で伝えられるとふと思って、そこから建物や空間をゼロから作るというよりは、古民家とか空き家に自分が手を加えて蘇らせて活用していきたいという気持ちで空き家を探して、お宿として2022年の秋から本格的に開始をしました。」



「この場所自体、東日本大震災で海沿いが一切道路とかも通れなくなった時に、みなさんが山を越えて水を汲んだり、洗濯しに来る拠点になっていたようなんですね。そういう有事の際にすごく強い場所。今後何も起こらないのが一番いいですけど、何かあった時には、暮らしを取り戻したり支えるサポートができたらすごく嬉しいなと思って。あと南三陸って海のイメージがすごく強いんですけど、南三陸は8割が山なので実は林業も盛んで、畜産で牛を飼っているお家もたくさんあって、このお宿で出す食材も有機栽培、無農薬で栽培されたものとか、冬になると、この集落でセリを作っている方がいて、私も好きなせり鍋がすごく美味しいので。セリって新鮮さが命なんですよね。歩いて2、3分のところで栽培されたセリを、お客様がいらっしゃるその日に採りに行って鍋に入れて。朝食には、私がパンを作るんですけど、パンの中に藍を練り込んで焼いたパンをお出ししたり、藍の葉っぱの天ぷらを出したり。すごく美味しいです。ちょっとやっぱ苦みがあるので、それがすごく私は好きです。」



中村さん、もうひとつ、面白い取り組みをしています。それが、「藍」を活用したプロジェクト。畑で栽培した藍を使って、藍染め体験も行っています。

「藍を栽培し始めたのと、古民家を改修し始めたのはほぼ同時期で、藍のほうは有志の何人かで、耕作放棄地対策や教育旅行の受け入れ土壌としてやり始めたのがきっかけで。古民家の方は、私個人の夢で始まったもので、あまり自分の中で関連性なくやっていたんですけど。

この古民家のすぐそばに川が流れていたのも、藍染めをするのにすごく良い条件で、あとは、宿をやるなら藍染めしたお布団で寝たらすごく良さそうとか、だんだん両方のプロジェクトが交差してきたような形ですね。藍染め体験していただいた皆さんが言うのが「藍染め自体も楽しいけど、なんかこの場所が、すごく心地いい」とか「なんか久々にのんびりしましたとか」と言ってくださる方がすごく多くて。泊まるということで、もっと、ここの静かな時間を感じてもらえるということで、藍染め体験に来た方が、次回は泊まりに来るってこともありますしね。
特別に目立つ何かがある集落ではないんですけど、こういう里山での暮らし、払川での暮らしを体感してもらえたら、みんなにも知ってもらえたら嬉しいなっていう気持ちもあります。」

↑スタッフも藍染体験してきました!



宿について、また藍染体験について詳しくは「でんでんむしカンパニー」のウェブサイトをご覧ください。

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